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[登山] 白山 北縦走路 2日目[後編] [登山]

 前回の白山北縦走路 一日目に引き続き、2日目に歩いた「ゴマ平避難小屋」から「地獄覗」や「お花松原」を経由し、「御前峰」から平瀬道を大白川へ下山するまでを掲載します。

お花松原から山頂方面を望む

お花松原のミヤマクロユリ群生(黄色はミヤマキンバイ)

白山 北縦走路
2日目[後編]
日付2016年07月24日(日)
天気晴れ時々曇り
山域白山
場所石川県白山市中宮~岐阜県大野郡白川村大字平瀬
距離16.2Km
累積標高+1268 -1852m
時間09時間50分
人数3名
撮影枚数0838枚 (FUJIFILM FinePix XP200)
0465枚 (OLYMPUS STYLUS TG-4)
0333枚 (Panasonic DMC-GM1)
登山難度
(A:安易~E:高度)
B
展望
(A:良い~E:なし)
A
見どころ地獄覗、北弥陀ヶ原、お花松原
行程・標高・距離・時刻(赤字はGPSの実績)
05:001858m0.0Kmゴマ平避難小屋 出発
07:15 (02:15)2153m3.6Km地獄覗(5分休憩)
07:55 (00:40)2182m4.7Km北弥陀ヶ原
08:50 (00:55)2268m6.6Kmお花松原 休憩
09:15 (00:25)2268m6.6Kmお花松原 出発
10:20 (01:05)2596m7.9Km大汝峰・御前峰分岐(10分休憩)
11:05 (00:45)2702.2m8.9Km御前峰(10分休憩)
11:40 (00:35)2455m9.9Km室堂 昼食休憩
12:30 (00:50)2455m9.9Km室堂 出発
13:35 (01:05)2027m12.6Km大倉山避難小(5分休憩)
14:50 (01:15)1287m16.2Km平瀬道登山口 到着

ルートラボ

実績コース(緑色は予定、赤色が実績)
20160724_map.jpg

※御前峰以降は歩き慣れたコースなので詳細は割愛します。

 ゴマ平避難小屋の朝は早かったです。 3時前からゴソゴソと出発の準備を始める方がおられ、4時には殆どの方が起床し出発された方もいたようです。
 自分たちは5時の出発なので、4時過ぎに起きて朝食後ゆっくりと出発の準備をしていきました。 準備後、水を汲みに出かけると、夜が明け始めました。(下写真)

小屋から朝日は見えず

水場から笈ヶ岳と仙人窟岳

 出遅れましたが準備が出来た所で出発します。 前日見た小屋横の道標を、北へと向かって登る道へと入りました。(下写真)

北縦走路(中宮道)を白山へ

 夜中の間もガスが立ち込めていたようで、下草は露に濡れていますが、前日の4人組の登山者の方が先陣を切っているので、それほど濡れることはありませんでした。(下写真)

カニコウモリ

 小屋からは尾根沿いにつづら折れの急登となり、朝から良い運動となります。(下写真)

つづら折れの急登に

 前日体調が優れなかった同行者の方も、一晩寝て回復したようで調子よく登って行かれます。 暫く標高を稼ぐと、左手に北方面の展望が広がりました。 朝露に濡れた花も見られだし、この先も徐々にお花が増えていき楽しめました。(下写真)

?1

ウメバチソウ

 尾根を回り込むように左斜面をトラバースする道となります。 朝日が差し込み始め、東方面の絶景が広がります。(下写真)

朝日が差し込む

稜線から太陽を望む

奥三方岳

間名古の頭(右)、中央奥に日照岳

 残念なことに天気は良いのですが、水蒸気が多いのか霞が掛かり、北アルプスなどは見えません。 それでも雲海に浮かぶ近くの山々(猿ヶ馬場山や水無山)を見ながら、前方の遥か彼方に見える白山(御前峰)を目指します。(下写真)

目指す白山は彼方に

 稜線沿いになってからは水平道となっており、気が付くと小屋から随分と距離を稼いでいます。 先行する4名の登山者の方たちは早々に休憩を取っていたので、これを抜かします。 2077mピークはそのまま左斜面をトラバースして行きました。(下写真)

2077mピークは左から巻く

 右手を見ると、3年前に歩いた加賀禅定道の尾根と、下に地獄尾根の荒々しい様が見えてきました。(下写真)

長倉方面(中央に七倉山)

 枝などが邪魔な斜面をトラバースして行き、そこを抜けると前方に2168mピークが見えてきます。(下写真)

トラバース道を進む

ピークの脇を進む

ピークを越えて尾根沿いに

 ここで一旦鞍部の三俣峠へ降りて、そこから地獄覗へと登り返していきます。 降りる途中後ろを振り向くと先程まで歩いていた道が随分と上に感じます。(下写真)

奥に白山(剣ヶ峰・御前峰と右に大汝峰)

登りに

後ろに昨日歩いた稜線と奥に人形山・三ヶ辻山など

2077mピークを振り返る

 クガイソウやオトギリソウが見られるザレた斜面を登ると、樹林帯へと入り程なく三俣峠に到着しました。(下写真)

クガイソウが多い

イワオトギリ

アキノキリンソウ

三俣峠

 そろそろ陽も高くなり直射が暑く感じ始めていましたが、三俣峠付近から鬱蒼と茂るシラビソ林の中を涼しく歩くことが出来ました。(下写真)

シラビソ林を進む

 急登となり左手から県境尾根と合流します。(下写真)

間名古の頭から奥三方岳へ続く

 県境尾根と合流すると、前方に「間名古の頭(まなこのあたま)」が大きく見えてきました。(下写真)

間名古の頭

 ここを登り返すとなると大変ですが、登山道は右斜面をトラバースしており楽できました。(下写真)

ニッコウキスゲ

クルマユリ

この先で右斜面へ

 トラバース道は、樹林帯の湿った道で右手の谷から涼しい風が吹き上げてきます。(下写真)

ヤマハハコ

草の多いトラバース道

薬師山

ホツツジ

 その谷間(仙人谷)の先に地獄尾根がハッキリと見えてきました。(下写真)

地獄尾根が見えてくる

 この道沿いも花が多く、コバイケイソウなども見られました。(下写真)

コバイケイソウ

チダケサシ

シモツケソウ(蕾)

北方面を望む

 ほぼ水平のトラバースが終りとなり、前方に2114mピークが近くに見えてきました。(下写真)

トラバース終盤

2114mピークへ登る

下界は雲海

 一旦鞍部へと降りて、ピークへと一気に登っていきます。(下写真)

ハクサンオミナエシ

エンレイソウ(実)

キヌガサソウ

急登に

モミジカラマツ

 途中、ロープも付いている大きな段差で苦労しますが、先に手前の石に登ると楽に越えられます。(下写真)

大きな段差で厄介

 急登をつづら折れに登りステップを登り切ると、草原状の平坦な道となります。(下写真)

ベニバナイチゴ

間名古の頭を振り返り見る

2114mピークはすぐそこに

クルマユリ

 2114mピーク手前に笹が刈られた休憩適地があるので、ここで小休止として行きました。 皆さん缶詰の果物を持ってきており、これを分けて頂き食べていきます。(下写真)

2114mピーク(ここで休憩)

 甘いもので体力が回復した所で、白山を目指して県境尾根を進みます。(下写真)

先ほどまでより白山が近づく

南東斜面は湿地帯

 左斜面が池塘となった湿地帯を進むと、うぐいす平の標識が立っていました。 名前に反しこの辺りではうぐいすの鳴き声は聞こえません・・・。(下写真)

池の横を進む

うぐいす平

うぐいす平の様子

 2168mピークへの登りとなると、途中で右手が切れており地獄尾根がよく見えます。 2114mピーク手前からここまで、草が生い茂り下草も刈られないので梅雨で足元が濡れています。(下写真)

地獄尾根が良く見える

この辺り下草が多く

 この辺りに「地獄覗(じごくのぞき)」と呼ばれる展望地があるようですが、どこだか分かりません。 2168mピーク手前に「地獄覗」と書かれた道標があり、それほど疲れはありませんがここで景色を見ながら暫く休憩していきました。(下写真)

地獄覗に到着

地獄覗からの展望

地獄尾根(火の御子峰)アップ

 地獄覗の名前の割に、先ほどの登り途中の方が良く見えます…。 その変わり、白山などが近くに見えて、向う稜線もハッキリと望めました。(下写真)

白山(御前峰・剣ヶ峰・大汝峰)を仰ぐ

大汝峰アップ

御前峰(中央)と剣ヶ峰(右)アップ

 そして緩やかな尾根道を進み2168mピークを越えると、白山へと繋がる稜線(縦走路)が見通せました。(下写真)

2168mピークを越える

2168mピークから縦走路を望む

縦走路パノラマ

 ここから先は森林限界なのか、高い木が無くなり草原となっていきます。(下写真)

ヨツバシオガマ

イワニガナ

 ニッコウキスゲやハクサンフウロなど、色とりどり花が見られだし、奥に進むのにつれて数を増やしていきます。(下写真)

ニッコウキスゲ2

北弥陀ヶ原へ

ハクサンフウロ

 後方を見ると、徐々に雲が湧き上がりガスが立ち込めてきています。(下写真)

雲が湧き上がり始めた

 北弥陀ヶ原(きたみだがはら)へと登る最後の斜面を登って行くと、その先は想像以上のお花畑となっていました。(下写真)

ここを登ると水平道に

ヤマハハコ2

アザミ

 周りは草原で、その左斜面のお花畑の中ををトラバースする道を歩いていきます。(下写真)

草原地帯に

 ニッコウキスゲの群落がアチラコチラに見られ、斜面を黄色く染めていました。(下写真)

ニッコウキスゲ群生

右に地獄尾根を見ながら進む

ニッコウキスゲとハクサンフウロのお花畑

クロトウヒレン

上を向いてもニッコウキスゲ

エゾシオガマ

ミヤマダイモンジソウ

 暫くお花畑を写真を撮りながら歩いていきます。 池塘の周りなどは、ニッコウキスゲが群落を作っており見事でした。(下写真)

池の周りもニッコウキスゲ

お花畑を進む

 同行者の方達も写真を撮っていますが遅れ気味です。 写真を撮っては、小走りに追いかけますが、その途中でまた写真を撮っているので一行に追いつけません・・・。 途中で、何名かの登山者(室堂からピストンの方が多いです)とスレ違い、口々にお花松原のクロユリは素晴らしいと聞かされ期待が膨らみます。 そして、北弥陀ヶ原の標識を見ると緩やかな登りとなりました。(下写真)

ここは北弥陀ヶ原

緩やかな登りに

 意外な事に木道が現れ、湿地帯の横を歩いていきます。(下写真)

湿地帯は木道を歩く

北弥陀ヶ原を振り向く

 この辺りの道は地図にある稜線沿いの道とは異なり、少し南の湿原を歩いて行きました。 程なくハイマツ帯を進む道となりました。(下写真)

ハイマツ帯を進む

 その先にも池塘があり、周りは自然に石なども配置され日本庭園のような感じです。(下写真)

ここにも池

イワイチョウ

よい雰囲気に

 再度ハイマツの中に入って行くと、ガス(雲)の中へと入って行きました。(下写真)

登りに

ガスが出てきた

ニョイスミレ

ミヤマキンポウゲ

オタカラコウ

ガスに包まれ

オオバミゾホオズキ

キヌガサソウ群生

 背丈以上のハイマツ帯となり、その中は見るものも少なく足早に歩いていきます。(下写真)

ハイマツの中を進む

後を振り返る

ホソバノヤマハハコ

 2349mピークを通り過ぎると下りとなりますが、周りはガスで様子が伺えません・・・。(下写真)

ガスの中に下りていく

 雲が流れ一瞬山頂方面の景色が見えますが、すぐにガスで包まれてしまいました。(下写真)

山頂付近が見える

 傾斜が緩くなると高山植物が多く見られるようになり、お花松原に到着したようです。(下写真)

コケモモ

花が多くなる

 タデ科の花が多く見られだし、その先がミヤマクロユリの群生地となっていました。 手前のザレ地が休憩適地となっているので、ここにザックを置きカメラを取り出し撮影会となりました。(下写真)

別天地となる

お花松原に到着

ミヤマクロユリ

ハクサンボウフウ

ミヤマクロユリ群生

チングルマ

ミヤマキンバイ・ミヤマクロユリ・アオノツガザクラなど

ハクサンコザクラ群生

ミヤマクロユリ群生2

ウラジロタデ

テガタチドリ

お花松原から山頂方面を望む

オンタデなど

オンタデアップ

アオノツガザクラ

アオノツガザクラ群生

ミヤマキンバイ

お花畑

 夢にまで見たクロユリの群生は兎も角、ハクサンコザクラやアオノツガザクラも群落を造り、日本有数のお花畑と言われるのも頷けます。 ここに半日いても飽きそうもありませんが、キリがないので満足できた所で出発しました。(下写真)

ガスが晴れ山頂部がよく見える

 このコースの途中には雪渓があると聞いていたので、軽アイゼンを持ってこようかと悩んでいましたが、今年は雪が少なく既に溶けているようです。 その雪渓の脇を通り抜け岩の多い道を進んでいくと、白山への最後の上りとなりました。(下写真)

雪渓は少なく

ミヤマタンポポ

室堂まで2.6Km

残雪の横を通り

 残雪後の斜面だからか今まで見られなかった花なども見られます。 写真を撮りながらゆっくりと登って行きますが、途中かのガレ場から左手のハイマツへと入ってここを登って行きました。(下写真)

ミヤマトウキ

?2

ミヤマダイコンソウ

ここを登る

クルマユリ群生

最後の登りに(左のハイマツ)

 ハイマツの中をジリジリと登っていきます。 流石に同行者はキツそうですが、こちらは展望や花などを眺めながらゆっくりと登って行きました。(下写真)

ガレ場を横切る

下を見下ろす

大汝峰からの尾根

急登となる

シロバナニガナ

 上部が見えてきて傾斜が緩みますが、まだ登りは続きます。(下写真)

傾斜が緩む

 ザレた斜面となり、イワギキョウや好きな花のイワツメクサなどが見られました。(下写真)

イワギキョウ

イワツメクサ

 そして一ヶ月前にも通った、大汝峰の横の鞍部に到着しました。(下写真)

大汝峰との境に出る

 ここで小休止としていきますが、この先御前峰に向うか迷います。 同行者の方は行きたいと言うので向うことにしますが、プラス100m程登ることとなりました。(下写真)

室堂まであと1.5Km

御前峰へ向う

 お池巡りコースの一部を通り、御前峰へと登っていきます。(下写真)

翠ヶ池と剣ヶ峰

御前峰への最後の登り

 下からも山頂には沢山の人が見えていましたが、実際山頂には十数名の方が記念撮影しています。 山頂からは何度も見た景色ですが、生憎のガスで遠望はありません。(下写真)

見下ろす

 同行者の方が登って来られた所で、休憩もそこそこでゆっくりと室堂へと下りて行きました。(下写真)

イブキトラノオ

 25分ほどで室堂に到着すると、ここで昼食休憩としていきました。 ベンチでの休憩は陽射しを遮るものはありませんが、幸い?雲で陰っています。 50分ほど休憩したところで、予定通り平瀬道で下山しました。

 ここからも幾つもの花を見ながら下りて行きます。(下写真)

室堂前のお花畑

室堂を振り返る

ミヤマリンドウ

雪渓付近のお花畑

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イブキトラノオやオタカラコウなど

白水湖が見えてきた

カワラナデシコ

クララ

シナノキンバイ

お花畑と大倉山

マルバタケブキ?

北弥陀ヶ原方面を望む

?4

奥三方岳を望む

ヨツバヒヨドリ

天気も回復

シモツケソウ2

 途中、大倉山避難小屋で休憩し、その後は速度を上げて一気に登山口へと下りて行きました。 終盤に、以前から整備中の登山道に真新しい道標とベンチが作られていました。(下写真)

真新しい道標とベンチ

 そして室堂から2時間20分と比較的早く大白川の登山口に到着しました。 ここで前日デポしておいた車に載せて頂き、無事全員帰路に着く事が出来ました。(帰りがけに道の駅飛騨白川の温泉に入って行き解散となりました)

今回の反省点は、
・特にありませんでした。

 次回ですが、先週末に中央アルプスの木曽駒ヶ岳に登ってきたので、その記事を掲載します。


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コメント 1

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joyclimb

小屋から見る朝焼けの空の雲、とてもきれいですね^^
お花松原、花が多いですね。
アオノツガザクラの群落、見応えあります^^
by joyclimb (2016-08-03 21:41) 

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