[登山] 福井県大野市 銀杏峰・部子山周回 [登山]
今回は、前回に続き福井県の「銀杏峰(げなんぽ)」と「部子山(へこさん)」に周回で登ってきました。 前日までの雨も上がり晴れ間を期待していましたが、「銀杏峰」と「部子山」までは濃いガスで何も見えませんでした。
しかし、昼食休憩なども含め1時間半近く粘った甲斐もあり、晴天の青空の元雲海に浮かぶ山々の景色を見る事が出来ました。
部子山からのパノラマ(雲海に浮かぶ白山や荒島岳・銀杏峰など)
日付 | 2015年3月08日(日) | ||
天気 | 曇のち快晴(但し、標高1300m以上のみ) | ||
山域 | 奥越 | ||
場所 | 福井県大野市寶慶寺 | ||
距離 | 14.7Km | ||
累積標高 | +1500m -1500m | ||
時間 | 8時間15分 | ||
人数 | 1名(但し、銀杏峰手前からは山スキーの方と同行) | ||
撮影枚数 | 0788枚 (FUJIFILM FinePix XP200) 0053枚 (SONY DSC-TX300V) 0171枚 (Panasonic DMC-GM1) | ||
登山難度 (A:安易~E:高度) | B(滑落・雪庇危険、ホワイトアウト時注意) | ||
概略 | 。 | ||
行程・標高・距離・時刻(赤字はGPSの実績) | |||
06:25 | 427m | 0.0Km | 宝慶寺駐車場 出発 |
06:35 (00:10) | 488m | 0.9Km | 銀杏峰登山口(5分スノーシュー装着) |
08:05 (01:30) | 1161m | 3.2Km | 前山 |
08:45 (00:40) | 1414m | 4.1Km | 銀杏峰頂上台地 停滞 |
09:30 (00:45) | 1414m | 4.2Km | 銀杏峰頂上台地 出発 |
09:40 (00:10) | 1440.6m | 4.6Km | 銀杏峰山頂 (10分休憩) |
10:25 (00:45) | 1243m | 6.8Km | 鞍部 |
10:50 (00:25) | 1464.3m | 7.6Km | 部子山山頂 昼食休憩 |
12:15 (01:25) | 1464.3m | 7.7Km | 部子山山頂 出発 |
12:30 (00:15) | 1420m | 8.4Km | 電波反射板 |
13:20 (00:50) | 952m | 10.8Km | 952m(手前で5分休憩) |
14:10 (00:50) | 660m | 13.3Km | 県道34号線手前下山尾根 |
14:25 (00:15) | 507m | 13.8Km | 県道34号線カーブ付近 |
14:35 (00:10) | 469m | 14.3Km | 宝慶寺分岐 |
14:40 (00:05) | 427m | 14.7Km | 宝慶寺駐車場 到着 |
ルートラボ
土曜日は午後から天気が悪くなる予報となっており、日曜日も山間部では午前中は雲が多い予報となっています。 少しでも回復の早い場所へと、前回からそれほど離れていない福井県大野市の山に登ることにします。
かと言って、次の日は仕事があるので、それほど無理も出来ません…。 そこで登山を始めた当初から雪山として憧れていた、読めない山名の上位に来そうな「銀杏峰(げなんぽ)」と「部子山(へこさん)」を周回で巡ることにします。
先週は苦労して通った九頭竜湖の道は、朝方までの温かい雨で雪や凍結の心配は全くありません。 大野市街地まで進んだ所で、ファミリーマート手前の信号を左折し県道34号線へと向かいます。 霧に霞む田園地帯を通り過ぎると、山間部となり駐車予定地の宝慶寺(ほうきょうじ)に6時過ぎに到着しました。(下写真)
登山口のある少し上部の「宝慶寺いこいの森」までは除雪されていますが、下山予定が下なので手前の3台止められる駐車地に停車していきました。 今回も冬山装備で向かいますが、気温が高いので、念の為のワカンと軽アイゼン、それにピッケルを背負ってスノーシューを手に持って車道を歩いて行きました。(下写真)
右手に宝慶寺へ向かう県道の橋がありますが、ここに「銀杏峰登山口」の看板がありました。(下写真)
左折して緩やかな坂を登って行くと、つづら折れの奥に登山口が見えてきます。 駐車地にはまだ1台も停車していませんでした。(下写真)
登山口は完全に雪に埋もれており、どこから取り付くのかは分かりません。 奥の緩斜面に向かいますが、その時ひょこっと道路脇からキツネがこちらの様子を伺っているのが見えました。 人が近づいているのが分かり、駆け足で逃げていきますが、遠くからこちらの様子を振り返り見ています。(下写真)
早速スノーシューを履いて出発しますが、キツネが板付近から今度はのそのそとタヌキが逃げていきますが、遅いので捕まえられそうです。(笑)(下写真)
急斜面に取り付き、歩きやすそうな所を選んで登っていきます。 その時、1台の車が入ってきましたが、道を間違えたのかすぐに引き返していきます。(下写真)
程なく尾根に到着すると、ここからはゆるやかな道を前日までの足跡やスキー跡を辿りながら歩いていきます。(下写真)
暫くは樹林の間を歩いていきます。 徐々に標高が上がって行くと、ガスが出てきました。(下写真)
この日の予報では、9時まで晴れ間は期待できそうもありません。 鈍よりと濃い雲の覆う中をひたすら歩いていきますが、この日は体調は万全ではなく頭痛や気怠さがありました。(多分、花粉症の症状です)
また、この時期としては暖かく、風も無いので汗だくです。 それに加えて雪も表層が溶けており、グリップが悪く急斜面では特に苦労させられました。(下写真)
後方に展望が広がり始めますが、この天気では白一色で何も見えません・・・。(下写真)
急いで登っても天候の回復も遅そうなのと、この日も花粉症で口呼吸となり辛くなっていたので、軽めの登山を心がけペースを落として登っていきます。 (下写真)
前山が近づいてくると傾斜がキツくなり、直登したいのですが表層ごと滑ってしまいうまく登れません・・・。 仕方なく、前日までの踏跡を辿りつづら折れで登ります。(下写真)
前山に到着しますが、ここもガスで何も見えません。(下写真)
ここまでは風もなく、気温の上昇もあり秋以来久しぶりに汗を大量にかいています。 しかし、ここからは稜線となり強い風が吹き付けています。 その風に乗って前日は雪が降っていたのか、木の枝に雪が付いていました。(下写真)
稜線の風が強いことは左手に雪庇があることでも分かります。(下写真)
次第に目印と鳴る樹木が少なくなり、ガスも濃くなり一面白で覆われていきます。(下写真)
そして台地状の山頂付近に到着しました。 天気が良ければ、景色を眺めながら直ぐ目の前にある山頂に歩いて行く所ですが、この日は最悪でした。(下写真)
風が強く前日までの踏跡が見づらくなっていきます。 それに加え、ガスが濃くなり周りに目印となるものも見当たらないホワイトアウト状態となっていきます。(下写真)
幸い、自分の足跡はすぐには消えないので、天候の回復(ガスが薄れる)のをここで待つことにしました。(下写真)
ボーッと立って待つだけです。 しかし、いくら暖かい日とは言え風も強いので、体感温度は氷点下です。 30分待ち、40分待ちと時間が過ぎていきますが、一向に回復する兆しがありません。
体調も本調子でないので、下山して温泉に入って帰ろうかと弱気になっていた所に、山スキーの方が登って来られました。 これ幸いと、この付近の地形について確認すると、雪庇などはないとのことなので、後ろに付いていくことにします。 山頂に向かって200mほど緩やかに登ると銀杏峰の山頂に到着しました。(下写真)
ここに来るまで1時間近く停滞していましたが、山頂に到着時も相変わらずのガスで何も見えません。 ここからどうするか悩みますが、山スキーの方も同じコースで部子山へ行かれるので、同行させて貰いました。 暫くは休憩がてら回復を待ちます。
回復しそうもないので、部子山との鞍部に向かって降りていきます。 ここも雪庇などは無いとのことなので、降りていきますが流石にスキーはあっという間に降りてしまいます・・・。(下写真)
鞍部まで何とかついていきますが、ここからの登りは大変でした。(下写真)
風があるのであまり感じませんが、気温は高いので表面5cm以上の雪は溶け始めています。 その下にスノーシューの刃を食い込ませて登っていきますが、これが思うようには行きません。
カニ歩きをしますが、これも難しくズルズルと滑りながら体力だけで登って行き疲れます・・・。 それでも何とか部子山の山頂に到着しました。(下写真)
しかし、ここも同じような景色で到着時はまわり一面真っ白でした。 ここで予定通り昼食とし、風下の斜面で天気が回復するのを二人で待つことにしました。(下写真)
30分ほど食事を摂りましたが、周りはまだ白一色です…。 一時期は、ここまでとして「またリベンジか?」とも考えましたが、暫くすると上部の青みが濃くなってきたような気がしますし、太陽も雲間から見えてきました。(下写真)
秋に訪れた奥美濃の「冠山」でも到着時はガスでしたが、この時と同様にガスが晴れてきました。(今回はしぶとかったですが) 暫くは、ガスの先に雲が見えるだけでしたが、それも次第に薄れていき待望の展望が見られました。(下写真)
ここまで展望がまったく無かった分、喜びもひとしおです。 雲海に浮かぶ絶景の山々を見ながら、30分以上写真を撮りながら景色を眺めていきました。(下写真)
撮影途中でもうひとり単独登山者が登って来られ、同様に撮影に勤しんでいました。 時間とともに晴れ渡っていく景色を見て行きますが、満足した所で電波反射板方面へと先に降りていきました。(下写真)
登りとは打って変わり、視界良好の中を景色を眺めながら気持よいスノーハイクとなります。(下写真)
気が付くと手前の避難小屋と鳥居に到着します。 鳥居は2mほど埋まっており、避難小屋は一部が掘り起こされているようですが、中へ入るには板を外す必要があるようです・・・。(下写真)
ここから電波反射板へは、更に鞍部を越えて雪庇を避けて登っていきます。(下写真)
雪庇の脇を越えると、先ほどまでいた山頂とその奥に能郷白山が良く見えています。(下写真)
電波反射板の横を通り過ぎ、下山尾根へと降りていきます。(下写真)
右に雪庇が発達しているので注意しながら降りていきますが、ここからも大変でした。 午後に入りただでさえ緩い雪が更に融けてグリップがほとんど効きません・・・。 何時もであれば気持ちよく滑りながらも下りていく斜面も、表層ごと滑るため停止することが出来ません。(下写真)
途中で山スキーの方が一気に滑り降りていき、スキーの機動力を思い知らされます…。 傾斜が緩むと、雲の下に降りる前に最後の眺めを楽しんでいきました。(下写真)
雲の中に入ると、またガスとなりますが雲は薄くなっており、廻りが全く見えないということはありません。(下写真)
尾根は途中で左右に分岐しており、予定コースは右なのでそちらへと降りていきます。(下写真)
スキーを追い越しますが、すぐに滑って見えなくなりました…。(下写真)
雲の下に出ると、谷間の様子や雪に埋もれた林道が見えてきました。(下写真)
ここまでガスが晴れてから一時間足らずの陽射しでしたが、帰宅後顔が真っ赤に日焼けしており驚きです。 この先では上空が雲で覆われ薄暗い中を降りていきます。(下写真)
この先で、また急斜面の下りとなりました。 滑っても危険ではありませんが、思い通りに停止できないのでここも慎重に降りて行き時間を取られます。(ワカンに履き替えれば、もっと自由に歩けるのですが…面倒でした)
再度登り返して1087m峰に到着すると、スキーの方は山頂で話していた通りここから斜面を滑って林道へと下山されていました。(下写真)
こちらは思ったより時間も掛かっていなかったので、一時は危ぶまれたコースですが予定通り尾根を県道手前まで下りていくことにします。(下写真)
この先に、このコース唯一の危険箇所が待ち受けていました。 計画時にも、地図から細尾根で厳しそうだと思っていた尾根ですが、尾根自体は大したこと無く、その先の952m峰への登りが急斜面となっています。(下写真)
近くに寄ると傾斜は大したことありませんが、流石にピッケルは必要となります。 休憩ついでにストックを ザックにしまい、替りにピッケルを手に登って行きました。(下写真)
右の雪庇に気をつけながら、左方面を意識しながらピッケルを突き刺しながら登ります。 標高差は大したこと無いので、すぐに傾斜が緩みピークの上部に到着しました。 ここからは尾根も比較的緩やかに続いていました。(下写真)
地図に左右から林道が合流する付近に到着しますが、それらしい道は見当たりません。(下写真)
急斜面を迂回して下りていき、鞍部へと降りていきます。(下写真)
再度登り返すとその先で2方向に尾根が分岐しています。 地形図と目視で、直接登り返したほうが良いと判断し、目の前のピークを気持ち右から登り返します。(下写真)
ここまで来ると左右に林道や県道など人工物が多く見えてきました。(下写真)
768m峰を越えると左が植林となり、右の木の枝がうるさくなりました。(下写真)
枝をくぐりながら尾根を歩いて行くと、その先に細尾根が待ち受けていました。(下写真)
途中までは細尾根を歩いていきますが、踏み抜きが多くなり左の植林帯へと逃げ込みます。(下写真)
ここを通り過ぎ鞍部を通ると、緩やかな登りとなります。(下写真)
この先に冬季通行止め中の県道が通っていますが、遠回りとなるためこのピークからお利用と計画しています。 予想通り、一部が植林されており、右下には作業道と思われる道?もあるようです。 ここから下の県道まで尾根伝いに降りて行きました。(下写真)
初めの内は急斜面ですが、作業道と思われる所を歩き難なく降りることが出来ました。(下写真)
傾斜が緩むと、右斜面が伐採された尾根を通りその先まで降りて行きました。(下写真)
しかし、県道に降りるところは絶壁となっているので、少し戻り先ほど見た伐採斜面の下から降りました。 無事県道に到着すると、ここからは雪に覆われた道を歩くだけです。(下写真)
少しおりて行くとT字路となり、その先から雪解けの水が流れ除雪された道となっていました。(下写真)
この先までは、「宝慶寺」の参道となっているので、冬場でも歩けるようになっているようです。 宝慶寺へは向かわずに、駐車場へと降りていきます。(下写真)
そして山頂から2時間半弱で、無事駐車場に到着しました。
【おまけ】
前日の土曜日(3月7日)に、以前から訪れようと思っていた、伊吹野のセツブンソウの自生地(滋賀県米原市大久保)に行ってきました。 雨の心配もありましたが、到着後は止み、満開のセツブンソウの群生っを見ることが出来ました。(下写真)
今回の反省点は、
・ホワイトアウト時の撤退の基準が曖昧なので、自分なりに何らかの基準を決めたいと思いました。
次回は、雪山ばかりなので、そろそろ春を感じられる山に行こうかと思っています。(天気の都合上、静岡方面になる予定です)
変わった読みですね。
覚えたつもりがすぐ忘れそうです。(^^;)
たくさんの荷物を持っての長い歩き
しかもこれだけの雪の中
ほんとに凄いですね~。
私なら、ワカンかスノーシューは
どちらか一つにします。
もちろん、カメラも・・・。(^^;
by nousagi (2015-03-12 15:36)
凄い雪の中、お疲れ様でした。
最後は、眺望に恵まれて、良かったですね。
by テリー (2015-03-12 21:15)
こんにちは^^
幽玄の世界と青い空の眺望、両方を手にしましたね。
by mimimomo (2015-03-13 15:49)
部子山から眺め、素晴らしいです!
寒い中、待ったかいがありましたね^^
by joyclimb (2015-03-14 23:56)
・ホワイトアウト時の撤退の基準が曖昧なので、自分なりに何らかの基準を決めたいと思いました
これは良いですよね。
重い荷物をもっての山行で・・・・
すぐに撤退してしまいそうです。
これって修行が足りませんよね^^;
by ひろたん (2015-03-15 10:14)
nousagiさん、コメントありがとうございます。
この山の名前は何度も聞いて覚えないと忘れますね…。 荷物はあまり重くはありませんよ。 徐々に減らして、トラフル時に備えて最小限だけ持ってってます。(この時期は、使わなくても軽アイゼンは必須でしょうね)
テリーさん、コメントありがとうございます。
積雪量は多かったですが、新雪はそれほど積もっていなかったので比較的ラクでした。 このまま展望が見られなかったら、翌週にリベンジしていたと思います。(笑)
mimimomoさん、コメントありがとうございます。
結局この日は低い雲が残っていたので、麓からの景色はよくありませんでしたね。 標高が少しでも高めの山を目指して正解でした。
joyclimbさん、コメントありがとうございます。
寒いと言っても、厳冬期の山からすると暖かかったのが幸いしました。 その分、下山時に雪が腐って大変ですが・・・。
ひろたんさん、コメントありがとうございます。
撤退の基準は、登りの時間を2/3した時間を下山時間として、予定下山時間から推測することにしました。(トータル6時間の工程を3時間登りに使った場合、2時間で下山なので停滞に許される時間は1時間までと計算します)
by おど (2015-03-16 12:30)
わたしなら速効下山です ^^;
それにしてもなんて素晴らしい雲海!
待った甲斐がありましたね♪お疲れ様でした。
セツブンソウ、そちらでも見られるのですね^^
春がやってきましたね。
by よしころん (2015-03-16 16:13)
「銀杏峰(げなんぽ)」と「部子山(へこさん)」、面白い名前ですね。
ラッセルとガスの中、辛抱して歩いた甲斐あっての青空と展望は何とも言えなかったでしょうね。
by tochimochi (2015-03-17 12:42)
よしころんさん、コメントありがとうございます。
速攻下山も考えましたが、もともと短めのコースで余裕があり、長い時間待つことが出来ました。
セツブンソウ、伊吹山から藤原岳まで石灰岩が多いので、自生地となっていますね。
tochimochiさん、コメントありがとうございます。
山名で漢字の(読みが)面白い名前は珍しいですね。 ラッセルは大したことありませんが、登るはしから滑るのは疲れました・・・。
by おど (2015-03-18 22:49)