SSブログ

[登山] 北アルプス中部周回縦走(三日目) [登山]

 今回は、北アルプス中部周回縦走の三日目となる、薬師岳小屋から「五色ヶ原」を経由して平ノ小屋までの山行を載せます。 当日は朝方は快晴となっていましたが、日が昇るに従って雲が湧いてきてガスで見えなくなっていきました。 しかし、前日までとは違いガスが切れやすくなっていたため、遠くの山々なども見られました。

薬師岳小屋から見た早朝の槍ヶ岳・穂高連峰方面(左に「鷲羽岳」「ワリモ岳」)


行程表を見る場合は右のリンクをクリックして下さい。→ 三日目の行程表

GPS行程図(黄色は予定、水色は実績、その他の色は別の日)
20100801_map.jpg

 この日も、朝3時頃から空身で「薬師岳」に日の出を見る人で騒がしくなっていました。 日の出を見たいのはやまやまですが、5時からの朝食を頼んでいたため諦めて、4時半前に起きだして小屋の裏手にあるピークへとカメラを持って向かいました。
 薄明の空は晴れ上がっており、遠くの山々のシルエットが見て取れました。(下写真)

北ノ俣岳(右)と黒部五郎岳(左)

黒部五郎岳アップ(その後ろに笠ヶ岳が)

 日の出は残念ながら、薬師岳方面から昇ってくるため直接は見られませんでしたが、薬師岳の山頂からは光の筋が見えて来て日の出の瞬間(4時50分頃)が分かります。(下写真)

薬師岳山頂方面(頂上は左の中ほど)

 5時になったため小屋へ戻り、朝食を摂ると早速出発しました。 まずは「薬師岳」への最後の登りを上がっていきますが、前日までの疲れが足に残っているため、筋肉をほぐしながら登っていきます。
 まずは、手前のケルンと石で作られた避難小屋があるピークへと到着しました。(下写真)

薬師岳への登り

朝日照る山頂手前のピーク(ケルンが見える)

避難小屋

 手前のピークから山頂までは緩やかな登りを稜線沿いに進んで行きます。 右手を見るとカール地形が広がり、残雪が残っていました。(下写真)

薬師岳の中央カール

岩が多く歩きづらい稜線を進むと、前方に頂上標識と祠が見えてきました。 (下写真)

薬師岳頂上

頂上の祠

 頂上へ到着しましたが、生憎ガスが湧いてきて展望がありませんでした。 このまま待っていても意味が無いので、北薬師岳へと稜線沿いの道を降りていきました。(山頂の左側に道が続いています)
 北薬師岳への稜線は、岩場が多くガスで見づらかったのですが中々面白いコースでした。(下写真)

北薬師岳への狭い稜線

 それほど時間は掛からずに「北薬師岳」の頂上へ到着しました。 すると、一時的ですがガスが晴れてきて遠くの景色が見えるようになり暫く北薬師岳からの眺めを楽しんでいました。(下写真)

北薬師岳から薬師岳のアップ

雲海に浮かぶ山々(中央は不明、右は槍ヶ岳と穂高連峰)

薬師岳と金作谷カール

北薬師岳頂上

山頂で西方面の雲海を見ていると、山にきて初めてとなるブロッケン現象に遭遇しました。(下写真)

ブロッケン現象

 上空のガスが晴れて朝日が差し込むため、まだ晴れない低空のガスに乱反射して見えているようでした。 しばし、手を振ったりしながら遊んでいましたが、先も長いため出発することにしました。(写真では分かりづらいと思いますが、左手を上げています)
 ここからの下りも途中までは岩が多く滑らないようにテンポよく下って行きました。(下写真)

下りの岩場を降りる

 稜線沿いの道になると、二重山稜と呼ばれる所を通りました。 ここでは、稜線が並行して2つありその間に登山道が付けられています。(下写真)

二重山稜を行く

 初めこの稜線を見たときはガスで遠近感がなかったので、遠くの稜線だと思ったので下から人が登って来られてその大きさとの対比で直ぐ近くにあるものだと分かりビックリしました。(上写真中央奥に人が写っているので、低いものと分かると思います)
 このまま、稜線沿いに下って行き「間山(まやま)」までは快適な道でした。(下写真)

間山頂上

「間山」には、小さな池があります。(下写真)

間山の池

 ここから次の目的地であるスゴ乗越までは、基本的に下り道でした。 下るに従って、植生が代わり樹林が多くなって来ます。 また、湿原などもありお花畑も点在していました。(下写真)

湿原

 湿原では、パトロールの方2名とすれ違います。 その際、悪いことはしていないのですが、ジロリと見られて緊張しました。(苦笑)
 湿原を越えると一気に下る道となり、視界が広がったかと思うとスゴ乗越小屋へ到着しました。(下写真)

スゴ乗越小屋(綺麗な小屋ではありません・・・)

 スゴ乗越小屋には、水道の蛇口がありましたが、勝手に飲んでいいものかわからず小休止後出発しました。(ガイドブックを読むと飲んで良いみたいです・・・) 小屋を過ぎると木道となり、そこからはまた急な下りとなりスゴ乗越へと降りていきました。
 スゴ乗越では、数人の登山者が休憩をしており「薬師岳」へと向かっているようでした。(下写真)

スゴ乗越(奥がスゴの頭方面)

 スゴ乗越を過ぎると直ぐに急登となりロープなども設置された所をスゴの頭まで登って行きました。 途中で、スゴ乗越小屋からと思われる団体さんに譲っていただき先へと進みます。 最近、この程度の登りではテンポよく一定のスピードで休みなく登れるようになったので、今回も地図上では「急な登り」と書いてあるのは知っていましたが、一気に登っていけました。(下写真)

スゴの頭途中から間山方面を振り返る

 上部の方はやはり岩場となりますが、浮石が多いので慎重に岩を選びながら登って行くとスゴの頭頂上(実際には頂上手前のピークで頂上へは行っていませんが・・・)へ到着しました。
 山頂で一息つきながら眺めを見ていると、ガスが切れてきて登った山や登る山そして、黒部湖などが見えていました。 ここからは、一旦鞍部へと降りてそこか ら一気に「越中沢岳(えっちゅうさわだけ)」へと登っていきます。(下写真)

スゴの頭から向かう「越中沢岳」を望む

ここでも、休みなく一気に登って行くと一時間ほどで「越中沢岳」頂上へ到着しました。(下写真)

スゴの頭方面

越中沢岳頂上

 山頂で長めの休憩を取り「鳶山(とびやま)」へと向かいました。 少し下ったところからは平坦な道となりますが、ガスが濃くなり周りの景色が良く見えません。 越中沢乗越を過ぎると再度登りとなりますが、木道を歩いたり右に向かう黒部湖を眺めながら次第に高度を上げて行くと、「越中沢岳」から1時間ほどで「鳶山」へ到着しました。(下写真)

鳶山への道

ヌクイ谷と奥に黒部湖

途中には色々は花が・・・

鳶山頂上

 山頂で短めの昼食休憩としました。 休憩後は、五色ヶ原へ向かって木道を下っていきます。(下写真)

五色ヶ原への木道

 五色ヶ原はクロユリが有名みたいなのですが、霧の性なのか通った道が悪いのか残念ながら気が付きませんでした。 前方の霞の中に五色ヶ原山荘が見えてくると、室堂方面との分岐となり東の黒部湖方面へと向かって下っていきます。(下写真)

五色ヶ原山荘

 ここからは歩く人も少ない道となります。(「刈安峠」を越えたところで一人すれ違っただけです) しばらくは木道を歩いていてふと気がつくと前方を雷鳥が5羽も歩いていました。 こちらと同じ方向へ木道上を歩いていくため、一緒になって追いかける形となってしまいました。 50mほど一緒に歩いて行くと、ようやく木道から降りてくれました。(下写真)

木道を進む

木道を歩く雷鳥一家

雷鳥アップ

 この後、沢を越えて奥へ進むと木道は無くなり涸れ沢?沿いに薄い登山道が伸びています。 この辺りのお花畑が素晴らしく、しばし眺めていました。(下写真)

お花畑の間を歩く

 緩やかな道から次第に急な道へと変わってくると、尾根の右をトラバースする道となり普通の登山道になっていきました。 「刈安峠」へと順調に歩みを進めて行き「五色ヶ原」から1時間10分ほどで自動雨量計と思われる鉄塔が見えてきました。(下写真)

自動雨量計?

ここから直ぐ下った登山道が右に折れるところが「刈安峠」でした。(下写真)

刈安峠

 刈安峠を過ぎると、それまでの道とは打って変わって昔の峠道となり高度を一気に下げて黒部湖へと向かって行きました。 気持ちの良い樹林帯の中を進んでいくと、途中水場があり小屋が近いことを伺わせます。(下写真)

気持ちの良い登山道

沢からの水音が大きくなり、黒部湖が見えてくると平ノコやへ到着しました。(下写真)

黒部湖が見えてくる

平ノ小屋

小屋からの展望

 平ノ小屋に到着後、早速宿泊の手続きを取って泊まりますが、大学生と思われる11名(先生含む)も泊まっていました。 今までの小屋では、宿泊の際に部屋まで案内してもらい寝る場所を指定してもらうのですが、この小屋では女将が部屋の名前とベッドの上下どちらかを伝えるだけで、はじめての宿泊者としてはどうしたら良いのかさっぱり分かりませんでした。(他の宿泊者が後で来られたときに聴いたところ、上下のベッドで人数が合うように適当にしてくれと言われましたし・・・)
 その後も、大学生の宿泊者には色々とサービスをするのですが、こちらは無視された状態となり非常に気分が悪い宿泊となりました。(サービスしろとは言わないが、ほかの宿泊者の目の前でやらないで欲しいな・・・。 もう、二度と行きません。 怒)

この日の反省点は、
 ・特にありませんでした。


nice!(16)  コメント(14)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 16

コメント 14

コメントの受付は締め切りました
山子路爺

こんばんは。
ブロッケン出ましたか。
久しく見ていないので、羨ましいですネ。
平ノ小屋には不満が残りましたね、残念。
by 山子路爺 (2010-08-07 23:58) 

シラネアオイ

こんばんは!nice!コメントありがとうございます。
今日は野暮用で只今帰宅しました。
by シラネアオイ (2010-08-08 00:37) 

KOMKOM

早朝の風景がすばらしいです。
なんだか昔歩いた風景を懐かしく思い出しました。
スゴ乗越でバテた苦い思い出がよみがえります。
いまとなってはいい思い出ですね。また歩いてみたいです。
by KOMKOM (2010-08-08 00:48) 

おど

山子路爺さん、コメントありがとうございます。
 ブロッケン出ましたよ。(笑) 写真では分かりづらいのですが、背後に後光が射していましたね。 平ノ小屋は、これ以外にも不満があるのですが、それは四日目の記録で・・・。

シラネアオイさん、コメントありがとうございます。

KOMKOMさん、コメントありがとうございます。
 日の出前までは天気が良かったのですけどね・・・。(山の天気は大体そんなものですが。) スゴ乗越からの登りは急でしたねぇ。(逆方向からの下りの方も苦労されていました) この日は距離も短めで登りもここから「鳶山」までの区間だけだったので、気合を入れて乗り越えていきましたよ。

by おど (2010-08-08 09:07) 

シラネアオイ

おはようございます。nice!&ご来訪ありがとうございます。
by シラネアオイ (2010-08-08 10:21) 

pom405

私も見たことがあるような光景がありました。
昔子供のころ親戚に立山黒部の登山に連れて行ってもらい、
山小屋で一泊して下山しました。
記憶がほとんど消えているのですが、雷鳥に出会ったのは覚えてます。

一生に何度もない経験ですが、
山荘でサービスが悪いとせっかくの登山がだいなしになるほど
気分悪いですよね。
by pom405 (2010-08-08 10:54) 

tochimochi

雲海に浮かぶ山々がすごい迫力ですね。やはりこういう写真は3000m級に登らないと無理でしょうか。
その昔、私も朝日岳の手前の水場で休んでいるとパトロールの方2名がずっとついていました。どうやらここで幕営するものと思われたようです。
by tochimochi (2010-08-08 19:02) 

おど

pom405さん、ご訪問とコメントありがとうございます
 子供の頃の楽しい記憶は中々忘れませんよね。 室堂周辺は雷鳥が多いようなので見られる機会が多いみたいです。
 小屋のサービスですが、山の上での事なので不便なことはしょうがないのですが、今回の様なことは気分を害しますね。

tochimochiさん、コメントありがとうございます。
 低い雲なら2000m前後に浮かんでいる筈なので、2500mぐらい(森林限界か・・・)まで登れば見られると思います。
 北アルプスは、指定場所以外は全面的にテント禁止となっているので、監視の目も厳しいのでしょうね。 あと、遭難も多いので見回りや登山道の状況を確認しているのでしょうね。(いづれにしても、ご苦労様です)

by おど (2010-08-08 19:59) 

g_g

前半の稜線の写真いいですね、大好きな写真です
1度雷鳥を見てみたいです・・・
by g_g (2010-08-09 18:12) 

joyclimb

雲海に浮かぶ山々、高山からの素晴らしい眺めですね!
ガスが無くなり、一時的に遠くの景色が見られると、
来た甲斐があったと思える瞬間ですね!
by joyclimb (2010-08-11 00:34) 

おど

g_gさん、コメントありがとうございます。
 雷鳥ですか。 以前にも書きましたが、自分は遭遇率が高いのか良く遭いますよ。(先日も別の場所で3回も見ましたし)

joyclimbさん、コメントありがとうございます。
 雲海からの眺めも良いですよね。 それには、辛い登りを上がらないといけないので、景色を見られたときは本当に気持ちが良いですよ。

by おど (2010-08-12 16:03) 

Jetstream777

1日目から拝見させていただきましたが、未踏の領域。 いいですね!
いつか行ってみたいですね。 また、記事・写真等も参考になります。貴殿の俊足な時間を除き(笑)。
by Jetstream777 (2010-08-15 11:40) 

おど

Jetstream777さん、コメントありがとうございます。
 駄文を読んで頂き、ありがとうございました。 未踏の地への憧れ分かります。 来年は、北アルプスの北部縦走の予定なので、また頑張りたいと思います。

by おど (2010-08-15 21:05) 

平の小屋

不愉快になられたとのこと、申し訳ありません。
若い学生さんたちで食欲旺盛で、用意していたご飯では足りなくなりましたので、追加のご飯とおかずをお出ししましたが、そのことで、お客様が不快感を抱かれてしまわれるとは。思い至りませんでした。
渡船もしつつ、2人だけで営業しております3部屋しかない小さな小さな小屋ですので、お部屋割りもいつも説明だけですませておりますが、とまどわれたとのこと。反省しております。
また率直なご意見をおきかせくださいませ。
by 平の小屋 (2010-11-25 18:06) 

トラックバック 0