[登山] 長野県 坊主岳~仏谷(途中まで)周回縦走登山 [登山]
長野県の「経ヶ岳」の北に位置する「坊主岳(ぼうずだけ)」と「佛谷(仏谷)」を縦走する予定で登って来ました。 前回同様、ここも思ったほど雪が多くはなく、その雪もあまり固まっていないため、「坊主岳」までは若干の遅延で済みましたが、「佛谷」への縦走路では様々な障害があり、大幅に時間が掛かり山頂を目の前にしての途中下山となってしまいました。
しかし「坊主岳」以降は、どこからでも展望が良く、危険箇所も今となっては良い思い出となりました。
日付 | 2013年01月12日(土) | ||
天気 | 曇りのち晴れ | ||
場所 | 長野県塩尻市大字奈良井 | ||
距離 | 8.8Km | ||
累積標高 | +1301 -1301m | ||
時間 | 7時間40分 | ||
人数 | 1名 | ||
撮影枚数 | 249枚+92枚(DSC-TX300V) | ||
登山難度 (A:安易~E:高度) | D(キレット、急登あり、体力必要) | ||
概略 | 「坊主岳」へは、下草が刈り払われ整備されており、上部で 雪が多くなり若干手間取るが問題なく登ることが出来た。 しかし、「佛谷」への縦走路は横川への下山路までは整備 されていたが、その後は次第に雪と笹が多くなり、岩場のキ レットは兎も角、70度以上の急斜面を腕だけの力で登る必 要があることから、想像以上に時間が掛かり、下山予定の 分岐で無念の下山となってしまった。 その後の下山路は 一部薮もあるが、順調に戻ることが出来た | ||
行程・標高・距離・時刻(赤字はGPSの実績) | |||
07:20 | 1081m | 0.0Km | 駐車地 出発 |
07:25 (00:05) | 1083m | 0.3Km | 坊主岳登山口 |
08:05 (00:40) | 1429m | 1.2Km | 小坊主岳(1429m) |
09:50 (01:45) | 1960.6m | 2.8Km | 坊主岳 休憩 |
10:10 (00:20) | 1960.6m | 2.9Km | 坊主岳 出発 |
11:55 (01:45) | 1922m | 4.6Km | キレット手前 5分休憩 |
12:55 (01:00) | 1996m | 5.1Km | 核心部上部 10分休憩 |
13:25 (00:30) | 2029m | 5.3Km | 下山分岐 |
14:05 (00:40) | 1683m | 6.6Km | 尾根ピーク |
14:50 (00:45) | 1105m | 8.2Km | 沢出合 |
15:00 (00:10) | 1081m | 8.8Km | 駐車地 到着 |
ルートナビ
以前、「経ヶ岳」時に見た地図で北方向に続く尾根が気になっていました。 そこで色々と調べてみると尾根沿いに「佛谷(仏谷)」や「坊主岳」などが連なっていることが分かり今回登る事にしました。
しかし、「坊主岳」は良く登られていますが「佛谷」は藪山で一部の方が登っているだけのようなので、現地で縦走するかは決めることにします。
風邪がまだ完全に治りきっていませんが、朝7時半頃の登りの予定で、4時半頃に起きて出発しました。 行きは中央高速道路の「伊那IC」で降りて、国道361号線の最近開通し初めて走る「権兵衛トンネル」を通り抜け、奈良井方面の分岐を右折して奈良井ダムへと向かいます。(帰路は国道19号線を中津川まで戻りましたが、20分程余計に掛かるだけでした)
すぐにダム湖が見えてくると、予定の登山口に到着しました。 しかし、登山口の駐車地へは凍った雪の斜面を少し降りないと行けません。 四駆ではない車なので、安全を見て近くの路側帯(広い道ではなので迷惑だったと思いますが)へ停めることにしました。(下写真)
出発の準備をしますが、ワカンと6本場アイゼンなど携帯して行きました。 登山口は、奥のほうかとも思っていましたが橋の手前道を入ってすぐの斜面から始まっていました。(下写真)
しっかりした踏み跡のある斜面のつづら折れの道を登って行くと、程なく小さな祠などが並んだ神社へ到着しました。 祠などには真新しいしめ縄が掛かっており、未だに参拝に訪れていることが分かります。(下写真)
ここまで道もはっきりしていますが、ここからは薄い踏み跡と随所についている赤テープを頼りに、尾根筋に沿って直登して行きます。(下写真)
標高が上がるのに従い雪も増えてきますが、まだ積雪量は薄いため問題ありません。(下写真)
「小坊主岳」の直下まで登ると笹が生い茂ってきますが、その笹は下刈りされているので歩きやすい道が続きます。(夏場も問題なさそうです) しかし、相変わらず急登が続くので今後のことも考えてスピードを落とし気味にして進んで行きました。(下写真)
小坊主岳まで登ると、一旦傾斜が緩み快適に歩いて行けます。 雪の上のうさぎなど小動物と思われる足跡を辿って登って行くと、右手に「佛谷」の山頂が見えてきました。(下写真)
ここまで予定通りの時間で来ており、2時間ほどで山頂か思われましたが、再度傾斜が急になり雪の量が一気に増えて、ペースがガクンと落ちてきました。 その為、ここでワカンを装着して行く事にします。(下写真)
今季初めてワカンでの歩きとなります。 上部に行くに従い、樹林が疎らとなりその間から木曽御嶽山などが間近に見られました。(下写真)
この当たりから上では、疎林の南斜面で日当たりが良いのか雪が溶けてむき出しの急登となっており、ワカンを履くのはもう少し我慢するべきだったと後悔しますが、後の祭りです・・・。(下写真)
急斜面の道を上部へと登って行くと、前方が明るくなり山頂の笹原に到着したようです。 廻りの景色を眺めながら登って行くと、山頂標識のある頂上に到着しました。(下写真)
山頂は笹とハイマツに囲まれて、噂通り360度の展望が広がっており、高曇りの天気で陽は出ていませんが、アルプスの山々は当然の事ながら、遠く白山や妙高連峰などがハッキリと見ることが出来ました。(下写真)
鉢盛山と後ろに北アルプス南部(穂高連峰・槍ヶ岳・野口五郎岳など
久しぶりの絶景に、しばし撮影しながら眺めていきます。 ひと通り眺めた所で、雪の量が微妙ですが予定通り「佛谷」へ向かうことにしました。(下写真)
尾根に向かって斜面を下って行くと、右手がガレ場となった雪の少ない所を通過していきますが、しっかりした踏み跡と赤テープが付いているので安心して降りていけました。 この日の雪質は、再凍結したのか大きなザラメ状の雪となっており場所によっては膝上まで潜り込んでしまうものでした。(下写真)
それでも当分は下りとなるので順調に進んでいけましたが、それも途中までの事で、知らない間に横川への分岐を通り過ぎた辺りから先では、下刈りもなく赤テープも見なくなりました。(下写真)
そして鞍部から登りに転じ始めると笹も増えてきて、雪の下が空洞となる場所が増え体力と時間だけが無駄に浪費され初めました。
途中、カモシカがじっとこちらの状況を伺っているので、写真を取り出してゆっくりと撮影していきますが、その間も微動だにせず、こちらの様子を見ていました。(下写真)
歩くスピードが遅くなりますが、それでも少しずつ前進はしているので、天気が回復傾向の展望を見ながら一歩一歩確実に進んで行きます。(下写真)
このコースは、幾つかのピークを登りながら徐々に標高を上げていきますが、その都度登るのには苦労しました。(下写真)
雪質が締まった2月中旬以降であれば、ここまで苦労はしないかもしれませんが、今年は雪が少なくそれでいて低温の日が続くのでロクに溶けてもいないようです。 笹やフワフワの雪に足が埋もれながらピークを登って行くと、倒木帯が見えてきました。
単なる倒木帯であれば問題は無いのですが、笹の上に雪が中途半端に覆いかぶさっているので、この斜面を登って行くだけで随分と時間が掛かりました・・・。(下写真)
流石に疲れたので、ここでおにぎりを1つだけ食べてシャリバテとならない様にしていきます。 休憩後は、雪が積もった岩場のキレットとなりますが、今までもこの様なところは何度か通ったことはあるのと、左右ともそれほどの高度差(高度感)はないので、踏み抜きだけ起こさないように、ピッケルを刺し足場を確認しながら慎重に通過していきました。(下写真)
この後も、キレットは続きましたが、再奥にある岩からの降下が怪しい感じだったので、途中で右(西)斜面に降りて樹林の中を迂回して行きました。(ここは尾根沿いにキレットを無理に通過する必要はありません)(下写真)
キレット通過後も、雪や笹に埋もれながらも何とか前進して行きました。 しかし、それも束の間のことでそれまでに無い急斜面が待ち構えていました。(下写真)
ここも右斜面から行けるかと思いそちらに向かいますが、右斜面も急となっており、途中から岩が多く木が少なくなって、手がかりとなる枝などが少なくなり進めなくなりました。(岩の表面は凍っています・・・)
その為、木の上を渡るようにして尾根筋に戻りますが、ここは70度ほどの斜面となっており、雪も少なく松の枝などを頼りに攀じ登ることになりました。 しかし、中途半端に雪が積もっているので、雪を落としながら枝に掴まっては腕の力だけで登ることになりました。(木登りに近い形だったのだと思います) ここも雪が十分多く固まっていれば、ピッケルやアイゼンなどで比較的楽に登れると思いますし、無雪期であれば右斜面の岩場や木の下を潜って登っていけたでしょう。
結局ここの通過だけで体力を使い果たし、キレットから核心部の通過だけで一時間ほど経過してしまいました。(この間は、久しぶりに時速500mです。 苦笑)
何とか難関を通過して上部に到着しました。 しかし、この先一時的に平坦になるのは分かっていましたが、ここまでの雪の状態を考えると早くても往復2時間は見ておかないと行けません。 とてもそのような時間は無いので「佛谷」は諦めて、展望もよいのでここで昼食休憩とし、この先の分岐で下山することにします。(下写真)
昼食後も登りは続き、下山予定の分岐まではまだひと登りありました。(下写真)
それでも先程までより楽に進むことができ、30分ほどで予定していた尾根への分岐点に到着しました。 そこは広く緩やかな笹の斜面となっており、動物の足跡が無数に付いています。(下写真)
最後に展望を見た所で、佛谷からの西尾根を降りて行きました。 ここも笹の斜面で登るのには苦労すると思いますが、下りは膝上まで雪に埋もれながらも滑るように降りて行けます。(下写真)
再度樹林帯まで降りてくると、明確な尾根をそのまま進んで行きました。 途中で「佛谷」からの下山に使用したのか赤テープがそちらからこの尾根まで付いていました。(下写真)
その後は、動物の踏跡も尾根筋に通っているので、それらを辿って歩いて行きました。 尾根の中間にピークがあり、どれほどの登りかと身構えていましたが、大したことはなくそこを通過していきます。(下写真)
その先は、急な斜面となり一瞬どちらの尾根へ進むのか分からなくなりますが、GPSで確認すると大きな木がある方向で良いみたいです。(下写真)
その先で尾根が緩やかになったかと思うと、西日が当たるためか雪が溶けて地肌がむき出しとなっていました。(下写真)
ここまでワカンを履いていましたが、ここで脱いで進むことにしました。 その先で再度雪が出てきましたが、それほど積もってはいないのと下山時だったので、ツボ足で降りていきます。 しかし、ここから予定していた尾根は複雑に入り組んでいるので、都度確認しながら降りることにしました。 また、一部の尾根では背丈ほどの笹が生い茂っており、軽い藪こぎの必要がありました。(下写真)
尾根最後の分岐から先では、明確な尾根は無くなり広く長い斜面を降りていくこととなりました。 下から水音が聞こえてくると、沢まではすぐですが、尾根の末端は岩場となっていそうなので、左側へ廻りこんで慎重に降りて行きました。(下写真)
沢へ到着しますが、ここまでは道路や道などは無いため、一部が凍りついた沢を滑らないように飛び越えて対岸へ渡ります。(下写真)
その後は、雪の無い落ち葉の斜面を右岸沿いに進んで行きました。(下写真)
堰堤を幾つか越えていくと、途中から人の足跡が付いていましたが、釣り人のものでしょうか? 程なく、朝出発した登山口と覚えのある橋が見えてきました。(下写真)
こうして距離は短めでしたが、非常に苦労した登山も無事に戻って来ることが出来ました。
今回の反省点は、
・「佛谷」までの藪道は、十分な降雪後の残雪期に歩いたほうが楽だったのでしょう。 今年は今のところ雪が少ないので、雪の量と固まり具合を考慮して山域を決めたいと思います。(今日の雪で、多少はまともになったと思いますが・・・)
次回ですが、今回の登山で全身に疲れが溜まっているため、三重県か静岡県の雪の無い(少ない)山を予定するつもりです。
展望いいですね。
雪の状態によっては、時間がベラボウに
かかってしまいますね。
それに雪のないときより倍も疲れます。(>_<)
ワカンの経験はないのですが
アイゼンにしても、つけるかつけないかの
タイミングもあるし、面倒臭いし・・・。
雪山は、ほんとに体力勝負ですね。
by nousagi (2013-01-14 18:29)
晴れていなくても展望がいいですね
綺麗です!
時間がかかりそうです
by ひろたん (2013-01-14 22:16)
今晩は!
雪山は大変ですが眺望がいいと登り甲斐がありますね!!
by シラネアオイ (2013-01-14 23:48)
雪道を随分歩きましたね。クマはもう居ませんね。
素晴らしい風景が沢山見られましたね。
by 旅爺さん (2013-01-15 05:13)
おはようございます。
標高がある割に雪が少ないですね。
展望が素晴らしいですね^^。
by 海を渡る (2013-01-15 07:54)
概ね展望の良い山行でしたね70度以上の急斜面の山とは想像を絶しますが大変でしたね。
by g_g (2013-01-15 08:12)
こんにちは^^
今冬は遭難なども多く雪が多いのかと思っていましたが、そうでもないですね。わたくしも
三ツ峠登りましたが道路は凍っていましたが雪はありませんでした。
笹が刈ってあるのは良いですね。あれは歩きにくいですものね。
坊主岳途中や頂上からの眺めが素晴らしいですね。
仏谷の方は難儀でしたね。北側斜面と言うわけでもなさそうですが。
笹の上の雪、歩きにくそうです。しかも急斜面では・・・
by mimimomo (2013-01-15 12:39)
nousagiさん、コメントありがとうございます。
雪は行ってみないと状況がわからないので辛いですね。 軽アイゼンはワンタッチ式なので取り外しが楽ですが、アルミワカンは着脱が面倒なので付けっぱなしで行きますねぇ。
ひろたんさん、コメントありがとうございます。
このぐらいの天気が一番良いですね。 それでも、この日は後半陽射しが照りつけてきたので、雪目防止にサングラスをして歩いていました。
シラネアオイさん、コメントありがとうございます。
単に展望だけ楽しむのであれば、普通の人でも3時間ぐらいで「坊主岳」の頂上に到着しますね。
旅爺さん、コメントありがとうございます。
クマはこんな雪山にはいないでしょうね。 今回見かけたのは、鳥を除けばカモシカだけでした。
海を渡るさん、コメントありがとうございます。
2000mなのですが、雪少ないですね。 しかし、今週はまとまった雪が降ったでしょうから、今週末は大変なことになっていそうです。
g_gさん、コメントありがとうございます。
展望は下山時以外は良かったですね。 今回は体力を使い果たしたので、まだ体のあちこちがだるくなってます・・・。
mimimomoさん、コメントありがとうございます。
先日(14日)もあちこちで遭難事故がありましたね。 矢張りこの時期、雪が降る中での登山はそれなりの覚悟が必要でしょうね。 自分の場合は、基本的に雪の中での山登りはしませんねぇ。(天候が回復するのが確実な場合は別ですが)
今週末は、雪の無い山へ行きますよ。
by おど (2013-01-15 21:42)
坊主岳、展望の良い山ですね^^
積雪期は難易度が高そうなので、春・秋に登りたい山です。
by joyclimb (2013-01-16 01:07)
展望が素晴らしくて、よかったですね。
by テリー (2013-01-16 22:29)
大雪の前で良かったですね^^
by hrd (2013-01-17 09:10)
joyclimbさん、コメントありがとうございます。
近くにある経ヶ岳が山頂からの展望がイマイチなので、この山がこの辺りでは一番の展望地ですね。 八ヶ岳を真横から眺められる近くで唯一の山のような気もします。 坊主岳だけであれば、降雪期でもアイゼン・ワカンなしで登れそうですが、凍結を考えると秋が一番良さそうです。(秋はキノコ山になる様なので、あまりいい顔されないかもですが・・・)
テリーさん、コメントありがとうございます。
展望は期待通りでした。 天気は写真で見るよりも良かったので、満足していますしね。
hrdさん、コメントありがとうございます。
逆に大雪の後の今週末の方が歩きやすいかもしれません。 しかし、今週末もこの当たりは微妙な天気となりそうですが、この時期は仕方ないでしょうね。(だからこそ、残雪期の3月からが良いのでしょうね)
by おど (2013-01-17 12:21)
坊主岳から仏谷・・なんか意味シンですね・・笑)
by OJJ (2013-01-17 21:58)