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[登山] 残雪期の塩見岳日帰り登山 [登山]

 今回は予定通り、南アルプスの『塩見岳』へ日帰りで行ってきました。 結果は、時間切れと体力不足で「塩見小屋」手前で引き返しましたが、いずれにしても頂上手前の岩場での苦戦が予想されたので、時間があったとしても行けたかは微妙だったと思います。 しかし、今回も晴天に恵まれて南アルプスを中心とした山々を眺められ、充実した登山となりました。

塩見岳近影

残雪期の塩見岳日帰り登山
鳥倉林道ゲート~三伏峠~塩見小屋手前(往復)
日付2010年4月30日(金曜日)
天候晴れ
場所静岡市葵区小河内
距離(実測失敗のため予測)23.0Km (内林道 5.2Km)
累積標高+2290m -2290m
時間11時間55分
人数1名
行程・標高・時刻(赤字はGPSから算出)
05:551649m鳥倉林道ゲート 駐車場 出発
06:25 (00:30)1780m鳥倉登山口
08:55 (02:30)2585m三伏峠
10:10 (01:15)2657.9m本谷山
11:30 (01:20)2682m権左衛門山
12:05 (00:35)2724m塩見小屋手前
12:35 (00:30)2724m塩見小屋手前
13:00 (00:25)2682m権左衛門山(山頂手前でトラバース)
14:15 (01:15)2657.9m本谷山
15:20 (01:05)2585m三伏峠
17:20 (02:00)1780m鳥倉登山口
17:50 (00:30)1649m鳥倉林道ゲート 駐車場 出発

GPS実測図(黄色は予定、赤色が実測 ※ゲート~三伏峠まで誤差大
20100430_map.jpg

今回のコースの詳細は、以下の記録を参考にして下さい。
 2009年10月10日 初雪の塩見岳日帰り登山

 朝の3時半に家を出発して、一路 長野県大鹿村の鳥倉林道へと向かいます。 連休なかびの平日と言う事もあり高速道路や一般道とも空いていました。
 鳥倉林道終点のゲート前に6時前に到着すると、駐車中の車は4台と以前の大勢の人とは打って変わって、静かな登山となりました。 早速準備をしますが、駐車場にあるトイレは利用できないみたいです。(帰りには利用可能となっていました)
 まずは、林道を歩いて登山口へ向かいます。 この日は、朝から良い天気で期待が高まります。(下写真)

林道からの眺め(大日影山方面)

 登山口に到着すると、先行していた登山者の方が登山届を提出しがてら準備をしていました。(下写真)

豊口(鳥倉)登山口

 ここからは、当日は誰も登っていないようで先行する形になりました。 しばらくは、雪もなく快適に登っていきます。 豊口山とのコルに到着すると、少し雪がありますが、まだ少ないため問題ありませんでした。(下写真)

豊口山とのコル

 ここから尾根沿いをトラバースする道になります、トラバース道は北斜面だけに次第に雪が多くなり、途中でアイゼンを装着して進まないと危険な状態となってきました。(下写真)

※ここで失敗に気がつきました。 今回履いて行った登山靴は、あまり足にフィットしていないので、負担の少ない雪山用に履いていたのですが、急斜面を長距離アイゼンで移動すると靴が傾き小指に負担が掛かり痛くなってきました。 それを緩和しようと、おかしな歩き方をしたため、次は踵に負担が掛かってしまい最終的には靴擦となって皮が剥けてしまいました。

 しばらく進むと、夏道の時も苦労したルンゼ(深くキレた谷間)が何箇所かありますが、その内の一つで雪が何度か崩落したらしく、雪面が不安定な場所があり、残っていた足跡は迂回すべく上部の尾根に向かって登っていました。 滑って滑落したら終りなので、足跡に従いここからは尾根筋に進むことにしました。
 比較的樹木が少ない所を縫って尾根上に到着すると、中央アルプスの山並み(北アルプス方面は雲で良く見えませんでした)と、登ってきた尾根が見渡せる絶好の展望台となっていました。(下写真)

中央アルプス

中央奥から『鳥倉山(斜面に林道の筋が見える)』『豊口山』、その手前は登ってきた尾根

 ここから三伏峠小屋までは600mほどありますが、尾根沿いに進むため危険箇所はありませんでした。(その代わり藪道です) 結局途中から足跡も見失い、尾根沿いに進んでいるのは自分だけのようですが、小屋手前からはまた足跡と合流したので、尾根筋で正解だったと思います。
 そのまま尾根沿いに登って行くと平らな山頂の「三伏峠小屋」の裏手へと到着しました。 ここからの展望は、蒼い空に南アルプス南部の白い山並みが見えていました。(下写真)

右奥から『聖岳』『赤石岳』『荒川岳』など。 左手前は『小河内岳』

烏帽子岳を望む

烏帽子岳アップ

 「三伏峠小屋」へ寄りますが、まだ雪に埋もれており静まり返っていました。(下写真)

三伏峠標識

雪に埋もれる三伏峠小屋

 ここからの道は夏に来ていたため、あまり迷いませんでしたが、初めての場合は分岐で悩むかもしれません。(分岐標識は雪の下でした) 道なき道を『三伏山』へと向かうと、見覚えのあるハイマツの斜面が見えてきました。 そこを登ると『三伏山』の山頂に到着しました。(下写真)

三伏山頂上(後ろは『烏帽子岳』)

頂上からは向かう『塩見岳』なども、雲ひとつ無い姿で見えていました。(下写真)

仙丈ヶ岳方面を望む(右手前が『本谷山』)

小河内岳方面を望む

 ここまでの行程で、予定より1時間遅れとなっており『塩見岳』山頂へは時間的に無理となりました。 また、前回の山行の疲れが十分に取れておらず、筋肉疲労が蓄積しているようです。 それと2600mを超えた辺りから、酸素不足に寄る息苦しさも出てきて休憩の回数も増えてきました。(軽い高山病)

 取り敢えず、予定通り行けるところまで余力を残しつつ進むことにして、まずは『本谷山』へと向かいます。『本谷山』の途中から足跡が分岐しており、トラバースしている足跡を追って行きましたが、途中から激藪となって来たため諦めて山頂を目指すコースへと復帰しました。

 『本谷山』に到着すると、ここからの展望もよく『烏帽子岳』に邪魔されて見えなかった『荒川岳(悪沢岳)』も見えてきました。(下写真)

 ここから夏道は『権右衛門山(ごんえもんやま)』手前でトラバースしていますが、ここは素直に足跡を辿って『権右衛門山』山頂へと向かいます。 途中で山の中でははじめてとなる登山者とすれ違いました。 山頂からは、「塩見新道」と出合いそれ以降は赤テープが頻繁についているので迷うことはありませんでした。(下写真は、『権右衛門山』からの眺め)

権右衛門山からの眺め

塩見岳全景(北斜面のバットレスが圧巻)

塩見岳アップ(下の平坦な尾根手前で昼食休憩)

仙塩尾根(夏はここを縦走予定)

北岳・間ノ岳方面

 「塩見小屋」へと向かって進みますが、そろそろ限界時間となりそうなので、小屋から100mほど手前の景色の良い岩場で昼食休憩としました。(下写真は、そこからの眺め)

歩いてきた尾根を振り返る

仙丈ヶ岳

甲斐駒ケ岳

 昼食後、空身で尾根上部を偵察しましたが、塩見小屋はまだ先の尾根の向こうでしたが、まだ雪の下に埋れているようでした。 時間的にはまだ早いのですが、戻る道も登り返しがきついので下山することにしました。
 ひたすら上下する道を戻っていきますが、先に書いたように靴擦れが酷くなってきました。 幸い、昼過ぎで雪も腐ってきたため途中でアイゼンを脱いで、踵に絆創膏を張って応急処置をしてツボ足で進みました。 その途中で、午前中は雲の中で見えなかった『富士山』が、『塩見岳』の南肩から頭を覗かせていました。(下写真)

覗く『富士山』

 そして、『元谷山』や『三伏山』の登り返しを我慢しながら登っていくと3時間弱で「三伏峠」へ到着しました。 ここで本日2人目となる登山者が丁度登ってこられたので、登山道の状態を確認するとまだ厳しい状況の様です。(融けて滑りやすい?)

 他の方の足跡を追って、下山を開始しますがどうも尾根から遠くなっていくようなので地図で確認すると、塩川土間への登山道へ入ってしまったようです。(先の登山者はここから?) 幸いまだ距離が離れていなかったため、夏道と合流するだろうと樹林間をトラバースしていきましたが、これが間違いでした。 やはり夏道は通れない(通らない?)らしく、足跡は見当たらずに、何箇所かルンゼを通る羽目になってしまいました。 三伏峠で再度アイゼンを履いているため、アイゼンとピッケルを十分に活用して何とかルンゼを通りすぎると、そのまま尾根上へと登っていきました。 尾根沿いからは自分の足跡を逆に辿り、何とか登山道まで戻ることが出来ましたが、これで体力を使い果たしてしまいました。

 そして、雪が無くなるとアイゼンから開放されて、早足で一気に登山口まで降りて行きました。 こうして、歩き始めから12時間近くが経過しましたが、陽がまだ残る間に無事下山することが出来ました。(下写真は、駐車地からの眺め)

夕日に染まる『小河内岳』(手前左は『豊口山』。斜面の道が登山口への林道)

おまけ
 朝来るときに気になっていた、鳥倉林道途中に咲いていた八重桜が綺麗だったので、帰りに立ち寄っていきました。(下写真。 暗くなってきて露出不足です…)

今回の反省点は、
 ・足跡に惑わされすぎて、余計な体力を使ってしまいました。
 ・足にフィットしない登山靴を履いていって、靴擦れになった事。
でしょうか。 登山靴に関しては、以前から使っていたフィットするものの新品を買ってあるのですが、まだ足馴らしして無いため、今回は持って行きませんでした。

次回ですが、連休中に『槍ヶ岳』へ行こうかと考えていましたが、今回の山行で疲れているため中止としました。(20Km越えは疲れます・・・)
 また北アルプス方面は、まだ雪が多いようなので丁度良かったのかもしれません。(雪崩には遭いたくありませんし) その為、今のところ次回は未定です。(登山靴の足馴らしに、雪の無い近場の山の可能性大)


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SammyTajima

昨夏、北岳から仙塩尾根を下ってきましたが、その塩見岳からのあのガレ場を今の時期に登ろうとは・・・・。   その際は熊ノ平~三伏山が曇天でしたので、晴天時の山影を、それにこの素晴らしい雪の山影を見せてもらいました。 将に nice! です。  
by SammyTajima (2010-05-01 19:39) 

ひろたん

綺麗な雪の景観ですよね!!
やはりアイゼンを履かないと危険ですよね・・
今夜から赤岳に行く予定です
どのくらい雪があるのか・・アイスクライミングの
練習ができるのか・・
行ってみることにします

それにしても天候が良くて
素敵ですねガレバなにですね
バットレスなんていってみたいですね
まだ技術がね^^;
by ひろたん (2010-05-01 20:10) 

おど

SammyTajimaさん、コメントありがとうございます。
 塩見岳直下のガレ場は状況を見て登るか決める予定でしたが、そこまで辿り着けないので冬場は日帰りは難しいでしょうね。
 今回の山行は、去年10月のリベンジなので絶景が見られて満足でしたよ。

ひろたんさん、コメントありがとうございます。
 赤岳ですか、ここより余程危険だと思うので気をつけて行ってきて下さい。 塩見岳のバットレスは、見てるだけでいいです。(笑)

by おど (2010-05-01 21:22) 

joyclimb

塩見岳アップ、圧巻です!
(岩と雪、どこから登っていくのかと考えながら見ました。)
南アルプスの山中から見る南アルプスの山々の雪景色、
堪能させていただきました。
12時間の登山、お疲れさまです。
by joyclimb (2010-05-01 21:50) 

おど

joyclimbさん、コメントありがとうございます。
 塩見岳の近くから眺めは、素晴らしいの一言につきます。 途中ですれ違った登山者は、塩見岳へ登っていると思いますから、その足跡(他にもいくつか付いていましたが)を辿れば楽に登頂出来たと思います。 いずれにしても体力と時間勝負ですね。

by おど (2010-05-01 21:58) 

tochimochi

樹林帯では夏道どうりに進めないので迷いやすいですよね。特に下りに尾根を間違えたりすると戻るのに苦労します。塩見のアップは迫力ありますね。甲斐駒、仙丈は昔よく通いました。懐かしい眺めです。
by tochimochi (2010-05-01 23:51) 

おど

tochimochiさん、コメントありがとうございます。
 夏道は、今回の様な急斜面をトラバースしている所は通れませんね。(滑落するので・・・) 甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳は去年夏に登りましたが、冬場は距離があって難しいでしょうね。(もうバス通ってます?)

by おど (2010-05-02 08:24) 

旅爺さん

ご訪問有難う御座いました。
これからの山は更に楽しみが増えますね。
by 旅爺さん (2010-05-03 09:42) 

おど

旅爺さん、はじめまして。 コメントありがとうございます。
 そうですね、新緑と花の季節になって雪山とは違った雰囲気で楽しませてくれます。
 ここ最近は雪山が多かったので、そろそろ低山の春・初夏の山へ行こうかと思っています。

by おど (2010-05-03 10:33) 

ぼくあずさ

おど さん nice, vielen Dank! 塩見岳(3,046.9㍍)の日帰り山行き、日本国土地理院高山地図webと貴スライドショウで堪能、感謝。マッターホルンと見紛う残雪の塩見岳は忘れ難い美しい姿です。
by ぼくあずさ (2010-05-03 10:49) 

おど

ぼくあずささん、コメントありがとうございます。
 塩見岳は、規模は全然違いますが、マッターホルンのように尖った山容と、雪に被った姿が美しかったです。
 また、夏に通る予定なので、そのときは別の姿で迎えてくれると思いますよ。

by おど (2010-05-03 11:15) 

Jetstream777

約12時間の山行、お疲れ様でした。
いつも健脚には敬服します。
いずれの眺めも素晴らしいですね。(^_^)v
今連休は天気がいいので、外へ出たいですね。
by Jetstream777 (2010-05-03 12:25) 

おど

Jetstream777さん、コメントありがとうございます。
今年の連休は本当に天気いいですよね。 さすがに連日や連泊で登山はキツイので、3~4日置きに行くことになりますが、明日(5/4)に行こうかと思っています。
by おど (2010-05-03 15:20) 

asa

まずは夏の塩見を目指します。仙塩から行けるかどうか…

by asa (2010-05-05 12:18) 

おど

asaさん、コメントありがとうございます。
 そうですね、まずは夏道で登って土地勘を付けてからでないと、冬山いきなりは危険ですね。(今回も以前登っているからこその決行です)
 仙塩尾根沿いは、どこから登るにしても大変そうですね。 初夏に縦走予定ですが、どこから入るかはまだ検討中です。

by おど (2010-05-05 16:18) 

KOMKOM

雪の塩見岳ってなんかとても新鮮な印象を受けました。
写真でも夏の風景しか見たこと無いような気がします。
南アルプスの主峰はほとんど見えてますね。

by KOMKOM (2010-05-05 22:00) 

おど

KOMKOMさん、コメントありがとうございます。
 雪の塩見岳は確かにあまり見ないかもしれません。 やはり入りにくいのかもしれません。
 しかし、南アルプスの中央に位置するだけあって、見晴らしは抜群なのですが。
by おど (2010-05-05 22:26) 

晴れ

お疲れ様でした。僕も同じ日に塩見岳登りました。「すれ違った登山者」だと思います。ルンゼを避けるために尾根に向かうトレースを付けてしまいましたが間違いだったようです。申し訳ありませんでした。それにしても気持ちのいい山でしたね。
by 晴れ (2010-05-06 09:37) 

おど

晴れさん、はじめまして。 コメントありがとうございます。
 権右衛門山であった方ですか。 あの時は、こんな所で誰かに会えるとは思っていなかったので、驚きました。 あの日は快晴で本当に気持ちよかったですね。
 しかし、日帰りで登られたのでしょうか?(すごいです)

by おど (2010-05-06 12:19) 

山子路爺

この時期の塩見岳とは羨ましい。
懐かしの三伏峠小屋も雪の下でしたね。
昔と異なりきれいな小屋のようですね。
by 山子路爺 (2010-05-19 12:17) 

おど

山子路爺さん、コメントありがとうございます。 それとお帰りなさい。
 塩見岳は、頂上まで行けなかったので、またいつか冬の時期に行きたいと思っています。
 小屋はすべて雪の下ですが、さぞや痛むのだろうなぁ、と思いますよ。

by おど (2010-05-19 18:29) 

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