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[登山] 残雪期の北アルプス 寺地山・北ノ俣岳日帰り登山 [登山]

 今回は、急遽予定を追加して一ヶ月前に予定して延期となっていた、北アルプスの『寺地山(てらじやま)』と『北ノ俣岳(きたのまただけ)』への日帰り登山を実施しました。 
 天気予報通り、朝は雲が多めでしたが青空が覗いており、次第に晴れ間が広がって終日強い日差しが照りつけて、暖かで穏やかな登山となりました。
 『北ノ俣岳』頂上では、到着を祝福するかのような幻想的な景色と、北アルプスの山々は元より、『白山』『乗鞍岳』『御嶽山』などもハッキリと望め、久しぶりに見る雄大な景色とも相まって、忘れられない登山となりました。

北ノ俣岳近影

北アルプス
寺地山・北ノ俣岳日帰り登山
飛越トンネル登山口~寺地山~北ノ俣岳(往復)
日付2010年5月16日(日曜日)
天候晴れ
場所岐阜県飛騨市神岡町打保
距離21.0Km
累積標高
+2328m -2328m
(GPSの値で、実際は-500m)
時間10時間10分 (昼休憩 1:20含む)
人数2名
行程・標高・時刻(赤字はGPSで算出)
05:201489m飛越トンネル登山口 出発
07:00 (01:40)1842mP1842(神岡新道分岐)
07:55 (00:55)
1996m寺地山
08:45 (00:50)
2052m北ノ俣岳避難小屋分岐
11:00 (02:15)
2662m北ノ俣岳 昼食休憩
12:20 (01:20)
2662m北ノ俣岳 出発
12:55 (00:35)
2052m北ノ俣岳避難小屋
13:40 (00:30)
1996m
寺地山
14:20 (00:40)1842mP1842(神岡新道分岐)
15:30 (00:50)
1489m飛越トンネル登山口 到着

GPS行程図(黄色が予定、赤色が実測) ※設定ミスでデータ前半が欠落
20100516_map.jpg

 一ヶ月前に計画して延期となっていましたが、雪の残っている内にと考えていたところ、週末の天気が回復するとの情報を得ました。 前々日に、同行者に連絡を取ると行けるとの事で、次の日に計画していた登山(鈴鹿の『ハライド』『ネコ』)を早々に終わらせたのは、この登山を控えてのことでした。 鈴鹿から帰宅して少しの休憩後、夕方には高速道路を「清見I.C」へと向かいました。

 翌朝、早くに同行者と一緒に出発をして、鉱山とカミオカンデで有名な神岡町へと向かいます。 神岡町内を抜けると、細く険しい県道484号線へと入ります。(後から色々情報を見ると、「双六川」方面からの方が道が良いようですね・・・。)
 しばらくは、目の回るようなヘアピンカーブを奥へと進み、「打保(うつぼ)」の集落を抜けると、以前から心配していた飛越トンネルへと向かう大規模林道高山大川線へ入ります。 すると、通行止めの看板が立っていました。(有峰林道は6月1日開通予定)
 ここは無視をして、看板の脇を抜けて奥へ進みます。 事前に、1.5Km手前に大木が倒れていると情報を得ていたので、慎重に走りました。 しかし、運がよいことに、大木はありますが幹が切られて、一車線分が通行出来る様になっていました。(下写真)

道を塞いでいた大木(帰りに撮影)

 ここと、もう一箇所倒木がありましたが、どちらも枝が切られています。 また、道は石や枝は落ちていますが、寄けて進めば問題ありません。 そのまま、終点の飛越トンネル手前の駐車場へと無事到着しました。(「清見I.C」から1時間半) 倒木から、20分ぐらいの車道歩きを覚悟して、早めに来ていたので駐車場までこられて、時間の短縮となり助かりました。(下写真)

飛越トンネルと登山口(左)

 飛越トンネルは、まだ入り口に板が打ち付けられ、通り抜けできないようになっています。 また、意外なことに駐車場には、岡山ナンバー(えっ!?)の車が一台止まっているだけでした。(前日から停車しているようです)
 早めに到着したこともあり、ゆっくりと準備をすると、登山口からトンネルの100m上の尾根への急登を登って行きました。(下写真)

北ノ俣岳登山口

登り途中から駐車場と林道を望む

 尾根上に出ると、笹道を行く比較的緩やかな登りが続きました。(最後の写真参考) 1643mピークまでは、雪解けが進んだ夏道を進みますが、1643m手前の登りに差し掛かると、残雪が登山道に出始めました。(下写真)

1643mピークへの道

 残雪上には、前日遅い時間に下山者がいた事を思わせる足跡が残っています。(3~4人のパーティーでスノーシュー使用) それ以外にも、多くの足跡が残っており、その跡を追うようにして登っていきました。(スキーの跡もありました)

 1643mピークを通過して、1842mピークへ向かいますが、途中から尾根が蛇行して遠回りになります。 この日は、朝から青空が覗き太陽の照りつけも強く雪目になりそうだったので、途中でサングラスを掛けて進みました。 さらに、1842m手前は急登となり、朝早いこともあって雪が固くツボ足では滑って登り辛いため、軽アイゼンを装着して進みました。(下写真)

1842m手前の登り(上から撮影)

 1842mピーク付近まで来ると、さすがに残雪量は多くなり、1~2mぐらいは積もっているようでした。 しかし、この時期は雪が締まっているため、ワカンを持ってきましたが、結局利用しませんでした。 また、日当たりの良い場所では、夏道も露出していて遅い春の訪れを告げていました。

 1842mピークからは、なだらかな尾根道となり樹林も少なくなるため、周りの景色を楽しみながら登って行けます。(下写真)

快適な尾根道

 登るにつれて周りの景色が良くなり、後ろに白山連峰の白い山並みが見えてきます。 また、南側には『笠ヶ岳』や『乗鞍岳』などが木間から見えていました(下写真)

白山方面

有峰湖方面

『笠ヶ岳』『乗鞍岳』『御嶽山』など

 『寺地山』への最後の急登を行くと、平な頂上へと到着しました。 しかし、三角点と山頂標識があるはずですが、雪の下に埋れてどこにあるのか分かりません。 山頂から少し東へ行ったところからは、右(北)側に有峰湖とその周りの山が、左(南)には『笠ヶ岳』『乗鞍岳』『御嶽山』が、前方には『薬師岳』や『劔岳』が頭を出しているのが見える展望台となっていました。(下写真)

寺地山頂上

笠ヶ岳方面(中央に『笠ヶ岳』、その右に『乗鞍岳』と『御嶽山』など)

笠ヶ岳アップ

乗鞍岳アップ

御嶽山アップ

北アルプス(立山)方面

薬師岳アップ

劔岳アップ

北ノ俣岳全景

北ノ俣岳アップ(足跡が見える)

頂上では、景色を眺めながらしばらく休憩しました。 休憩後は、北ノ俣避難小屋へ向かって、鞍部へと下っていきます。(下写真)

小屋へ向かう

小屋との分岐標識へ到着しますが、小屋へは帰りに時間があれば寄ることにして、まずは山頂を目指します。(下写真)

分岐標識

 ここからの登りは行けども行けども、上が見えてこなく精神的に辛いところです。 しかし、今回は2名で景色を見ながらゆっくりと登ったため、ほとんど疲れませんでした。(一人だとバテたと思います) (下写真)

上が見えない斜面

 いつのまにか、森林限界を超えてハイマツが生えている所を登っていました。 途中で鳥(たぶん雷鳥)の足跡を見かけましたが、残念ながら姿は見当たりませんでした。 また、一気に標高が上がったため登ってきた尾根などが一望できます。(下写真)

登ってきた尾根(遠くに白山が)

 途中で同行者が、前日からの疲れと睡眠不足で遅れだしたため、一人で稜線上まで一気に登っていきました。 急登を通過して、ようやく山頂が見える手前の尾根上まで登ると、カール状の谷がありました。 その端を雪庇に気をつけて進み(クラック入ってました)、稜線への最後の登りを登って行きました。(下写真)

上から見たカールと雪庇(帰りに撮影)

最後の登り(中央より左が雪庇)

室堂平方面

 県境の稜線に登る途中で、前を見ていると空が紫色に見えました。 何かと思って山頂方面を望むと、虹(「環水平アーク」と言う珍しい現象のようです)が掛かり、幻想的な眺めとなっていました(下写真)

山頂にかかる虹

急いで稜線に出ると、北アルプスの壮大な景色に虹が掛かる、不思議な光景が広がっていました。(下写真)

虹と北アルプス南部の山並み(右奥が山頂)

 ここまで来ると、山頂は歩いてすぐそこです。 山頂へ到着すると、周りには誰もおらず、他から来た形跡もありませんでした。(下写真)

北ノ俣岳頂上

白山方面を望む

大日岳と手前に太郎兵衛平小屋

鷲羽岳・三俣蓮華岳方面

水晶岳方面

水晶岳(左)・鷲羽岳(右)アップ

赤牛岳(確かに赤い)

薬師岳方面

薬師岳アップ

槍ヶ岳アップ

黒部五郎岳・笠ヶ岳方面

乗鞍岳アップ

黒部五郎岳アップ

 予定通り、頂上で昼食休憩を取ります。 ここまではほぼ無風でしたが、流石に山頂は風が吹いているため、ケルン脇で風を寄けながら食事(お餅を焼いて、お湯を沸かしてカップメン)を取りました。
 休憩後は、十分に時間に余裕があるので、山頂の南側まで景色を見ながら散策しました。(上の写真に含まれています)

 そして名残惜しいですが、山頂を後にして下山を初めなければならない時間となりました。 ここから小屋までは一気に下っていきます。 昼過ぎの暖かな日差しで、雪はすっかり緩んで溶けていました。 その雪の上をスボスボと早足で降りて行くと、僅か30分ほどで小屋に到着しました。(下写真)

北ノ俣避難小屋

中の様子(綺麗です)

外に設置されていた寒暖計

 小屋の外にある寒暖計を見ると、気温が16℃もありました。 この調子だとアッと言う間に雪が溶けるのではないでしょうか? また、小屋の脇には、水場があり結構な勢いで水が出ていました。

 小屋を後にすると、後はひたすら来た道を戻って行きます。 しかし、このコースは『寺地山』への登りや、いくつかのピークへの登り返しがあるので、余力を残して進まないとバテてしまうでしょう。(さすがに、連日の登山で最後の方は若干疲れが出ました・・・)

青空の北ノ俣岳を振り返る

 下の方まで降りてくると、行きはカチカチに凍ってしまっていた雪も、融けてチョロチョロと水音を鳴らしながら雪の下を流れていました。(下写真)

水が流れる登山道

飛越トンネル上部手前の登山道

 そして、何事もなく飛越トンネルの登山口に到着すると、朝来た時のままに車が止まっていました。(岡山ナンバーの主はどこ?)
 結局、この日の登山者は二人だけで、誰とも合わない静かな登山となりました。(山頂から双眼鏡で眺めても、人の姿は確認できませんでした)

今回の反省点は、
 ・日焼け止めを塗るのが面倒でそのままにしていたら、案の定 顔と首筋を日焼けしました。(今は顔が痒いです・・・)

次回は、天気次第ですが、また鈴鹿へ行こうかと思います。


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Jetstream777

素晴らしい雪景色!!! 流石、北アルプス!!!
しかも2日間連続の山行、
この日は10時間以上、見事な健脚と体力!
+迅速なブログ記事のアップ。
私なんか1週間遅れのUP、
私に少しパワーを分けてください。(^_^)v
by Jetstream777 (2010-05-18 21:56) 

おど

Jetstream777さん、コメントありがとうございます。
 北アルプスは、流石に素晴らしい景色を見せてくれますね。 しかも、誰もいなかったので独り占め(二人占め?)出来ました。

by おど (2010-05-18 22:17) 

KOMKOM

すばらしい景色です。
私が登ったときはひたすらガスがかかり、こんな景色まったく見れませんでした。
北アルプスの主峰がほとんど見えてますね。
by KOMKOM (2010-05-18 22:37) 

おど

KOMKOMさん、コメントありがとうございます。
 この日の前日の鈴鹿からの眺めが良かったので、翌日も見通しが良いだろうと思っていました。
 北アルプスは、まだほとんどの山に登っていなくて、今回も山の同定がほとんど出来なかったので、今年は幾つかの山を縦走したいと思っています。

by おど (2010-05-18 22:59) 

シラネアオイ

おはようございます。朝早くから素晴らしい山々の景色を
ありがとうございます。爽快な気分です。
nice! コメントありがとうございます。
by シラネアオイ (2010-05-19 08:07) 

旅爺さん

山はいいですよね~。
歩いたり景色を眺めてると天下取ったような気分でしょう。
by 旅爺さん (2010-05-19 08:28) 

g_g

残雪期ならばの景色と美しさ、感動物です
それにしても長丁場の体力と健脚恐れ入りました。
by g_g (2010-05-19 09:09) 

よしころん

言葉がでないような、素晴らしい景色!!
また素晴らしい健脚! だからこその景色ですね。
お疲れ様でした。
by よしころん (2010-05-19 16:07) 

joyclimb

北ノ俣岳頂上からの北アルプスの展望、素晴らしいですね!
北ノ俣岳から北ノ俣岳避難小屋まで35分! 速い!
本当に一気に下っていますね!

5月15日に猪臥山山頂からこの付近を見ていました。
やはり、近くから見ると迫力がありますね!
by joyclimb (2010-05-19 20:31) 

おど

シラネアオイさん、コメントありがとうございます。
 朝起きてこんな展望が見られると良いですね。(小屋かテント泊したいです)

旅爺さん、コメントありがとうございます。
 「天下取ったような気分」は、言い過ぎですが(笑) 自慢したくなるような景色ですよね。 ストレス発散には良いですよ。

g_gさん、コメントありがとうございます。
 残雪の季節もあと一ヶ月と行ったところでしょうか? その後は一部の雪渓を除いて、新緑の季節ですね。(それはそれで、待ち遠しいです)

よしころんさん、コメントありがとうございます。
 今回のコースは、ガイドブックにも日帰りコースとして掲載されているので、快晴の中 誰も来ていないのが信じられませんでしたよ。

joyclimbさん、コメントありがとうございます。
 以前、見せて頂いた写真山行になりました。 しっかりと小屋への分岐は雪の上に立っていましたよ。(ちなみに、この標識遠くから人がいるように見えますね)
 頂上から小屋までは、雪の急斜面を一直線でした。(同行者は、ソリを忘れたので遊べませんし、シリセードも濡れるので・・・) 今度は夏に、ここから雲の平付近を縦走すると思います。(その時は、長靴持って行きますよ 笑)

by おど (2010-05-19 21:06) 

ひろたん

素敵ですね・・・
地図を見ながら・・こんどいこっと^^


残雪
それに室堂の感じがいい感じですぅ
標識がしっかりしてると
安心です
雪が多いと見えるのかな
心配になりますよね
by ひろたん (2010-05-19 22:35) 

おど

ひろたんさん、コメントありがとうございます。
 登山口までが遠いですが、良いところで登りやすいので行ってみて下さい。
山頂標識は一部雪の下ですが、赤テープや標識は所々にあり、迷うことは無いと思います。(帰路で尾根筋が変わるところは注意) そろそろ、全体的に夏道が出ると思いますが。

by おど (2010-05-19 23:07) 

tochimochi

帰宅するなり出発とはさすがです!
北の俣岳に登るのはこういうルートもあるのですね。黒部周辺の山々の展望が素晴らしいです。昔、黒部源流をつめて周辺を歩き回ったり、赤木沢を登ったりしたことを思い出します。
by tochimochi (2010-05-19 23:19) 

asa

笠が岳をはじめどの山もきれいです。
いいものを見せてもらいました。
ありがとうございます。
by asa (2010-05-20 06:09) 

おど

tochimochiさん、コメントありがとうございます。
 北ノ俣岳のルートというと、逆にこのコースしか思いつきません。(あとのコースは、1~2泊ですよね・・・)
 黒部川の源流は、歩いてみたいと思っていますが、まだまだ経験が浅いので。

asaさん、コメントありがとうございます。
 あまりにも綺麗すぎて、当分どの山に登っても感動しないかも。(そんな事はないですね)

by おど (2010-05-20 20:09) 

山子路爺

虹(彩雲かなぁ)きれいですネ。私も見たいです。
やっぱ槍ヶ岳はカッコイイ。
それにしても凄い所行っていますね。
by 山子路爺 (2010-05-20 20:51) 

おど

山子路爺さん、コメントありがとうございます。
 虹ですが、氷の結晶が六角形の時で、風が弱い時に見られるようです。 凄い所でもないですよ。(関東方面からのアクセスが悪いので、あまり馴染みが無いのですね。)
by おど (2010-05-20 22:09) 

シラネアオイ

こんばんは!nice! コメントありがとうございます。
私も甘党なんです。見た目にはかなりのノンベイ
に観られるようですが!
by シラネアオイ (2010-05-20 22:16) 

シラネアオイ

再再度のお邪魔をいたします。nice! コメントありがとうございます。
春の山菜これを外して山菜とはいえません!「タラの芽」!!
by シラネアオイ (2010-05-21 08:16) 

旅爺さん

もう少しして雪が溶けたら熊に注意ですよ。
by 旅爺さん (2010-05-21 19:55) 

おど

旅爺さん、コメントありがとうございます。
 去年の5月には、木曽の乗鞍岳で、残雪の上に熊の足跡がありそれを追う形で登りましたよ。 今回も鈴を鳴らしていったので大丈夫でした。(鳴らしすぎたのか、鈴の紐が切れてしまいました・・・)

by おど (2010-05-21 22:16) 

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