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[登山] 北アルプス中部周回縦走(二日目) [登山]

 今回は、北アルプス中部周回縦走の二日目の双六山荘から黒部五郎岳を経由して薬師岳山荘までの山行を載せます。 前日よりは雲が薄くはなっていましたが、朝方から雲が多く殆どの山頂からの展望は見られませんでしたが、縦走路中の要所要所で雲が切れてくれて展望の一部を見ることが出来ました。

P2575付近から黒部五郎岳方面を望む(立体視してみて下さい)

行程表を見る場合は右のリンクをクリックして下さい。→ 二日目の行程表

GPS行程図(黄色は予定、緑色は実績、その他の色は別の日)
20100731_map.jpg

 小屋の朝は早く3時頃にはガサゴソと出発の準備をする人が出始めます。(山頂で日の出を見る人でしょう) しかし、この日も朝から生憎の曇り空となり、日の出は拝めそうもありませんでした。
 4時に目を覚ますと、同室の方達はまだ寝ているようです。(この日、小屋は比較的すいていたのか、布団一つに一人でした) 4時半からの朝食も並ぶこと無く済ませると、出発の準備をして予定通り5時に小屋を出発しました。

 小屋を出て霧の中を、まずは双六岳への登りを 歩いていきます。 少し登って平坦な分岐へ到着しますが、事前の調査で三俣蓮華岳への巻道は雪渓があるので危険となっていたので、予定通り中道へと進みます。(下写真)

三俣蓮華岳への分岐

双六岳直登コースと中道の分岐

 中道へと進みますが、霧で道が分かりづらくなっていたので目印を確認しながら双六岳の中腹をトラバースして進んでいきました。 途中で、春道(地図に記載されていません)との分岐があったため、そこから山頂へと向かいました。(下写真)

双六岳の春道

 春道を進む途中で、ザックをデポして山頂までピストンすることにしました。 身軽になった体で山頂まで一気に登ると、案の定雲に包まれて展望が全くない頂上でした。(下写真)

双六岳頂上

山頂から稜線沿いの道がありましたが、ザックを回収するべく春道へと戻ります。(結果的には、春道は歩きやすいので早かったと思います) 中道へ復帰すると「三俣蓮華岳」へと向かいました。 三俣蓮華岳は、名前の通り岐阜・長野・富山にまたがる県境にある山です。 しばらく進むと三俣蓮華岳の標識がありますが、よく見ると山頂標識ではなくて分岐の標識です。(後から来られた方は山頂だと思って撮影してました・・・) 霧で良く見えませんが、奥に少し高くなった場所があるようなのでそちらに向かうと、こんどこそ山頂標識がありました。(下写真)

三俣蓮華の分岐(三つに分岐しています)

三俣蓮華岳頂上

 頂上から分岐へ戻ると、黒部五郎小舎の方に向かってハイマツの道を下っていきます。 暫くはハイマツの中を降りていきますが、P2661の尾根から西に方向を変える辺りからは、樹林帯の中の岩がゴロゴロと転がる細い涸れ沢を下っていくことになります。(下写真)

P2661下の分岐(標識やペンキをよく見ないと迷いそうです)

小舎への道1

小舎への道2

 涸れ沢の降りでは、巻き道のコースが何箇所かありますが余り意味はありませんでした。(すべて無視しました) 下に降りるにしたがって、小屋からの発電機エンジン音が大きくなります。 樹林から出て視界が開けると黒部五郎小舎が目の前に見えてきました。(下写真)

黒部五郎小舎1

黒部五郎小舎2

小屋の前には草原が広がり、お花畑となっていました。(下写真)

黒部五郎小舎前の草原(奥が黒部五郎岳だが・・・)

 ここから「黒部五郎岳」へは、稜線コースとカールコースがありましたが、予定通り稜線コースへ進むことにしました。 しかし、これが失敗で通常はカールコースを行くようです。
 稜線コースは、キャンプ場を経由してから尾根末端に取り付き沢沿いに登っていきます。 沢には水が少し流れているため、滑らないよう注意しながら登って行きました。(下写真)

稜線コース途中からの眺め(小屋を望む)

 この道はあまり通る人がいないようで、結局頂上直下で一人すれ違っただけでした。 そのお陰か、途中で雷鳥と出会いました。(下写真)

黒部五郎岳の雷鳥

また、雪渓や岩場などもあり結構楽しめます。(下写真)

雪渓を歩く

雪渓を渡る(結構危険です・・・)

岩場を渡る

頂上直下の岩礫を登る

頂上直下の岩礫をテンポよく登って行くと、雲で何も見えない頂上へと到着しました。(下写真)

黒部五郎岳頂上

 ここも長居はせずに次の「赤木岳」へと向かいます。 一旦、「中俣乗越」へと下って行き再度「赤木岳」への登りを上がっていると、雲が切れ始めて「黒部五郎岳」や向かう「北ノ俣岳」などが見えてきました。(下写真)

2555mピーク

中俣乗越の池塘

2575mピークから中俣乗越を振り返る(奥の雲の中に黒部五郎岳が・・・)

赤木岳手前の2575mピーク付近からは、お花畑が広がっていました。(下写真)

ハイマツの中を歩いて行くと、何名か休憩中の「赤木岳」頂上へと到着しました。(下写真)

赤木岳への最後の登り

赤木岳頂上

赤木岳から赤牛岳方面を望む(中央奥、左の平坦地は赤木平、右の谷の流れは赤木沢)

赤木岳から野口五郎岳を望む(奥)

 ここからは、今回の目的地のひとつとなり今年4月末に来たことのある「北ノ俣岳」に登りました。 あの時は、白一色で良く分かりませんでしたが、改めてこの時期に歩くとハイマツや木道など、違った所へ来たように感じます。(下写真)

神岡新道への分岐

 北ノ俣岳したの神岡新道との分岐を通過すると、太郎平小屋へと緩やかなハイマツタイの中や木道を下っていきます。 この辺りはハクサンイチゲの大群落があり、目を楽しませてくれました。(下写真)

太郎山・太郎平小屋への道

ハクサンイチゲの大群落

太郎山への緩やかな木道と池塘

 太郎山を越えると、折立と雲ノ平との分岐に当たる太郎平小屋が見えてきました。 一気に下ると太郎平小屋へと到着しました。(下写真)

太郎平小屋への下り

太郎平小屋

 太郎平小屋では、水が流しっぱなしになっていたので、此処ぞとばかりに水の補給を行ないました。 暫くの休憩後、薬師峠に向かって下って行きました。(下写真)

薬師峠へ

石の道路を進み途中から木道となると薬師峠へは直ぐに到着しました。(下写真)

薬師峠

 ここにはトイレと水場がありました。 用を足してから、薬師岳小屋で水は貴重品なため、明日の分を再度補給すると小屋に向かって急登を行きました。 薬師岳への登りは、初めのうちは沢沿いの急登を行くことになりますが、その内涸れ沢の岩がゴロゴロと転がるところを歩くようになります。 傾斜が緩むと薬師平と呼ばれるところに到着しました。(下写真)

涸れ沢を登る

薬師平(ここにもお花畑が・・・)

 ここからは稜線沿いの道となりますが、小屋へは近いのですが中々到着しませんでした。(疲れが溜まってきたのでしょう) ピークを左から巻いて行くとその先に小屋が見えてきました。(下写真)

薬師岳小屋1

薬師岳小屋2

 薬師岳小屋は、写真からも分かるように今年新築中で完成が翌日の8月1日なのですが、電話で予約したときに「ゴタゴタしていますが泊まりますか?」と訊かれて、一日前に宿泊することになりました。
 実際行ってみると、明日からオープンするにはまだ完成しきっていませんし、一部不自由もありましたが概ね快適に過ごせました。(下写真)

急ピッチで作業する大工の方達

 内装は今風の作りになっており、窓も広めで二階寝室からは「薬師岳」も望めるような作りになっていました。 また、当たり前ですが、畳や布団(まくらも)新調されているので、気持よく寝られました。(笑)
 夕食や朝食なども、まだ不慣れなこともあって戸惑いながらとなっていましたが、女将からの挨拶などもあり盛り上がっていました。

この日の反省点は、
 ・特にありませんでした。


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コメント 11

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joyclimb

要所要所で雲が切れると、歩くモチベーションが維持できますね。
太郎平小屋への道のハクサンイチゲの大群落、圧巻です!
オープン前の状況が具に見られた宿泊は貴重ですね。
by joyclimb (2010-08-06 23:33) 

シラネアオイ

こんばんは!nice!&ご来訪有難うございます
by シラネアオイ (2010-08-06 23:38) 

KOMKOM

立体視うまくできませんでした(笑)。
結構苦手なんです。
私もこの日は登ってたのですが、ガスがなかなか晴れませんでしたね。
by KOMKOM (2010-08-07 06:24) 

SammyTajima

2007/7/28~ 逆走で快晴の室堂~五色ケ原でしたが、薬師岳では雨に降られ太郎平から折立に逃げて、結局雲の平へは行けずでした。 薬師岳の小屋が出来ているんですね。  画面が思い浮かびます。ありがとう。
by SammyTajima (2010-08-07 08:47) 

おど

joyclimbさん、コメントありがとうございます。
 この辺りでは景色が見えるとどこでも素晴らしいので、疲れを忘れて歩いていけますね。 ハクサンイチゲは草原いっぱいに咲いており壮観でしたよ。

KOMKOMさん、コメントありがとうございます。
 立体視ダメですか・・・。(笑) この日も、岐阜県側から湧いてくる雲で終日ガスっていましたね。

SammyTajimaさん、コメントありがとうございます。
 このコースも通常は室堂から向かうみたいですね。 翌日に会った方達はスゴ乗越小屋からの方を別にすれば、全て室堂方面から薬師岳へ向かう方でしたね。
 今回の山行で、行程と時間が分かったので日帰りでなら大体の所へは行けそうですよ。

by おど (2010-08-07 12:23) 

g_g

殆ど尾根歩きか草原を歩くのでしょうから
ハクサンイチゲなど花畑の群落は素晴らしいでしょうね。
by g_g (2010-08-07 15:41) 

おど

g_gさん、コメントありがとうございます。
 この日は殆どが稜線沿いの高低差の少ない道だったので、登山道脇に咲く花が多かったですね。

by おど (2010-08-07 19:26) 

tochimochi

山小屋もすっかり今風になりましたね。太郎平は有峰から登っていくとのびやかな草原が広がり、好きでした。北の㑨岳から太郎平に行く道は侵食がひどかったですが、今はどうなっているのか気になります。
by tochimochi (2010-08-07 19:46) 

おど

tochimochiさん、コメントありがとうございます。
 薬師岳小屋は、一見すると普通の家ですよ。 間取りや窓なども寒冷地仕様とは思えません。(雪で潰れないのか心配です) 太郎平への道は、木道が多くあったので、土壌への影響を抑えるのが目的でしょうね。

by おど (2010-08-07 21:41) 

山子路爺

こんばんは。
新築の薬師小屋、しかもオープン前に泊まれるなんて……。
ふかふか布団で気持ち良さそう……。
by 山子路爺 (2010-08-07 23:40) 

おど

山子路爺さん、コメントありがとうございます。
 新築は良いですね。(笑) プレオープンと言っていましたが、一日前に泊まれてラッキーでしたよ。(ここに泊まれないと太郎小屋泊で翌日以降の日程が崩れますからね)
 新品の畳の匂いや、木の匂いが漂う中でふかふかのお布団で気持よく寝られましたよ。

by おど (2010-08-08 09:00) 

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