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[登山] 大峰山脈 観音峯山・稲村ヶ岳・山上ヶ岳・大天井ヶ岳日帰り縦走【後編】 [登山]

 今回は前回の続きで「女人結界門」のある「レンゲ辻」から「山上ヶ岳」へと登り、そこから大峯奥駈道を通り「洞辻茶屋」と「五番関」を経由して「大天井ヶ岳(おおてんじょうがたけ)」へ登り、そこから西尾根を「岩屋峰」と「大原山」と下るまでを記載します。

大峯山寺本殿

前編のリンク→[登山] 大峰山脈 観音峯山・稲村ヶ岳・山上ヶ岳・大天井ヶ岳日帰り縦走【前編】

 レンゲ辻の女人結界門をくぐると、すぐに鎖場がありますが、クサリは使わずに岩場を乗り越えて進んでいきます。 すると岩場の急傾斜に付けられた鉄階段が現れるので、そこを一歩一歩登って行きました。(下写真)

岩場を登るが比較的安全

随所に鉄の階段がある

紅葉は綺麗だが・・・

 鉄階段が続きますが、その御陰で険しい岩場も何の問題もなく登って行けました。 山頂部が見えてくると笹道となりますが、それよりも気温が上がってきたのか、枝の霧氷が ボトボトと音を立てながら降り注いできます・・・。(下写真)

笹原の登りとなる

 下から見た感じでは時間がかかるかとも思われましたが、レンゲ辻から20分ほどで山頂部の分岐に到着しました。 右に行くと山頂のようですが、先に左にある「日本岩」へ寄って展望を見ていくことにします。(下写真)

日本岩

日本岩からのパノラマ

日本岩からの眺め(左上に洞川の温泉街が見える)

 またガスが出てきて展望がはっきりしませんが、下山予定の洞川の町並みが見えていました。 一通り眺めた後は、先程の分岐へ戻りそのまま山頂へと向かいました。(下写真)

山頂へ

 山頂手前の笹道を進むと、「お花畑」と書かれた標識と山頂標識がありますが、その奥にこんもりと林があり、そこが三角点のある頂上でした。(下写真)

山上ヶ岳

湧出岩(この手前に三角点がある)

一等三角点はここに

 ここまでは普通の山ですが、ここから東に降りていくと境内へと出て立派な寺院が建っており、自分がどこにいるのか分からなくなります・・・。(下写真)

大峯山寺本殿

何かの儀式の後か

 お寺の中なので少し憚れますが、レンゲ辻でお会いした登山者と2人だけたったので、ここで昼食休憩として行きました。 時折陽が差し込むので暖かでしたが、今回は新しく購入した「JETBOIL SOL」でお湯を沸かして、冬の定番としているおにぎりとカップうどん、それにデザート替わりに「お汁粉」を食べて行きました。

 食べ終わった後は、南方面の展望を見に行ってから、北方面に続く「大峯奥駈道」を歩いて覗岩へと向かいました。(下写真)

大普賢岳方面は雲の中・・・

大峯山寺(こちらが正面)

 ここから「洞辻茶屋」までは修験行者の方達が歩くメインルートとなっているようで、よく整備されて歩きやすい道となっています。 石階段を降りていくと、右手(東)に「宿坊(しゅくぼう)」と呼ばれる宿泊施設が立ち並んでおり、数人の人が道の補修なのか作業をしていました。(下写真)

石の階段を降りていく

立派な宿坊がある

ここは大峯奥駈道(クリックで拡大)

 廻りに車道など全くない山頂に、昔からこれだけの施設があることを思うと、宗教への強い思いの力の凄さを実感します。 更に階段を降りていくと、前方左手に石が積まれてお宮が立っているのでそちらへと向かいました。
 するとそこが有名な「西ノ覗岩」で、展望は良いのですが足はすくみます・・・。(下写真)

西ノ覗岩から下をみる(ブレてます・・・)

遠くに洞川の集落が見える

周りは絶壁(鷲ノ巣岩)

 西ノ覗岩では、お願いをすれば体にロープを巻きつけて、上半身を乗り出すと言うあの体験が出来るようですが、この時期はやってはいないと思います。 尚、岩に鉄の鎖が取り付けられていたので、怖い人はこれを持つのかも知れません・・・。

露岩の上を歩く

 覗岩を後にして、引き続いて大峯奥駈道を「洞辻茶屋」へと向かいます。 しかし、この時間になって沢山の方が登って来ており、入れ替えでスレ違いとなります。(岩にも二人の方がいました)
 この辺りは露出した岩が多いのか、露岩が多く道もその上を通っていました。(下写真)

 すぐに鐘掛岩との分岐へと差し掛かりますが、そちら方面の道は通行止めとなっていて、替りに左斜面を降りていく階段がありました。 元々は登りと下り専用の道だったらしいのですが、今は「鐘掛岩」と「油こぼし」と呼ばれる所へは行けないようです・・・。

鐘掛岩方面(真っ直ぐ)は通行止め(左が迂回路)

木の階段が続く

 この階段の降りからは正面に洞川の温泉街が見えていました。(下写真)

洞川アップ

 整備された道を進んでいくと前方に建物が見えてきました。 この建物は茶屋で、ここは「陀羅尼助茶屋(だらにすけちゃや)」と言うところのようです。(下写真)

陀羅尼助茶屋へ(手前は真新しい建物)

 茶屋と言っても、道の端に立っているわけではなく、道を覆うようにして建っており、否応にも店先を通ることになりました。 しかし、この時期はここも休業中となっていて、静かな道となっています。(下写真)

陀羅尼助茶屋(売店が・・・)

 ここを越えてしばらく良い道を進みますが、また茶屋が見えてきました。(下写真)

良い道が続く(両脇には色々な石碑が建っていました)

洞辻茶屋

 ここが主要な道との分岐となる「洞辻茶屋」でした。 登ってきた人にとっては主稜線上にある初めての茶屋だけに、大きな建物の中に幾つもの店が並んでいました。(下写真)

?(花?実?)

洞辻茶屋の中を抜ける(うどん600円の値札も・・・)

 ここに大峯山寺でも御一緒した登山者の方と再度会いました。(こちらが食事中に先行して出発されていました) 五番関方面から降りるか迷われていましたが、ここから降りられたかどうか?
 ここからは「五番関」を経由して「大天井ヶ岳」へと向かいます。 道標を確認して、そのまま稜線上を歩いていきます。(下写真)

五番関へ向かう

 先程までとは打って変わって、踏み跡が薄くなりますが、これが一般的な登山道なので問題とはなりません。 とは言え、先程までは良く整備されていた反動からか、ロープやクサリは掛かっていましたが、急斜面の下りとなり、膝が曲げられないだけに苦労して降りて行きました。(下写真)

踏み跡が薄くなる(普通の登山道に)

岩場に鎖やロープも出る

スリップ注意

 この辺りで白装束姿の修験行者の方二人と、普通の格好の方が一人とすれ違いますが、どの方も手には錫杖を持っているので、修行中の方のようでした。(時間から考えると、吉野から来られたのかも知れません)
 この先は、比較的平坦な道となり歩きやすくなりました。 途中「今宿跡」と呼ばれる所に到着しますが、今は石が少しだけ並んで当時の面影を残すのみとなっていました。(下写真)

今宿跡

 この先は基本的には下り道となりました。 途中で小さな社があるので、見ていくとここが「鍋カツギ行者」と呼ばれるところのようですが、確かに「鍋」が吊ってありました。(下写真)

鍋冠行者堂(左になべが・・・。「ドラ」かと思ってました)

 この辺りは、尾根沿いに道がついているものと思っていましたが、実際には東斜面をトラバースする道となっており、途中二箇所ほど道が細くなった所を通過しますが、一箇所は鎖がありそれを頼れば問題ありませんし、もう一箇所も慎重に通過すれば、意外と足場はしっかりしていますが、今回のコースの中では一番危険かもしれません。(下写真)

通過注意(写真では遠近感がありません・・・)

 この鎖場を通過すると、一気に下る道となり踏み跡も薄い部分がありますが、下に五番関トンネルからの車道も見えてきて一息つけました。
 そして、レンゲ辻の時と同じく「女人結界門」をくぐるとそこが「五番関」でした。(下写真)

女人結界門より出る

五番関(ここから洞川に下山可能)

 通常であれば、ここから下山するのでしょうが、今回は「大天井ヶ岳」へと200mほど登り返すことになります。 真っ直ぐ向かって斜面に取り付くと、いきなりの急登を登って行きました。
 ここでも単独の登山者とすれ違いに登っていきます。 しばらく登り後ろを振り向くと、「山上ヶ岳」などが見えてきました。(下写真)

山上ヶ岳方面

 その後も給湯は続きますが、今回はここまで疲れはほとんど出ていません。 矢張り、足をかばって何時もより押さえ気味に登っているせいでしょうか?
 程なく山頂へと続く緩やかな稜線に出ると、その上を一気に向かって行きました。 途中で、右斜面の登山道以外の所を登る方を見かけましたが、道迷いだったのでしょうか?(下写真)

山頂への稜線上にでる

山頂手前

 そして「五番関」から30分ほどで「大天井ヶ岳」の山頂に到着しました。(下写真)

大天井ヶ岳山頂

 山頂からは、西から北に掛けて展望が広がっていますが、雲が多く遠望は効きませんでした。 ここで一息ついて、洞川へ下山します。 ここからの道は4方向にあり、通ってきた大峯奥駈道を除くと、北側の工事用モノレール沿いに続く道と、西側の道があります。 当初計画した時は、北側からとも思っていましたが、今回は予定通り西側の「岩屋峰」経由の道で下山することにしました。(下写真)

こちらが岩屋峰方面(下に個人作成の標識もありました)

 テープが付いていて、それなりに踏み跡もあるためそれを追って降りていきます。 初めのうちは急斜面ですが、次第に緩やかとなり、その後は尾根沿いに歩いていきました。 (下写真)

テープを追っておりていく

急斜面を下る

 しかし、下山では怪我した膝が痛みだしたので、少しペースを落として下っていきます。 途中、西方面の展望が見られるところもあり、大天井ヶ岳の北尾根も見えていました。 岩がゴロゴロしだしたので、この辺りが岩屋峰だろう思いましたが、山頂標識などは見当たりません・・・。 山頂付近からは、北斜面方面の木々の間から「山上ヶ岳」などが見られましたが、ハッキリした天気ではないのと逆光でもあり良く見えません。(下写真)

西方面の展望(この写真では大原山は見えず)

岩屋峰山頂

清浄大橋か?

 ここからの道は再度急斜面となり、またまた膝をかばいながら降りていきます。(下写真)

再度、急な斜面を下る

 順調に進んでいきますが、途中で尾根の分岐に差し掛かります。 右手にテープが見えましたが、尾根は真っ直ぐ向かっているのでそちらへ向かいますが、岩場となり踏み跡もありません・・・。 先程の右へ向かうテープの方へ復帰すると、下の方は尾根となっていますが、上部からはそれと分かりづらいところで注意が必要です。

 その後は、順調に尾根沿いに歩いて行き「大天井ヶ岳」から1時間10分ほどで「大原山」に到着しました。 しかし、ここに到着するまでこのピークが「大原山」と言う名前だとは知りませんでした・・・。(地図に記載されていません)
 前方に建物が見えるのでそちらへ近づくと、驚いたことに公衆トイレ(ただしボロボロ)があり、その先には「展望台」もありました・・・。(下写真)

大原山山頂

トイレがあるが・・・

展望台は樹林に覆われている

 山頂からは、それなりに展望が広がり下に洞川の集落も見えていました。 また、対岸の山を見るとその中腹に建物も見えますが、絶壁に立っているように見えます・・・。(下写真)

絶壁に立つ建物(三ツ塚方面で、地図には道すら載っていないが・・・)

 山頂標識のあるところから、下山予定の道が続いているのでそちらへ向かおうとしますが、「通行止め」のロープが貼ってあります・・・。(下写真)

古い遊歩道は通行止に

 この道は駄目かもと思っていたので、尾根沿いに降りることにしました。 しかし、紅葉を見ながら少し下ると「洞川自然研究路」と書かれた真新しい標識があり、下方向へと向かう道を示しています。 しかも、下山予定の「洞川エコミュージアム方面」となっていたので、迷わずそちらへ降りて行きました。(下写真)

紅葉の中を尾根沿いにしばらく降りる

新しく洞川自然研究路がある(右へ)

 この辺りでは、近くで木を切るチェーンソーの音がしていたのですが、しばらく降りていくとこの探求路の道の枝を払っているところのようで、枝などが散乱していました。 また、枝を切った御陰で下の紅葉や集落などの展望もよく見えるようになっていました。(下写真)

真っ赤に映えるもみじ

枝打ちの最中

町が見下ろせる

 途中からは、真っ赤に染まったもみじなどの紅葉が見られだしたので、それらを眺めながらゆっくりと降りていきました。(下写真)

見事な紅葉1

見事な紅葉2

 気がつくと道は舗装路となっていて、バイクや車も登ってきているようでした。(下写真)

舗装路となる

 そして、遊歩道を降りていくと登山口とおもわれるところに到着しました。 そこには古いマップが掲載されており、見所が記されています。(下写真)

大原山自然遊歩道案内図(今は洞川自然探求路)

大原山登山口(右の車のところに上のマップがある)

 ここまで来れば、待ち合わせをしている「洞川エコミュージアムセンター」の駐車場まであと少しと思いましたが、道が大回りになっており、更に川の向こう側なので橋を渡らないと行けません・・・。 ここからはGPSと道路標識を見ながら予定地点へと向かいました。(下写真)

山上川を戻る

大原山の紅葉(エコミュージアムの橋を渡ったところから撮影)

岩屋峰(右)とエコミュージアム

 そして予定より30分ほど早くなりましたが、無事に合流して帰ることが出来ました。

今回の反省点は、
・特にありません。

 次回ですが、膝の違和感(軽い痛みも)が中々取れないのと、週末の天気が悪く日曜日しか行けそうもないので、距離は短めとして伊勢方面の山へ行こうかと考えています。


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コメント 13

コメントの受付は締め切りました
takaki-i

一日で歩いているのに険しい岩場や寺院や随分色んな所を通るのですね。なんだか不思議な感じがします。
それにしても紅葉は見事です!!!
by takaki-i (2012-11-16 00:02) 

シラネアオイ

おはようございます。
西の覗岩はTVで観たことがありますね!
紅葉が見事に紅く綺麗です!!
今日はこれから釣りに行ってきます!
by シラネアオイ (2012-11-16 03:30) 

g_g

岩山があり展望も良く、お寺や茶店など変化のある山旅で
飽きないで歩けそうですね、紅葉も綺麗で、体調が万全なら
最高なんでしょうね。
by g_g (2012-11-16 08:37) 

mimimomo

こんにちは^^
いかにも修験者の山ですね~
登山道はかなり厳しく、それでいて山頂付近には宿坊やお寺やお店。
かなり規模は違いますが、こちらの御岳山みたい。もっとも御岳山は既にロープウェイなど
通っていて、厳しさは全然ありませんが。
紅葉も綺麗でしたね。
by mimimomo (2012-11-16 09:53) 

nousagi

宿坊や、歴史的な名残があったりすると
楽しみながら歩けますね。
「女人結界門」これ、女人禁制ということですね。
昔はほんとに女性は虐げられていましたが
いい時代がきました。(笑)
山頂の立派なお花畑の標識、
どんな花が咲くんでしょうね。(^^)
by nousagi (2012-11-16 10:31) 

ひろたん

修験者の山ですね
by ひろたん (2012-11-16 22:32) 

おど

takaki-iさん、コメントありがとうございます。
 麓から一気に登ると色々な所が見られて面白いですね。 特に今回のコースは、遊歩道から一般道、それに修験道と最後に破線路と変化に富んでいました。

シラネアオイさん、コメントありがとうございます。
 本当に今年の紅葉は当たり年で綺麗に色づいていますね。 明日行く予定の所も綺麗だといいのですが・・・。(雨で散ったかも)

g_gさん、コメントありがとうございます。
 今でこそ観光地とかしているので問題とはなりませんが、修験業者の山なので険しい所は多いですね。 膝は完治まじかなので、もう少し様子見で全快ですね。

mimimomoさん、コメントありがとうございます。
 まだこの山域は完全に観光地かされていないのが良いですね。 この程度が一番だと思うのですが、山奥で交通の便が悪いのは事実ですね。

nousagiさん、コメントありがとうございます。
 女人禁制です。 女性が駄目な理由は色いろあると思うので、ここでは言及しませんが、前半の稲村ヶ岳が女性信者用に開放されてはいます。
 お花畑気になりますよね。(笑) 今度は初夏に訪れたいところですが、ひとつ間違うと暑そうです・・・。

ひろたんさん、コメントありがとうございます。
 山頂にお寺があるヤマハ多いと思いますが、これだけの標高にこの規模のものがあるのは驚きですよ。

by おど (2012-11-17 17:06) 

ゆうくん

見事な紅葉ですね、膝の違和感が良くなるといいですね、次回の山も期待してます。

by ゆうくん (2012-11-17 22:45) 

スナフキン

ご沙汰しております。
相変わらずパワフルですね。
あとそちらの紅葉はとてもきれいですね。
by スナフキン (2012-11-18 09:08) 

ken_trekking

見るものが自然だけじゃなくて変化が
多くて楽しそうですね。標高が低くなるにつれ
紅葉に追いついて行った感じでしょうか。
綺麗な紅葉を見れば疲れも飛びそうですね。
by ken_trekking (2012-11-18 19:04) 

joyclimb

絶壁に立つ建物、どのように建設したか気になりますね。
行ったことは無いですが、鳥取県の三徳山・投げ入れ堂を連想しました。
大原山の紅葉、とても良い感じですね!

by joyclimb (2012-11-18 22:34) 

たそがれ高洋

おどさん 膝に不安を抱えてもよう歩きますね。
無理は禁物と思いますが。
大峰というか、奥駈道の中心部、さすが名所ですね。
この山域は未踏ですが、来年あたり行けそうです。
レポ、それまで残しておいてください。
by たそがれ高洋 (2012-11-19 23:13) 

OJJ

大峰山寺、立派ですね~やっぱり信仰の力はすごいのかも・・
by OJJ (2012-11-20 10:21) 

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