嵐の中の『空木岳』~『南駒ヶ岳』日帰り縦走 [登山]
今回は以前から予定していた『空木岳(うつぎだけ)』への登山を行いました。
梅雨がまだ明けない中での登山ということもあり、途中からは雨がパラつくようになり、「木曽殿山荘」以降では暴風となり、『空木岳』登頂や『南駒ヶ岳』への縦走には苦労しました。又、下山途中からは豪雨に見舞われましたが、なんとか無事に戻って来られました。
以前の『越百山』~『南駒ヶ岳』の記録はこちらから → 梅雨の晴れ間に中央アルプス日帰り縦走
日付 | 2009年7月24日(土曜日) |
天候 | 曇り時々雨、夕方一時豪雨 |
距離 | 26.7Km (内 林道11.2km) |
累積標高 | +3100m -3100m |
所要時間 | 11時間50分 |
人数 | 1名 |
行程・予定時刻 | |
05:20 | 伊奈川ダム上登山口(駐車場) 1080m 出発 |
06:25(01:05) | 金沢土場 |
06:40(00:15) | うさぎ平 |
07:00(00:20) | 八丁のぞき(5合目) |
07:35(00:35) | 北沢(吊橋)(6合目) |
08:25(00:50) | 仙人の泉(7合目) |
09:00(00:35) | 8合目 |
09:45(00:45) | 木曽義仲の力水 |
10:00(00:15) | 木曽殿越 15分休憩 |
11:50(01:50) | 空木岳 2764m 食事休憩 |
12:15(00:25) | 空木岳 出発 |
13:10(00:55) | 赤梛岳 2798m |
13:50(00:40) | 南駒ヶ岳 2841m |
16:20(02:30) | にわとり小屋橋(登山口) |
16:35(00:15) | 福栃橋分岐 |
17:10(00:35) | 伊奈川ダム上登山口(駐車場) 到着 |
今回の登山は、悪天候時の対応を確認したいと思い天気予報で"曇り時々雨"という状況の中で決行しました。
前回の『越百山』登山と同じ様に朝3時に起床し、早々に出発して登山口のある伊奈川ダム上の駐車場へと向かいました。ほぼ予定通り5時すぎに到着すると、天気は曇りで時々青空が覗くような状態でした。
今回駐車場には、車が5台ほど止まっており、登山の準備中にも1台が入ってきました。
登山口を出発し前回同様に車留めのゲートと今朝沢橋を渡ると分岐に着きます。今回は左手の『空木岳』方面の「金沢土場」へと向かい林道を進みます。
起きる時間が早いこともあり、眠気が取れないままの出発で体調はあまりすぐれません。また、前回の疲れがまだ残っているようで歩みもいつもより遅めとなっています。
林道をおくまで入ると途中に道路上を川が横切っているところがあり、今回は飛び石で何とか渡ることが出来ましたが、大雨の後などでは濁流と化すと思いますので、この道を下山路に利用する場合には注意が必要かもしれません。
そして、駐車場から5.8Kmを1時間程で歩くと「金沢土場」に到着しました。ここは「倉本駅」方面との分岐となっていますが、情報では通行止めとなっています。しかし、現地には何も書かれていませんでした。(下写真 左)
分岐を右に折れて「うさぎ平」へと進みます。谷間の林道を上へ詰めていくと少し広くなったところへ到着しそこが「うさぎ平」と呼ばれています。(上写真 右)
ここでは、うさぎは見かけませんでしたが、帰り道の今朝沢林道でうさぎが目の前を横切るのを見たので、この周辺には元々うさぎが多いのかも知れません。
ここから先の登山道は、急登となり高度を一気に稼ぎ東金尾根へと乗ります。しばらくは尾根沿いの道を進むと水音が右のほうから聞こえ出して「北沢」へと到着します。
この沢には少し頼りない吊橋が掛けられており渡ることになります。(下写真)
恐るおそる橋を渡ると、案の定湿り気で板が滑ります・・・。思ったよりも揺れないので両側のロープをしっかり握りながら渡りきると、ここから先が本格的な登りとなります。
急な登りを黙々と進んでいると、パラパラと雨が降ってきましたが、幸い樹林帯の葉が多い茂ったところで、弱い雨ではあまり濡れないので、下だけ雨具を履いて先へ進みました。8時頃に山頂方面から男女2名のご年配の登山者とすれ違いました。多分6時ぐらいに木曽殿山荘を出発されたのでしょう。そんな事を考えつつ挨拶を交わし先へ急ぎます。(今回、山中であったのはこの2名だけでした)
途中の展望がよい所から景色が見えましたが、雲が多く遠くまでは見渡せませんでした。(下写真)
見ての通り、上の方に怪しい雲が出てきており、この先天候が良くなる気配はありません。
7合目と8合目となにごともなく通過すると、そろそろ森林限界が近づいてきたのか、林が少なくなり低木が増え綺麗な花もそこかしこに咲いていました。しばらくすると「木曽義仲の力水」と呼ばれる水場に到着したので喉を潤わせます。
ここからさらに15分ほどで「木曽殿山荘」へ到着しました。(下写真)
このあたりまで登って初めて気がついたというか、今まで森林の中にいて気がつかなかったのですが、非常に風が強く南から10~20m/sの風が吹いています。(体感です)
「木曽殿越」に到着しましたが、周りには人の気配がまったく無く、一人もいませんでした。すぐに『空木岳』へ向かおうとしましたが、風がひどいため休憩もかねて「木曽殿山荘」の入り口付近で風を避け、ザックカバーと雨具を飛ばされないようにしっかりと結び直しました。
あまりの風のためこのまま先へ進むか、あきらめて下山するかと思案しましたが、目的のひとつである悪天候時の対応を試すことと、取り合えず『空木岳』まで登り、時間と先の状態を確認して判断することにしました。(下写真は、「木曽殿越」から見た『空木岳』方面ですが、ガスってまったく見えません)
準備が整い『空木岳』への岩稜帯を登っていきます。しかし、想像以上に風が強く体が吹き飛ばされそうになるため、ストックを活用しなるべく低い姿勢で風を避けて登っていきました。又、ガスで先が見にくい上にメガネが曇りさらに視界が利かなくなっており、道を慎重に確認しながらの登頂となりました。
岩場などでは赤ペンキなどで数メートルおきに印があるため、視界が悪い中でも迷うことはありませんでした。また、急な岩などにはクサリや足場などがあり助かります。
そして、ガイドブックなどの時間とほぼ同じ1時間50分ほどでようやく頂上に到着しましたが、ここも風が強かったので大きな岩を風除けにして、その陰で食事休憩としました。(下写真は空木岳山頂)
休憩後の出発では、12時をまわったところだったのと、この先これ以上天候の悪化はないだろうとの判断で予定通り『南駒ヶ岳』への縦走を決行しました。
空木岳の反対(東)側へ下りると風が遮られ弱くなりました。また、木曽殿越から山頂までの道は岩場の連続でしたが、空木岳から稜線までの下りは岩場はあまりなく快適に稜線まで下れました。
稜線に下り『赤梛岳』へ向けて進みますが、高低差が少ないハイマツを分ける道となり、時々岩場がある程度となります。(下写真は稜線の様子)
快適な道を進み気がつくと『赤梛岳』山頂へと到着していました。山頂には棒が一本立っているだけで何もありませんが(多分悪天候で見落としています)、それと分かるピークにはなっていました。(下写真)
ここまで来れば『南駒ヶ岳』はすぐそこなのですが、一旦「摺鉢窪分岐」の鞍部へと下り、そこから上り返すことになります。
急な岩場を100mほど下り「摺鉢窪分岐」の標識をすぎると『南駒ヶ岳』への登りへとなります。南駒ヶ岳へは前回反対側から登っていますが、この付近の特徴なのか険しい岩場が多いため、今回も岩場をペンキを頼りにして登っていきました。鞍部から20分ほど登ると見覚えのある山頂に到着しました。(下写真)
展望がすぐれないので、下山のため前回通ったのと同じ「北沢尾根」沿いの岩場へと早速向かます。以前は途中に雪渓が残っていましたが、それから1ヶ月経ち雪は一切見当たりません。
こちらの岩場にはあまり目印のペンキが無いため、先を確認しながら慎重に進んでいきます。しばらく進み高度が落ちてきて尾根の南側を通るようになると風もピタリとやみました。(下写真は北沢尾根の下の方で撮影)
尾根途中に見た『越百山』方面の景色(山頂付近は雲が覆っている)
森林地帯へと下りてくると風は弱めてくれますが、代わりに石や木の根などが雨のため大変滑りやすくなっており、幾度とも無く滑って転んでしまいました。
途中の「見晴台」と呼ばれる付近では青空も見えていました。(下写真は、そこから「大桑」方面を望む)
しかし、その後さらに下ったところでとうとう雨が降り出しました。しかも、土砂降りの雨となりただでさえ滑りやすい道を慎重に急いで下って行きました。
下の沢沿いの道に出ると案の定、沢は轟音を響かせて濁流となっており、その先の今朝沢もすごい勢いで水が流れていました。(逆コースで行っていて、伊奈川林道上を通る川がどうなっていたかと思うと・・・)
駐車場に到着した時には小止みとなっていましたが、後で調べるとこの時間帯(16時~17時)11.5mmの雨が降ったようです。
しかし、2週連続で26kmもの登山には応えました。
今回の反省点は、
・疲れているとはいえ下山中に滑りすぎだと思うので、もう少し足元の状態の判断を早く正確に行う必要があると感じました。
※雨の中の登山はあえて行ったため反省ではありません。しかし、天気や気象状態を正確に判断できる様にならないといけないと思いました。(風が強いのは予想外でしたが、下界の風向きと上空の大気の状態で推測できたのではと思いました)
次回:7月28日から8月6日まで長期休暇なのですが、天候がすぐれないのでいつどこへ行くかまだ決まっていません。
悪天候の中の登山、お疲れさまです。無事の下山、何よりです。
稜線上で吹く強風を以前に経験したことがあります。
強風はとても恐いですね。
by joyclimb (2009-07-30 21:40)