SSブログ

残雪期の木曽風越山から蕎麦粒岳日帰り縦走 [登山]

 今回も予定通り、木曽の『風越山(かざこしやま)』から独標尾根を『天狗山』と『独標 蕎麦粒岳(そばつぶだけ)』へと縦走しました。
 朝から快晴となりましたが、春霞(黄砂?)のため遠方の視界が効きませんでした。 しかし、中央アルプス北中部の山々を近くから眺められ、充実した山行となりました。

蕎麦粒岳からの展望(左から『麦草岳』『木曽前岳』『木曽駒ヶ岳』『中岳』、右奥が『三ノ沢岳』)

 

木曽風越山から蕎麦粒岳縦走
風越山登山口~風越山~天狗山~独標蕎麦粒岳(往復)
日付2010年3月20日(土曜日)
天気快晴(春霞)
場所長野県木曽郡上松町大字荻原
距離11.6Km
累積標高+1770m -1770m
時間7時間20分
人数1名
時刻・標高・行程(赤の標高はGPSから)
07:251070m風越山登山口 出発
08:15 (00:50)1614m風越の頭
08:25 (00:10)1698.5m風越山
08:30 (00:05)1700m展望
08:50 (00:20)1805mP1805
09:25 (00:35)1784mP1784
10:30 (01:05)2118m天狗山
11:25 (00:55)2338.7m独標 蕎麦粒岳 昼食休憩
12:00 (00:35)2338.7m独標 蕎麦粒岳 出発
12:40 (00:40)2118m天狗山
14:10 (01:30)1698.5m風越山
14:45 (00:35)1070m風越山登山口 到着


GPS行程図(黄色は予定、赤色が実測。 おまけとして、青色は車での軌跡)
20100320_map.jpg

 三連休初日ということと、午後から天気は下り坂の予報となっていたため予定よりも早く出発しました。 「中津川I.C」から国道19号線を北上して、寝覚の床に到着したのが7時頃でした。
 ここから「敬神キャンプ場」方面へと入りますが、今回はその手前で右の橋を渡り風越山登山口のある林道「吉野東野線」へと入っていきます。(橋を渡ってから2箇所ほど分岐がありますが、すべて直進です。詳細は上の工程図を参照)
 林道は凍結などを心配していたのですが、雪の影もなく周りの低山などにも雪の姿を見ることはありませんでした。

 登山口の駐車地に到着すると、設置されているトイレで用をすませてから早速出発をしました。(下写真)

 この日は朝から気温が高く、遠くから見た山頂には雪があまり残っていないようなのでワカンとジャケットを車に置いて春山の格好で登っていきました。(軽アイゼンは持って行きます)
 登山口はこの駐車地の前にあるので、軽い準備運動後いきなりの急登を登っていきます。(下写真)

 しばらく急登を我慢して登っていくと、前方が開けてきて「カヤト境」と呼ばれる牧草地跡へと到着しました。(下写真)

 ここからは展望が開け『木曽御嶽山』などがよく見られましたが、春霞(多分、黄砂)のせいで遠くの方はボヤけてしまっています。(下写真)

 枯れたススキの野原を登っていきますが、道の跡がしっかりと付いていたのでその跡を登っていきました。 上部へ到着するとそこが「カヤトの丘」と呼ばれる所でした。(下写真)

カヤトから見た『蕎麦粒岳』方面(帰りに撮影)

 ここまで来ると『風越山』の頂上はすぐそこです。 丘を少し下ると「敬神」方面の分岐がありましたが、こちらはあまり歩かれていない様で、笹薮に呑まれかけていました。 山頂手前にある「風越の頭」と呼ばれるピークへ到着すると、登山道横の北斜面には雪が沢山残っていましたが、登山道にはまばらに残っているぐらいでした。(下写真、クリックし拡大した右奥の白いのが雪)

 そして少し登っていくと頂上がありましたが、展望は全くないため奥へ進んだ「展望」から中央アルプス北部の山々を眺めます。(下写真)

『風越山』頂上(帰りに撮影)

「展望」からの眺め(帰りに撮影)

左から木曽前岳・木曽駒ヶ岳・中岳・宝剣岳・ 三ノ沢岳(帰りに撮影)

 「展望」からは、今回の目的である『天狗山』と『蕎麦粒岳』へと尾根を進みます。 ここまでもそうでしたが、赤テープや布が随所にあるため、その目印を追っていけば比較的簡単に『中三ノ沢岳』までは行けるようです。 また、道もよく踏まれており一部不鮮明となりますが、ほとんどの尾根沿いでは明確な道となっていました。

 まずは、1805mピークへと向かいます。 比較的広い薄暗い樹林帯の尾根を進んでゆくと次第に雪が多くなってきますが、よく締まっているため歩きやすくなっていました。
 1805mピークはそれと分かるピークではなくいつの間にか通り過ぎ、東にある平坦なピークへと進みます。 平坦なピークの手前では尾根全体に多くの樹木が倒れており行く手を邪魔していました。 また、タラの木と思われるトゲトゲの木もあちこちに出ており、触れないよう回避しながら進みました。(下写真)

1805mピーク

行く手を阻む倒木

 ここを通過すると、広く気持ちの良い平坦な道となり、ここが『風越山』と『天狗山』の中間点にある名もないピークでした。(下写真)

 ここまでは、ハイキング気分で来られますがここから先では大変な目に遭いました。 広いピークを通過すると急傾斜の下りとなり、1784m地点へと高度を下げていきます。 雪が付いた斜面を時には木にしがみつきながら慎重に降りていきます。(下写真はそこからの展望)

手前から天狗山・独標・蕎麦粒岳(左奥は三ノ沢岳)

 1784m地点手前には雪が付いた急斜面があり、何回か滑りかけてヒヤッとしました。 1784m地点は、笹薮が茂った細尾根となっており特に南斜面はガレていますが尾根には笹が生い茂り下が見えないため、足元に注意しながら進みました。(尾根も崩壊気味でした)

1784m手前の笹尾根

 ここから先は再度登りの尾根道となりますが、地図でも分かるように南斜面で何箇所(実際には2箇所)か崩壊地があります。 どちらの崩壊地も北斜面は樹林帯でトラバース可能となっているので、危険な箇所については迂回して登っていきました。(下写真)

崩壊地からの眺め

天狗岳近影

尾根の崩壊地

 崩壊地の先は岩場の急斜面となっていました。(下写真)

岩場からの眺め(尾根を振り返る)

 樹林帯へと入ると雪が凍りついた斜面となりそこを登っていきますが、登山靴だけではここまでが限界だったため、ここで軽アイゼン(六本歯)を履きました。(下写真)

 アイゼンで登りやすくなった斜面を慎重に登っていくと『天狗岳』頂上へと到着しますが、山頂からの展望が全くありませんでした。(下写真)

 山頂から少し行くと南側の展望が開けており、向かう『蕎麦粒岳』が見えていました。(下写真)

 下から山頂方面を見た時に北斜面が雪で覆われていたため行けるところまでと考えて進んでいきます。 途中から1週間以内に通ったと思われる登山者の下山時の足跡が残っていてその跡を追っていきます。
 標高が上がってきたからか樹木がまばらとなってきて、立ち枯れが目立ってきた尾根を『蕎麦粒岳』へと登っていくと、雪の尾根道となり景色を見ながら登っていきます。(下写真)

手前が『天狗山』、その奥右が『風越山』

独標手前の尾根から『蕎麦粒岳』を望む

尾根から『木曽駒ヶ岳』と『三ノ沢岳』方面を望む

左から『木曽駒ヶ岳』『中岳』『宝剣岳』のアップ

 あまり広くない雪の尾根を登っていくと最後の登りの急傾斜が見えてきて緊張します。(下写真)

 幸い雪庇は無いため尾根筋に沿って登っていきます。 途中で岩場の斜面がありますが、右手のハイマツを掴みながら這い上がっていきました。 尾根上まで登ると、岩に囲まれた山頂まではすぐでした。(下写真)

尾根上から見下ろす

『蕎麦粒岳』頂上

 『蕎麦粒岳』の山頂からは、想像通り360度遮るものがない展望が開けており、東側の中央アルプスが直ぐ近くに見えていました。(下写真)

三ノ沢岳方面

熊沢岳方面

空木岳・南駒ヶ岳・越百山方面

越百山アップ

蕎麦粒岳(右奥に糸瀬山)

以前通った「上松Aコースの尾根」(中央の尾根)

 予定より1時間も早く到着しましたが、ここで展望を見ながらの昼食休憩としました。 風が時折吹きますが、比較的穏やかで太陽の照りつきも強いためポカポカと暖かく、この時期の2300mとの山にしてはあまり寒くはありませんでした。(体感的には5℃程度で、結局 春山の格好のまま[わーい(嬉しい顔)]
 食事の後も展望を満喫していきます。 名残惜しいですがあまり遅くなると雪が溶け出して危ないため、下山を開始しました。

雪の尾根道は滑落すると洒落になりそうも無いため、アイゼンを効かせ低姿勢で下っていきます。 また、危なさそうな場所は、行きと同様、ハイマツを掴みながら下っていきました。
 雪尾根を通過すると、ひとまず安心です。 崩壊地や凍った斜面は慎重に通過していきますが、雪や凍結に関しては気温が相当上がっているらしく、溶け出してスリップしにくくなっていて楽に降りていけました。

 こうしてきた道を慎重に降りていきますが、途中の尾根で「敬神」方面の滑川の一ノ沢へと下る尾根へと入りかけて慌てて本来の尾根に戻ります。(この尾根道にもルートがあるようで、そちらに入ってしまいました)

 広いピークに到着すると一安心です、この先には危険箇所はありません。(と、言っても気は抜けませんが) 後は、『風越山』を通過して、明るくなった樹林帯を下っていくと林道が見えてきて、今回の山行も無事に終了しました。

今回の反省点は、
 ・軽アイゼンとストックでは危険な登りがあったので、次回の冬山までには12本歯アイゼンとピッケルを購入したいと思います。

次回は、疲れが溜まっているので鈴鹿の春山を散策したいと考えています。

 


nice!(12)  コメント(12)  トラックバック(3) 

nice! 12

コメント 12

コメントの受付は締め切りました
joyclimb

中央アルプスの展望が素晴らしいです! 晴天の日はいいですね。
木曽駒などにはたくさんの積雪がありますね。
最後の急傾斜、下りるときがとても恐そうです!
by joyclimb (2010-03-22 10:37) 

おど

joyclimbさん、コメントありがとうございます。
2500m以上では、まだまだ雪が沢山あるみたいですね。 去年6月に訪れた『南駒ヶ岳』では、まだ雪渓が残っていましたし。
急斜面は滑ったらオシマイ(100mぐらい滑落)ですから、緊張しながら登り・降りしました。

by おど (2010-03-22 17:14) 

tina

山頂はかなりの残雪ですね。
アイゼンは本格的な物を使った方がいいと思います。
あまり人が登っていない様な山なのでしょうか?
晴れて気持ちいい山行になりましたね。
by tina (2010-03-22 19:08) 

おど

tinaさん、コメントありがとうございます。
雪は『天狗山』を過ぎた辺りから1mほどの積雪となっていましたね。
アイゼンですが、今回は6本歯でも問題ありませんでしたが、今後の事も考えて12本歯を買いました。(ピッケルも) でも、こういうのがあると険しいところへ行きたくなるというサガ・・・。

by おど (2010-03-22 19:21) 

ひろたん

中央アルプス・・・
素敵ですね
あまり踏み入れてない登山道ですね
ラッセルが必要ですね
足が沈まなかったですか・・・
by ひろたん (2010-03-22 22:57) 

おど

ひろたんさん、コメントありがとこざいます。
今回通ったコースは、思ったよりも踏み跡が有りました。 さすがにこの季節に通るのは、物好きだけのようですが。(笑)

by おど (2010-03-22 23:13) 

山子路爺

眺めいいですね。
中アの絶好の展望台と言う感じですね。
by 山子路爺 (2010-03-25 02:57) 

おど

山子路爺さん、コメントありがとうございます。
 まさしく展望台ですね。 三ノ沢岳が近すぎて宝剣岳が影になっていますが、それ以外の山は大迫力でした。

by おど (2010-03-25 12:13) 

ももこ

すごい山男なんですね\(~o~)/
親のような気持ちではらはらドキドキしながら拝見しました。
私のブログに来ていただくのが恥ずかしくなりました。
by ももこ (2010-04-01 11:08) 

おど

ももこさん、コメントありがとうございます。
ももこさんも色々な山に登られているようで羨ましいですよ。
by おど (2010-04-01 12:17) 

goodluckpo

おどさん 初めまして

子供の頃から毎日見ている蕎麦粒岳
一度は登りたい山なのに眺めているだけ 

自宅玄関から見て東正面に蕎麦粒岳
最近崩落が激しくなった様に見えます

登りたい 登りたい
でも 体力が心配 年だから

丁寧に説明頂き 感謝します 
ありがとうございました




by goodluckpo (2010-11-18 22:03) 

おど

goodluckpoさん、コメントありがとうございます。
 そろそろ雪の季節なので、蕎麦粒岳や中央アルプスも白くなってきているのではないでしょうか。 goodluckpoさんのページ拝見しました。 綺麗な月と、山頂で素晴らしいですね。
by おど (2010-11-19 19:26) 

トラックバック 3