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残雪期の焼岳登山(途中まで・・・) [登山]

 今回は、『芦倉山』へ行った足で高山市に一日の休養後、北アルプスの『焼岳』へと登ってきました。 しかし先日の『芦倉山』同様、腐った雪と笹藪に阻まれ、当初予定していた焼岳小屋まで行くことは出来ませんでした。 しかし、快晴に恵まれ目前に迫る『焼岳』や『笠ヶ岳』、遠くに白山連峰や美濃の山々などが見られました。

『焼岳』近影

残雪期の焼岳登山(途中まで)
奥飛騨温泉郷中尾~北西尾根(夏道)~2085m(往復)
日付2010年3月14日(日曜日)
天気快晴
場所岐阜県高山市奥飛騨温泉郷中尾
距離8.6Km
累積標高+972m -972m
時間8時間15分
人数2名
時刻・標高・行程(赤の標高はGPSから)
07:151192m焼岳登山口 駐車地 出発
07:30 (00:15)1234m登山口
09:35 (02:05)1671m1671mピーク付近
11:45 (02:10)1900m昼食休憩
12:10 (00:25)1900m出発
13:25 (01:15)2085m尾根東斜面(折り返し点)
13:40 (00:15)2085m尾根東斜面 出発
14:30 (00:50)1671m1671mピーク付近
14:35 (00:05)1560mスノーシュー回収ポイント
15:20 (00:45)1234m登山口
15:30 (00:10)1192m焼岳登山口 駐車地 出発


GPS行程図(赤色が実測)
20100314_map.jpg

 前日まで、どこに登るのか決めていなかったため、登山口や登山道の状況が分からないまま、取り敢えず「中尾温泉」へと向かいました。
 「中尾温泉」を通り過ぎ、除雪された足洗谷の林道を奥まで進むと右手に登山口の標識と駐車スペースが見えてきました。(下写真)

焼岳登山口(登山届と右手に駐車地)

 既にスキーの方と思われる車が2台止まっており、フロントガラスが凍っているところを見ると前日から駐車されていたようです。 その横に停車すると、早速準備をして出発しました。
 林道は雪と凍りで覆われて歩き辛くなりました。(下写真)

林道から見た『焼岳』

林道から見た『焼岳』アップ

 林道を400m程奥へ進むと左カーブの右手に登山口の案内が見えてきました。(下写真)

 右手の沢に丸太の橋が掛かっているのですが、20cmほどの雪で覆われてどこが橋なのかわからなくなっていました。 橋を越えると本格的な登山の始まりです。
 相方は駐車地から木のカンジキを履いており、こちらはここでアルミワカンを履いて進みます。 すると先に登山道を進んで行った相方が戻って来て、カンジキが壊れた(帰りに見たら木が老朽化で折れていました)のでスノーシューを車まで取りに行くとのことでした。

 雪に埋もれてどこが登山道か分からない道を、相方が戻ってくるまでの間ゆっくりと散策しながら奥へと進んで行きました。 しばらくは平坦な場所を進みますが、尾根の末端に到着するとここからは急登となりました。(下写真)

 尾根筋に沿って急登を登っていきますが、浅いところで10cm程、深いところでは50cm程足が沈み込みながら急登を左右に登っていき体力と時間を消費していきます。 上に登るに従って雪質はパウダースノーとなり、それに加えて笹が出てきて上に積もった雪が滑り登るのに苦労しました。 

 この様な斜面を登っても登っても急登は終わりそうもありません。 途中から夏道は東の谷を越えて進んで行きますが、その後の急登が地図から読み取れるためここは我慢して尾根沿いを一直線に登っていきました。

 途中、相方が下のほうで「アーッ」 と声をあげたので何事かと思いましたが、携帯電話で確認するとスノーシューが外れたので装着し直そうと下ところ、谷沿いに滑り落ちて行ったとの事でした。 取りに行くのは危険なので諦めて、アイゼンを装着して登るということです。

 気がつくと登り始めてから4時間半も経って昼が近づいているため、尾根途中の見晴らしの良さそうな所で雪をならして休憩場所を作りました。
 相方が到着するまでの間、お湯を沸かして早めの昼食とします。 この休憩地とした所からは対岸の『笠ヶ岳』が良く見えていました。(下写真)

『笠ヶ岳』(右)と『錫杖岳』(中央の岩山)

『笠ヶ岳』アップ

 休憩地は樹林帯と山に囲まれていることもあって無風に近い状態でしたが、『笠ヶ岳』の頂上を見ると上空は風が強いことが伺えました。

 食事後は、尾根の上部まで行くのはあきらめて、行けるところまで進む事にしました。 登るのに集中していたため、気がつくと2030m地点からトラバースを予定していた場所を通過しており、2080m付近まで登っていました。
 しかたがないので『焼岳』の見える右(東)方面の尾根に移ると、目の前に『焼岳』の荒々しい山容と遠く白山連峰の山々が見えました。(下写真)

白山方面を望む

白山アップ

能郷白山方面

大日ヶ岳方面(右に『芦倉山』も見えます)

焼岳

焼岳の噴煙

  時間的に今回の登山はここまでとして引き返すことにします。 しかし、今回の登山ではここからが危険でした。
登りではまだエッジが効いていた雪も、午後になり陽が当たる場所の雪は湿って重くなっていて足場の確保に難儀しました。
 途中の笹の急登では、足場が悪く進退窮まりかけ久しぶりに緊張しました。(何とか樹木伝いに降りて行き、事なきを得ましたが・・・)

 次第に傾斜が緩んできてシリセード出来そうな斜面となったため、今回も滑りながら降りて行きますが、途中から流されたスノーシューの回収ミッションへと突入します。(笑)

  スノーシューは、谷間を相当流されたとのことで上と下からに別れて探すことにしました。 谷を下へと進むと谷途中のガケの手前にスノーシューが落ちているのが上から見えました。
 その谷へと下っていくと、危険なことに10mほど下はスッパリと切れ落ちたガケとなっていました。[がく~(落胆した顔)]

 回収後、この谷から尾根に登るのにまた難儀しましたが、何とか元のコースへと戻ることが出来ました。
 しばらく降ると、カモシカの足跡がありその方向を見ると20mほどの近距離にカモシカがじっと佇むのが見えました。(下写真)

 人間を見ても怖がらずに、こちらの様子をずっと伺っていました。 その後は文字通り滑るように下って行き、登山口まで戻りました。 こうして、今回の登山は途中で撤退となりましたが、無事に終了しました。

今回の反省点は、
 ・事前の情報収集を行わないで、登山を行うものではないのがよくわかる山行となりました。(今回の場合、理解した上で行っています)

※今回の登山道(といっても、テープも道標も雪下でほとんどありませんでしたが)は、夏道で冬場に利用するのは危険なのでお薦め出来ません。(最悪、滑落してガケ下に転落です)

次回は、天気次第ですが雪の少ない(無い)美濃の山へ行こうかと考えています。

 


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コメント 7

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tochimochi

なかなかスリリングな登山だったようですね。
流されたのがスノーシューの回収ご苦労様でした。
by tochimochi (2010-03-16 22:02) 

joyclimb

青空の広がる白山、笠ヶ岳、とてもきれいです!
無事の帰還、何よりです。

by joyclimb (2010-03-16 22:32) 

おど

tochimochiさん、
途中何ヶ所か緊張した登山となりました。相方のスノーシューは、諦めていたようですが、見つかって良かったです。

joyclimbさん、
当日は、本当に天気が良く遠くまで良く見えました。 今回は、下山出来た時はホットしました。
by おど (2010-03-16 23:27) 

山子路爺

焼岳の威容が凄いなぁ。
ワカン破損したり、スノーシュー流されたりアクシデント一杯でしたね。
無事戻ってくればアレもコレも宴会のネタになるでしょう。
こんなのも山の楽しみかも……。
by 山子路爺 (2010-03-17 10:32) 

おど

山子路爺さん、コメントありがとうございます。
焼岳は活火山だけあって圧倒されますね。(雲煙もあちこちから出ていました)
アクシデントの件は、相方が不運だったのですがね。(笑) トラブルが何もなければ小屋には到着したかもしれませんが・・・。
by おど (2010-03-17 17:21) 

ひろたん

数年前にいった焼岳ですね
冬のけいかんはこうなのですね
こんど挑戦してみようかな・・・

危険と思ったら
引き返すそれが懸命ですよね
by ひろたん (2010-03-17 22:45) 

おど

 ひろたんさん、コメントありがとこざいます。
冬場は、長野県側からであれば問題無く入れると思います。 今回のコースで鍋助横手と呼ばれる場所が、昔笹原で滑落死した鍋助という方に由来するのを後で知りました。(まさに滑落しそうになった場所がそこです)
by おど (2010-03-18 00:10) 

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