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雪と薮の芦倉山登山 [登山]

 今回は予定通り、加賀白山の南に位置する石徹白の『芦倉山』へ登ってきました。
最近の暖かな気候で雪が緩んでいたのと、山頂手前の尾根に薮や岩場があり予定以上に時間が掛かりましたが、何とか頂上へ到着することが出来、360°の展望を望む事が出来ました。

『芦倉山』近影

石徹白 芦倉山登山
朝日添橋~芦倉山南西尾根~芦倉山(往復)
日付2010年3月12日(金曜日)
天気晴れのち曇り
場所岐阜県郡上市白鳥町石徹白
距離12.0Km (内林道 4.5Km)
累積標高+1094m -1094m
時間7時間25分
人数1名
行程・標高・時刻(赤の標高はGPSから)
07:40770m
朝日添橋 駐車地 出発
08:30 (00:50)900m
尾根取り付き
09:30 (01:00)1221m1221mピーク
10:45 (01:15)1464m1464mピーク
12:20 (01:35)1682m芦倉山(手前) 昼食休憩
13:00 (00:40)1682m芦倉山(手前) 出発
13:10 (00:10)1716.7m芦倉山 頂上
13:20 (00:10)1716.7m芦倉山 頂上 出発
13:35 (00:15)1464m1464mピーク
14:05 (00:30)1221m1221mピーク
14:30 (00:25)900m尾根取り付き
15:05 (00:35)770m朝日添橋 駐車地 到着


GPS行程図(黄色は予定、赤色が実績)
20100312_map.jpg

 前日までの雨と朝の冷え込みで登山口までの道路状況が心配でしたが、桧峠の坂道や石徹白の集落はしっかり除雪されており、一部凍結していますが問題ありませんでした。

 「白山中居神社」へ到着すると、車が一台止まっていました。 その右手に通る、朝日添橋(あさひぞえはし)への林道を見ると、きれいに除雪されており行けそうなので、車で奥へと進みます。
 橋の対岸までしっかりと除雪されていたので、そこに駐車して出発の準備をしました。(下写真)

朝日添橋

駐車地(奥が「朝日添林道:わさびそりんどう」)

 今から登る『芦倉山』は、明確な登山道は無く藪山なので基本的に残雪期のみ対象となる山です。 まずは西に向かっている「保川林道」を進んで行くことになります。 幸い、最近通ったと思われるスキーと登山者と思われる足跡が付いていたので、その跡を追うことにしました。(下写真)

保川林道の様子

 朝から快晴の青空の元、思ったよりも冷えていないため気持ち良く快適に歩いていきます。 しばらく進むと「牧川」との分岐へ到着しました。 ここでスキーの跡は牧川方面へと向かっていますが、登山者の足跡は、橋を渡り「保川林道」を奥へと進んでいるのでその跡を追います。
 少し行くと前方に2名の登山者が休憩していました。(聞くと同じく『芦倉山』へ登られるとの事でした) ここまではその方たちの足跡があったのでラク出来ましたが、ここでワカンを履いて進むことにします。
 途中で先の登山者を追い抜き、真っ白で踏み跡の無い林道を尾根の取り付き位置まで進みました。 尾根の末端へ到着すると、事前に地図で目星を付けていた場所から無理やり取り付き登っていきました。(下写真)

尾根の末端(帰りに撮影)

 帰りに分かり、後で書籍などで調べると今回取り付いた尾根は、本来もっと手前の林道脇から取り付くようです。(林道が東に折れててる所を東に20~30m程行ったところから北の尾根に入る)
 二股に別れた尾根の東側を登っていくと、西側の尾根(本来のコース)と合流しそこを登りつめると林道と出会いました。 林道からは石徹白周辺の山々が良く見えました。(下写真)

林道出会いからの眺め(左『小白山』、右『野伏ヶ岳』)

 ここからは尾根筋をひたすら『芦倉山』頂上へ向かって登ることになります。 林道沿いに少し西に回り込んだ所から尾根を上へと登っていきますが、いきなりの急登と深い雪に邪魔されて汗が出てきました。 暖かいので途中でジャケットを脱ぎ、上は長袖シャッツ(アンダーはシャツとヒートテック)とベストだけとなりますが、暖かな日差しと無風でまったく寒くはありませんでした。(前回の『藤原岳』では、蒸れてしまったので反省です)
 尾根の上に到着すると比較的緩やかな尾根が続いていました。(下写真)

純白の尾根道

尾根上からの展望1(願教寺山方面)

尾根上からの展望2(右は『小白山』)

 尾根上の積雪は0.5~1m程だと思われますが、足の沈み込みはそれ程なく快適に進んでいけました。 黙々と尾根を登って行き、1221mピークに到着すると向かう『芦倉山』が見えてきました。

1221mピークからの『芦倉山』

 さらに尾根を伝って行き、北方面へと進路を変更して少し行った地図上で「ピークA(1345m)」とした所に到着すると、『芦倉山』が間近に見えてきて西尾根上部の悪相が確認出来ました。(下写真)

『芦倉山』近影

『芦倉山』西尾根の核心部

 上写真の様に南斜面は急な上にガレており、その上尾根上にはコブがいくつかあるため、裏側にあたる北斜面をトラバースして登るしか無さそうなのが見て取れました。
 ピークAから10mほど降ると、1464mピークへの急な斜面を登っていきました。(下写真)

 斜面を登り切ると、そこからが核心部の始まりとなりました。 尾根筋は非常に狭く、下から見た通り雪庇で通れそうも無い上に笹薮が行く手を遮っていました。 また、所々に大きな岩がありそれらの手前の雪下に空洞が出来ており、頻繁にそこに胸付近まで落ち込んで体力を消費します。 その為、ストックで空洞が無いか一足毎に確認をして進むため、ここから山頂手前までは時速にして200m程の速度となってしまいました。(それまでの平均速度は1.6Km/h)
 さらに笹薮なども増えてきてその上は滑る上に、岩場と同様空洞ができやすいため何度か踏み抜けました。(下写真)

岩場(この岩は見えているが、ほとんどは雪の下で見えない)

尾根上の笹薮と景色

石徹白方面

 東に尾根が曲がっている部分まで来れば状況は改善されるかと思いましたが、結局山頂付近までこの状況は続きました。 また、暖かくなって雪が溶け出してきたため沈み込む量も多くなり、20~30cm程のめり込む様になりました。
 山頂を目前にして、12時を廻ってしまったのとバテて来たため、眺めの良いところまで登り食事休憩としました。

 食事後は多少体力が回復したのと、途中から雪が多くなり歩きやすくなったため一気に頂上まで登りました。(190mを10分で行けました・・・)
 山頂からは360度遮るものがない展望となっていましたが、 残念なことに午後に入って雲が多くなってきていました。

頂上からの景色(中央:『大日ヶ岳』と右:『鷲ヶ岳』)

頂上からの景色(石徹白方面:奥美濃の山々)

頂上からの景色(右手前:『初河山』、中央左:『薙刀山』、中央右:『日岸山』)

頂上からの景色(左:『銚子ヶ峰』、右:『丸山』、中央奥の雲の中:『別山』)

頂上からの景色(北東方面:雲が無ければ北アルプスが・・・)

登ってきた尾根上部(奥の山は左から『小白山』『野伏ヶ岳』『薙刀山』)

登ってきた尾根下部(中央左の尾根から登ってきた)

下山途中の尾根から(左は『別山』、中央奥に白山の『大汝峰』と『剣ヶ峰』、右手前は『南白山』)

 展望を楽しんだ後、時間も遅くなってきたため早々に出発しました。 周回コースも考えていたのですが、この雪質ではとても危なくて別コースを進むことは出来ないため、素直に元の足跡を忠実に辿ることにしました。
 一度踏み抜いたところを回避しながら足早に歩いていくと、あっと言う間に1464mピークを過ぎて険悪な道を抜け出すことが出来ました。(登りは1時間45分で、下りは15分・・・[ふらふら]
 ここからはシリセード出来そうな急斜面は滑り降りたりして遊びながら下っていきます。 しかし、高度が下がってきて気温が上がってくると雪が重くなりワカンにくっつき足が重たくなり進みが悪くなるため、時々雪を払いながら進みます。

 途中の1221mピークに、先の登山者2名と思われる休憩後があり、どうもここまで来た所で引き返されたようです。 そして、山頂から僅か1時間10分程で尾根取り付きの林道へと到着しました。

 朝はガチガチに凍っていて歩き易かった林道でしたが、今は溶けて沈みやすくなって歩き辛くなった道をゆっくり歩いていくと「朝日添橋」の駐車地へと無事到着しました。

今回の反省点は、
 ・事前に分かるものでもありませんが、雪の尾根道は状況によっては非常に時間が掛かるのが、身を持って分かりました。

次回は、実は日曜日(2010年3月14日)に北アルプスの『焼岳』へ行ったのでその報告をします。

 


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コメント 9

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ひろたん

うわ~~
素敵な雪の景観ですね^^

時間つき行程表は
参考になりますよ
歩いていると時間が忘れてしまい
かけなくなります
今度からそうしようかな
勉強になりました
by ひろたん (2010-03-15 23:14) 

asa

気持よさそうな尾根道ですね。
by asa (2010-03-16 15:22) 

おど

 ひろたんさん、
雪の景色はいつ見ても良いですよ。 工程表は他のサイトなので、自分が知りたいと思った内容を記入するようにしています。(工程図や時間と標高)

 asaさん、
最初の方は本当に気持ちよい尾根道で最高でした。 しかし、後半は・・・。

by おど (2010-03-16 20:11) 

joyclimb

展望の良い山ですね!

「頻繁に胸付近まで落ち込む」、壮絶な登山ですね!
雪道は想像以上に時間がかかることがありますね。
(特に、一度雪の中に落ち込んだ後は慎重になり。)


by joyclimb (2010-03-16 21:48) 

おど

joyclimbさん、コメントありがとこざいます。
危険箇所はないのですが、慎重に進んだので時間が掛かりますね。
by おど (2010-03-16 23:11) 

山子路爺

白山の南に位置するようですね。
かなりもぐったようですが、さすがタフですネ。
しかも単独だとラッセル交代も出来ないし、きついなぁ!
by 山子路爺 (2010-03-17 10:24) 

おど

山子路爺さん、コメントありがとうございます。
白山の南部の山々は、アクセスが良くて景色も良いので好きですね。 雪は以前の『猫岳』の踏み抜けを一歩一歩繰り返したような感じでした。(苦笑)
by おど (2010-03-17 17:17) 

SammyTajima

山で出会った人とブログでお話ができるとは思いませんでした。
芦倉山の林道で出会い、P1221mで断念したパーティの一人です。
山頂までの画面を楽しませてもらいました。

あの雪質でのあのルートを日帰りするとは、タフですね~! 
また、奥美濃の山々の情報を貰いに訪問させてもらいます。
by SammyTajima (2010-04-03 15:16) 

おど

SammyTajimaさん、ご訪問ありがとうございます。
タマタマ「芦倉山」でググッたところ、 SammyTajimaさんのブログがヒットして、これまた偶然に同じSO-NETのブログだったので訪問させて頂きました。
 結構、山であった人の記録は度々お目にかかりますよ。(やはり登った記録を残したいのでしょうか)

>また、奥美濃の山々の情報を貰いに訪問させてもらいます。
こちらこそ、山の記録を拝見することがあると思います。

by おど (2010-04-03 17:03) 

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