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[登山] 御池岳へ樹氷見物 [登山]

 急遽、今年最後の登山として「御池岳」へ行って来ました。 二週間前にも、同じ登山道から目指し時間切れで「藤原岳」への縦走としましたが、そのリベンジも兼ねています。
 しかし、今回は前回と比較にならない雪の量でとても行けないと思われていませんでしたが、途中から助けもあって何とか辿り着くことが出来、素晴らしい樹氷を見ることが出来ました。

関連リンク
 2011年12月17日 鈴鹿 初降雪の藤原岳周回登山

御池岳途中の樹氷

御池岳へ樹氷見物
日付2011年12月28日(水)
天気晴れのち曇り
場所三重県いなべ市 藤原町山口
距離15.2Km
累積標高+1723m -1723m
時間10時間20分
人数1名
撮影枚数89枚+0枚(NEX-5)
登山難度
(A:安易~E:高度)
C(雪多し)
概略 雪が多く、登るのに体力と時間を浪費
した。 一人ではとても辿り着けなかっだ
ろうが、途中から同行者が出来て何とか
辿り着くことが出来た。
 樹氷や木々一面にエビの尻尾などが
素晴らしく苦労して登った甲斐がある。
行程・標高・時刻(赤字はGPSの実測)
07:30180m藤原簡易パーキング 出発
07:45 (00:15)228m白船峠登山口
11:10 (03:25)1416m白船峠 昼食休憩
11:50 (00:40)1416m白船峠 出発
12:15 (00:25)850m
真の谷出合
14:00 (01:45)1241m
奥の平標識
15:05 (00:10)937mカタクリ峠
16:35 (01:30)428m犬返し橋(降下点50分探索)
17:50 (01:15)
180m藤原簡易パーキング 到着

ルートラボ

※後半の写真枚数少なめです。

 今年もクリスマス寒波の影響で24日から27日まで降雪が続き、名古屋市内でも8cmの積雪となるなど、東海地方も雪に見舞われました。 しかも、今回は里雪型となっているので、鈴鹿山脈にも相当量の降雪があったようです。
 その為、今回の登山では目的地(御池岳)までたどり着くのは困難との前提で出発しました。

 前々回(2週間前)の登山の時と同様、「藤原簡易パーキング」へ駐車すると早速出発の準備をしますが、今回は酷しい寒さも予想されたので、完全冬装備で登って行きます。(軽アイゼン・ピッケル・アルミワカン・ハードシェルなど)

朝の藤原簡易パーキング(平日で車が多い)

 前回の時から比べると、流石に雪の量が半端ではなくなっています。 この辺りで10~15cmといったところでしょうか。 登山道までは、車道を歩いて行きますが雪かきの圧雪で通りづらくなっています・・・。
 途中から登山口へ向かって林道へ入っていてきますが、ここも雪の量が多く、当初車は登山口へ停車する予定でしたが、誰も入った様子がなくとてもノーマル車では侵入は無理な状態でした。

 登山口方面へは、数名の足跡と犬のものが付いています。 しかし、それらの足跡はいずれも登山口を通過して冷川谷へと向かっていました。(下写真)

白船峠登山口

 一人ぐらいは入っているかと期待はしましたが、誰も入った跡がなく新雪の上を歩いていくことになりました。 ここからは前回同様、木和田尾を登って行きますが、雪の量が多いため思ったように歩いていけません。 下の方では10cm前後でしたが、登るのに従い15~30cmほどの雪となり、途中でワカンを装着しましたがまだ歩くのにそれほど支障はありませんでした。(下写真)

奥美濃の山も雪化粧

雪が多くなる

まだ快適な雪道

 前回も休憩した鉄塔に到着しますが、この時間はまだ青空が広がっていました。(下写真)

鉄塔からの眺め1

鉄塔からの眺め2

鈴北岳方面は真っ白

御嶽山

 この日は、遠くが霞んでいましたが、乗鞍岳・御嶽山・中央アルプス・恵那山など、主要な山は見えていました。 しかし、展望を満喫できるのは、今回はここまででしょうか・・・。

 この先、ますます雪の量は多くなって坂本谷分岐からは30~50cm、所によっては1mほどの積雪となっています・・・。 更に、この雪は水分を大く含んでおり、ワカンに纏わりついて団子状になって重くなってきました。 完全なラッセル状態で登って行きますが、突然後ろから声を懸けられでびっくりしました。
 8時半に出発された方が、尾根道を直登してきて、追いついて来たようです・・・。 その方を後ろに従え先行して進んでいきますが、途中から1m~2mの雪が積もっていて、とても上へ登るという状況では無くなってきています。 「変わりましょうか?」と言うありがたい申し出があったので、ここはお言葉に甘えさせて貰って後ろから着いて行きます。
 人の歩いた跡が、こんなに快適に感じたことはありませんでした。 それまでは、一歩一歩踏みしめながら歩いていましたが、浮力がまったく違い楽に歩いていけます。

 しかし、暫くするとその方も疲れが出てきたため、その後は交互にラッセル役を引き受けることになりました。 そして、坂本谷分岐から800mほどの距離にある「白船峠」まで、1時間掛かって到着しました。(下写真)

白船峠

 手前でシャリバテとなり掛けていたので、ここで昼食休憩としました。 同行の方もここで昼食休憩して御池岳へ向かわれるとの事です。
 一人では、とても無理と諦めていましたが、二人で向かうとなれば何とかなりそうです。 食事後は、急遽ペアを組んで「御池岳」へ向かって出発することにしました。

 ここから真の谷へとトラバースしながら、御池岳へと続く尾根道へ向かうことにします。 トラバース道は、思ったよりも歩きやすい状態でした。 また、途中樹林の間から御池岳の山頂付近が真っ白に見え出して、テンションが上がります。
 そして、谷に降りる降下点を間違えましたが、問題なく真の谷へ降りてこられました。 しかし、帰路ここを通って登り返すのかと思うと、あまり気乗りはしません・・・。(下写真)

トラバース道を進む同行者

 予定通りの道へ出たので、尾根沿いに「御池岳」の「奥の平」へと登って行きます。 ここも、下の方は沈み込む量が少なかったのですが、上部に行くのに従い雪の量は増えていき、雪の下の幹や岩などで空洞がところどころに出来、大きく沈み込む事が多くなりました。

 ここも同行者の方と交代交代で進んでいきますが、背丈ほどの雪を掻き分けて登る回数が多くなり、体力の限界が近づいてきます・・・。 前方に頂上のシルエットが見えてきますが、中々到着しません。(下写真)

山頂はそこだが・・・

 山頂に近づくのに従い、木々が白さを増していき、気がつくと綺麗な樹氷となっていました。(下写真)

樹氷と藤原岳

一面真っ白

御池岳の東方面も真っ白

 そして真の谷から登り始めて1時間45分ほどで、何とか「御池岳」の「奥の平」に到着しました。 しかし、生憎山頂はガスで覆われて展望どころか、ホワイトアウト一歩手前といった状態でした。(下写真)

奥の平

巨大なエビの尻尾・・・

 今回の目的である「御池岳」へは到着して満足しましたが、ここから先が大変です。 同行者の方は、来た道を戻ると仰っていましたが、時間的に(この時点で14時)途中で日暮れとなってしまいます。
 そこで、車道に出ことを提案してカタクリ峠からコグルミ谷の東尾根を降りていくことにしました。 そうと決まると、雪道を適当に尾根沿いに降りていきます。(下写真)

樹氷の間を降りていく

 予定通り真の谷上流部の分岐へ到着し、ここで最後の休憩として行きました。 この先は一旦登り返して、カタクリ峠へと向かいます。 ほどなく峠に到着すると、真新しい足跡がありました。 朝、冷川へと向かっていた人の足跡の様です。 御池を目指してしたようですが、コグルミ谷へ向かったようです。 この足跡を追って下山することも考えましたが、初めの予定通り東の尾根伝いに進むことにしました。(下写真)

カタクリ峠

  ここから先の道は、以前雪の時期に登りで利用したことがあるので大体の状況はわかっています。 まずは801mピークへ向かいますが、この尾根道は雪が少なくあっという間に到着しました。 その後も尾根伝いに進み標高を下げていきますが、同行者の方は「犬返の谷」の橋に向かって降りたいと行っていたので、テープなどがあればそちらに向かうつもりで進みます。 コグルミ谷と犬返の谷の分岐点へ到着しましたが、犬返の谷方面に黄色のテープが続いていたので、そちらに向かうことにしました。

 徐々に標高を下げていき、車道が見えてきますが尾根伝いに道は下まで続いています。 右に犬返の谷へ急激に落ち込んだ尾根を降りていくと、車道手前では一気に標高を落としていました。 途中からテープは見なくなり替りに木にペンキでマークがしてあります。(下写真)

犬返り橋への急斜面

ペンキを辿って降りていく

 しかし、これが失敗でした。 ペンキの跡を辿り急斜面を降りていくと、思った通り車道手前の斜面は落石防止柵や落石防止のコンクリートで絶壁となっています。 予想は出来ていましたが、周りを見渡しても降りられそうもありません。 橋に降りられるかと思っていましたが、橋の脇までコンクリートの斜面で、その横は谷底まで落ち込んでいます・・・。
 谷底へ降りることも検討しましたが、どう見ても車道へ登る道があるとは思えません。 大きな石が多い険悪な斜面をウロウロとしますが、降りられそうなところが名中々見つからないため焦ってきます。 また、この時点で4時を回っていたので、ジッとしていても陽が暮れてタイムオーバーとなってしまうでしょう。

 多少危険ではありましたが、落石防止網の斜面を降りられそうな所があったので、そちらに向かって行きました。 すると、鉄の網がうまい具合にワカンの突起に挟まり歩きやすくなっていたため、そこから降りることが出来ました。

 車道に到着した時点で、尾根末端にたどり着いてから50分が経過しており、時間的にギリギリでした・・・。 車道に出られ、休憩がてらワカンを脱いでいると、登山者が2名降りてきました。
 カタクリ峠で見た、足跡の方たちです。 こちらも時間が掛かっていますが、コグルミ谷の道も相当な雪で難儀されたようです。(ワカンを持ってきていないため、ツボ足で登られたそうで・・・)

 ここから後は、下のゲート(この車道は冬季通行止め)まで雪の道を歩く予定でした。 しかし、この時期になっても道路工事(ガス工事?)を行なっていたため、道は綺麗に除雪されていました。 全員が藤原簡易パーキングに駐車しているので、ここからは4人組の一団となって車道を歩いて、すっかり暗くなった駐車場へ無事に戻ることが出来ました。(1時間15分掛かりましたが・・・)

暗くなった車道を歩く

今回の反省点は、
 ・事前調査しないで、道を変更するのは危険と改めて感じました。

「犬返り橋」への道は、もうすこし上部(尾根の北側)へ出るようです。 尾根の東側は危険です。

 次回は、正月中に鈴鹿の「竜ヶ岳」へ登ろうかとも考えていましたが、今回の登山で足腰に疲れがあるのと、またラッセルになる可能性が高いので中止の方向です。


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コメント 17

コメントの受付は締め切りました
旅爺さん

枝が折れんばかりの凄い樹氷が見られましたね。
ワカンをつけたりして大分歩かれて疲れたでしょう。
今年はいろんな楽しい記事を沢山ありがとう御座いました。
来年も宜しくお願いいたします。良いお年をお迎えくださいね。

by 旅爺さん (2011-12-29 17:53) 

シラネアオイ

今晩は!自然の美しい景色を見る為にはかなりの冒険をしなければなりませんね!今年一年間素晴らしい自然の景色を有難うございました。
来年も宜しくお願いいたします!!
by シラネアオイ (2011-12-29 18:11) 

nousagi

綺麗な樹氷を見られたのはやっぱり行って良かったですね。
でも下山時の道は・・・。(>_<)
この時期に暗くなってしまったらと思うと
ぞーっとします。
無事下山できて良かったです。(^^)
by nousagi (2011-12-29 18:22) 

OJJ

御池岳へ樹氷見物・・・この樹氷は素晴らしいですね~良い物を見せて頂きました!おどさんでも10時間コース・・もう考えません。
2月頃にまた高見山のエビの尻尾でも拝みたいです。来年も素晴らしい山の記事を拝見できることを楽しみにしています。ではでは良いお年を!
by OJJ (2011-12-29 20:48) 

Jetstream777

素晴らしい樹氷ですね。 でもスゴイ積雪のなか、お疲れ様でした。
これだけの深雪だと、トレースがない限り登山道は消失ですね。 体力と経験とカンがないと、難しいですね。 いつも果敢なアタックに敬服します。
そして、詳述なレポート、楽しんで拝見。 ありがとうございます。 よいお年をお迎えください。
by Jetstream777 (2011-12-29 21:35) 

joyclimb

見事な樹氷ですね!
深い雪の中のラッセル、お疲れ様です。
by joyclimb (2011-12-30 00:13) 

mimimomo

おはようございます^^
お疲れ様でした。少々時間がかかったとは言え、兎も角ご無事で何よりでした。
素晴らしい樹氷ですね。これが見られただけでも行った甲斐があったと言うもの
良かったですね~わたくしも見せていただけてありがたいですが、やはり自分の目で見られる
登山をしたいです(--; 昨日は高尾山にシモバシラを見に行きましたが、今年は
出来が早かったのか、もう半分とけかかった状態でちょっと淋しい思いをしました。
しかし一人で登るのはお天気を見て行けて最高ですね^^
今年後半は雨に悩まされましたから。
by mimimomo (2011-12-30 09:21) 

おど

旅爺さん、コメントありがとうございます。
 これだけの樹氷、この辺りでは滅多に見られないでしょうね。 今回の登山は疲れてまだ体がダルイですよ。
 こちらこそ来年もよろしくお願いします。

シラネアオイさん、コメントありがとうございます。
 これだけ綺麗なものを見るには、それなりの労力が掛かっていないと感動も少ないでしょうねぇ。 今年一年ありがとうございました。 来年もよろしくお願いします。

nousagiさん、コメントありがとうございます。
 はじめは樹氷というより、御池の頂上を歩いてみたかっただけなのですが、疲れてそれどころではありませんでした・・・。(苦笑) 暗くなる前に車道に出られて良かったですよ。

OJJさん、コメントありがとうございます。
 今回10時間以上掛かってしまいましたが、目的を達成したので文句なしで今年最後を締めくくれます。 来年もよろしくお願いします。

Jetstream777さん、コメントありがとうございます。
 降雪量は半端ではなかったですねぇ。 もっと体力を付けないと行けないのがわかりました・・・。 トレースは当然ありませんが、テープなどの目印はあるので何とかなりますね。 それにGPSもあるので、迷いはありませんが、今回の下山のようになると怖いですねぇ。
 来年もよろしくお願いします。

joyclimbさん、コメントありがとうございます。
 満足ゆく樹氷でした。 ラッセルは疲れますが、面白いので苦にはなりませんね。

mimimomoさん、コメントありがとうございます。
 無事に戻って来られてほっとしました。 樹氷はそれなりの標高と冷たい風の通り抜ける場所の両方の条件が必要なので、中々見られませんね。 一人で行くのは気楽で良いのですが、何か合った時に頼れるものが少ないので不安ではありますよ。 今年の晴天率は次回のブログ記事に載せますが、高いのではと思ってます。(笑)
by おど (2011-12-30 12:30) 

achami

登山者達の連係プレー、素晴らしいですね!!
熟練した技と、経験。山男!!って言いたくなります^^
ため息の出るほどの絶景をありがとうございます!
by achami (2011-12-30 13:00) 

tochimochi

きれいな樹氷を見れたのはよかったですが、ラッセルは大変でしたね。
同行者ができて助かったことはお察しいたします。
往路を引き返すのは無理と判断し、ルートを変えた判断はさすがです。
でも最後で難儀してしまいましたね。
何とか降りる箇所を発見して結果オーライでしたが、こちらもドキドキしてしまいました。

by tochimochi (2011-12-30 13:39) 

CARRERA

冬山は、雪の量によって全く難易度が替わってくるので、
チョッと緩い位の対応が良いかもしれませんんネ!

by CARRERA (2011-12-30 13:45) 

テリー

すばらしい樹氷を見ることが出来て、良かったですね。
反面、冬山は、一寸したことで、危険が一杯ですね。
良いお年をお迎えください。
by テリー (2011-12-30 14:03) 

おど

achamiさん、コメントありがとうございます。
 体力のある方で助かりました。 技も経験も全くありませんが、気力で切り抜けてますね。(苦笑)

tochimochiさん、コメントありがとうございます。
 ラッセルははじめから予想はしていたので、自業自得というか覚悟のうえですよ。 往路を引き返しても良かったのですが、時間が掛かるしつまらない?ので今回のコースどりにしました。

CARRERAさん、コメントありがとうございます。
 雪山で難しいのは、今回の様な山でしょうね。 気温がもっと低いと、サラサラの雪でしょうし、もっと締まっていると思うので、今回の様な湿った雪が大量に降っているとどうしようもありませんよ・・・。

テリーさん、コメントありがとうございます。
 夏山も危険ですが、冬山は気温が低い分リスクが高いですね。 その変わり、雪や氷の景観はこの時期だけの特別な風景ですが。 来年もよろしくお願いします。
by おど (2011-12-30 19:27) 

海を渡る

樹氷がすごくきれいですね。
でもやっぱり雪山では油断が禁物なんでしょうね。
無事に下りて来られて良かったですね^^。
by 海を渡る (2011-12-30 20:50) 

ken_trekking

とっても綺麗な景色を堪能されましたね。樹氷も
重そう!天気も良かったみたいだし最高の雪化粧。
心強いパートナーも途中で得て良かったですね。
しかし最後には大変でしたが(^^;) 無事で下りられて
良かったです。防護壁のありそうな斜面へは下りない
ように注意はしてもこういうことは起こりえますね。
by ken_trekking (2011-12-30 20:51) 

おど

海を渡るさん、コメントありがとうございます。
 雪山でも油断は禁物ですが、今回の場合は雪山なのはあまり関係ありませんね。 下り口は良く確認しないとこういうことがありますねぇ。

ken_trekkingさん、コメントありがとうございます。
 樹氷、相当重そうでした。(笑) 天気は大きく崩れることはなくて、展望もまあまあでしたね。 一人では、無理な山もあるのでこういう時、複数人というのは助かります。
by おど (2011-12-31 18:27) 

g_g

綺麗な樹氷が見られていい年を迎えられたのでは・・・
by g_g (2012-01-05 07:50) 

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