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笠ヶ岳日帰り登山 [登山]

 先日は、『笠ヶ岳』へ日帰り登山に行ってきました。
 丁度一年前となる、2008年9月12日に「新穂高温泉」を基点として『槍ヶ岳』に登り西鎌尾根経由で『笠ヶ岳』へと一泊二日で縦走した時に、2日目の 『笠ヶ岳』では雨のためまったく展望が利かず、リベンジを決意してから早一年、ようやく『笠ヶ岳』へ行くことが出来ました。

 

笠ヶ岳日帰り登山
クリヤ谷~笠ヶ岳~笠新道~新穂高温泉
日付2009年9月11日(金曜日)
天候朝方曇りのち晴れ
距離21.3Km
累積標高+2916m -2796m
時間12時間10分
人数3名
行程・時刻
04:45中尾高原口 駐車場 出発
04:50 (00:05)クリヤ谷登山口 (登山届け記入)
05:30 (00:40)穴滝
07:10 (01:40)最終水場
09:00 (01:50)クリヤノ頭直下 2440m
09:20 (00:20)雷鳥岩10分休憩
11:25 (02:05)笠ヶ岳 2897.5m 食事休憩
12:20 (00:55)笠ヶ岳 2897.5m 出発
13:30 (01:10)笠新道分岐
14:10 (00:40)杓子平
16:00 (01:50)笠新道登山口
16:55 (00:55)新穂高温泉 到着(タクシーで駐車場へ 1,010円)

行程図(黄は予定、赤は実測)
090911_map.jpg

 朝5時に中尾高原口の無料駐車場に待ち合わせの所を30分早い4時半には皆到着しました。
早速準備をしてまだ暗い中、槍見のクリヤ谷への登山口へと向かいます。
 駐車場から「新穂高の湯」に行く橋を渡りしばらく行くと「槍見館」の横にある登山口が見えてきます。そこで登山届けを記入して登り始めました。
 しばらくは斜面を奥へと入っていきますが、右手から沢の音が大きくなり「穴滝」へと到着します。穴滝上部の沢を渡ると前方に『錫杖岳』の険しい岩が見えて来ると、しばらくは沢沿いの道となり、あと2回ほど沢を渡り返すことになります。
 次第に沢の水量が減っていき傾斜も厳しくなり始めると、前方に目指すクリヤノ頭の岩稜が見えて来ます。後ろを振り向くと木の間から『焼岳』がまじかに見えてきます。(下写真)

 さらに登りクリヤ谷上部の最後の水場を過ぎると、急斜面の道はつづら折りとなり中々先へと進みません。
今回は腰を痛めている方もいるため、ゆっくりと休憩を取りつつ確実に登っていきます。そして水場から2時間弱で「クリヤノ頭」と呼ばれるピークの下へ到着しました。
 ここからの展望はすばらしく、『焼岳』の右手には『乗鞍岳』、その奥には『御嶽山』が望めます。当然、『槍ヶ岳』や『穂高』の山々も見えますが、逆光のためシルエットでしか分かりづらくなっていました。(下写真)

穂高連峰

『槍ヶ岳』から『北穂高岳』

『乗鞍岳』と『御嶽山』(右奥)

クリヤノ頭

『焼岳』方面

『錫杖岳』方面

高山市方面

 「クリヤノ頭」を左からトラバースすると、前方に次の目的地である「雷鳥岩」が見えてきます。(下写真)

 向かう途中、岩間の絶壁から穂高方面や「杓子平」が覗けました。(下写真)

 

20分ほどで「雷鳥岩」へ到着すると笠ヶ岳の南西尾根が前方に見えてきました。(下写真)

「雷鳥岩」近影

南西尾根の眺め

 ここからは、一旦50m程「笠谷」への鞍部へと下り、そこから南西尾根へ上り返す事になります。(下写真は登り返し途中振り返り見た、登山道)

 後はひたすら登り、まずは南西尾根との分岐を目指します。ガレた道を上へ上へと登っていくと『笠ヶ岳』の頂上が覗き始め尾根との分岐に到着しました。(下写真)

 気持ちの良い稜線に出ると山頂はまじかです。(下写真)


 写真でも分かるように、山頂付近は平な岩が折り重なっており、その上を登って行く事になります。丸ペンキマークを頼りに進んでいくと、360度遮るものがない山頂へと到着しました。(下写真)

『笠ヶ岳』山頂

『抜戸岳』方面

雲ノ平と水晶岳(右)・赤牛岳(中央)

双六岳(手前)と鷲羽岳(中央奥)・野口五郎岳(右奥)

雲に包まれた穂高

『緑ノ笠』

緑ノ笠(手前)と穂高(奥)

黒部五郎岳(手前)と薬師岳(奥)

 ここで、思ったよりも早く到着し下山までの時間の余裕があるため、長めの昼食休憩を取ることにしました。
山頂は寒いだろうと思っていましたが、風も無く天気も良いためポカポカ陽気の中の食事となりました。
 山頂でラジオ(音楽?)を聞きながら寝そべっている方がおられましたが、この方は「笠ヶ岳山荘」のご主人だったようで泊まるか聞かれました。(1名だけ泊まりです)
 その後、ぞくぞくと笠新道方面から登られた登山者が来て、山頂はあっという間に手狭となってしまいました。
食事後は、皆で山の同定が始まり楽しい雰囲気となりました。
 そうこうしているとあっという間に下山の時間となり、名残惜しいですが山荘への道を下って行きました。(下写真)

 笠ヶ岳山荘で先ほどのご主人が小屋番をされている脇を通り過ぎ『抜戸岳』方面へと向かいます。(下写真)

 向かう途中で振り向くと、『笠ヶ岳』が大迫力で見えました。(下写真)

 右手には、朝から曇っていた槍と穂高が雲間から覗いていましたが、この後、あの様な事故が起こるとは予想だにしていませんでした。(下写真)

槍ヶ岳

ジャンダルム(その右上に写っているヘリは事故機とは別:撮影 11時37分)

 「抜戸岩」(下写真 左)を抜けて、『抜戸岳』への最後の登りを上まで行くと、右へ分岐し笠新道の下山路(下写真 右)へと入りました。

 

 不安定な岩場を下っていくと「杓子平」(上写真 右の平坦地)へと付きました。(下写真は、ここからの眺め)

『笠ヶ岳』

杓子平から見た穂高

 この頃から『笠ヶ岳』の山頂付近はガスに覆われ始め下山したときには完全に雲の中でした。
「杓子平」を越えると本格的な下山路となり、つづら折となった道をひたすら降りていくことになります。 その途中で不意に動く気配がしたので立ち止まってよく確認すると、15cmくらいの”オコジョ”が人懐っこくこちらを伺っていました。(下写真)

 チョコチョコとかわいらしく動き回るオコジョをしばし見ていましたが、その内奥へと戻っていきました。
そして、また黙々と下る作業に戻ったときにもう一人の相方が、「何か音しなかったか?」と聞いてきたので、下るのに必死で何も聞こえなかった私は「いや何も聞こえませんよ?」とやり取りしてしたのですが、正にこの時ジャンダルムでヘリコプターが墜落炎上した時間で、対岸にあたるここにまで、爆発音が聞こえていたようです。
 雲と樹林で覆われ見えなくなった穂高方面で、その様な大惨事になっていることなど露知らず下山を続けたのでした。

最後に撮った「ジャンダルム」(14時47分撮影)

 そして「杓子平」から降る事2時間半で「笠新道登山口」へと到着しました。(下写真)

 ここからは、林道を「新穂高温泉」へと向かう単調な歩きとなります。50分ほど歩くと、前方のバス停にバスが止まっているのが見えていましたが、非情にも出発して行っていまい次のバスまでは1時間も待たなくてはいけません。
 相方は歩くのがつらいようでしたので、止まっているタクシーで行くことにしました。そして、この時初めて事故のことを運転手から聞いて知り、何とも後味の悪い登山となってしまいました。

今回の反省点は、
 ・特にありません。

 今回のヘリコプター事故もそうですが、山の天気が変わりやすいのが体感できた登山となりました。(朝方は晴れていた穂高方面が、昼前には雲に覆われて、昼過ぎには雲間から覗いていたのが、夕方にはまた雲の中でしたから・・・)

次回は天気が良ければ『八ヶ岳』へ、悪ければ岐阜の低山の予定です。

最後に、事故で亡くなられた方のご冥福をお祈り致します。


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コメント 6

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山子路爺

こんにちは
駐車場を出てから12時間、頑張りますね。
当方の 2倍/日 歩いていることになりますね。
ちなみに当方は笠ヶ岳山荘に泊まりました。
by 山子路爺 (2009-09-14 14:55) 

おど

山子路爺さん、
 今回距離はそれ程でもないので、単独ではもうすこし短時間で登れたと思います。
 ゆっくりと登ったので、ほとんど疲れは出ませんでした。(ただ、長時間行動でだるくなって来ましたが・・・)

by おど (2009-09-14 19:04) 

swm104

今度の連休中に天気と相談しながら、新穂高へ行く予定です。過去の記事も拝見させていただいて参考にしています。
by swm104 (2009-09-17 00:13) 

おど

swm104さん、新穂高温泉から登られるのでしょうか?
連休中は混みそうなので、来週末ぐらい天気が良ければ『槍ヶ岳』の日帰りに行きたいと思っています。(新穂高近辺は駐車場が混んで止める場所に苦慮するのが難点ですから)

by おど (2009-09-17 19:11) 

joyclimb

日帰りでの笠ヶ岳 登山、凄いパワーですね!
(以前にこのコースの逆方向で、1泊2日で登りました。
登りも下りもとても厳しかったことを覚えています。)
オコジョ、可愛いです!
by joyclimb (2009-09-22 19:40) 

おど

joyclimbさん、
 笠ヶ岳は一見厳しそうですがそれほどでもありませんよ。
但し、高度が2500m以上の山は登りなれないと高山病の症状が出て苦しくなるので、そのせいでは無いでしょうか?
 クリヤ谷を下るコースは以前行きましたが、ここを降りるのは滑って大変なので登りに利用する方が楽ですね。

by おど (2009-09-22 20:47) 

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