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[登山] 中央アルプス 木曽駒ヶ岳 福島Bコース~茶臼山周回登山(前編) [登山]

 今回も予定通り中央アルプスの「木曽駒ヶ岳」へ登ってきました。 「木曽駒ヶ岳」に登るのは二回目ですが、今回のコースはスキー場跡のコガラから木曽福島Bコース と呼ばれる所を途中から「麦草岳」「木曽前岳」と縦走して、「木曽駒ヶ岳」に到着後は予定通り「宝剣岳」へピストンし、急遽「伊那前岳」へピストンで寄り道して、「駒飼ノ池」と「濃ヶ池」を経由して「将棊頭山」へ登り返し、「茶臼山」から下山しました。
 朝方は青空が覗く良い天気でしたが、次第に雲が湧いてきて「木曽前岳」に到着時点では、雲で展望が得られませんでした。 しかし、「麦草岳」周辺の崩壊 地や「将棊頭山」周辺の高山帯の雰囲気など充実した登山となりました。

※今回は、長くなったので前後編とします。

後編はこちらから →  [登山] 中央アルプス 木曽駒ヶ岳 福島Bコース~茶臼山周回登山(後編)

麦草岳から木曽前岳と木曽駒ヶ岳を望む

中央アルプス
木曽駒ヶ岳登山
登山口~麦草岳~木曽前 岳~木曽駒ヶ岳~宝剣岳~伊那前岳~将棊頭山~茶臼山~登山口
日付2010年9月18日(土)
天気晴れのち曇り(無風)
場所長野県木曽郡木曽町新開
時間10時間50分
総距離22.4Km
総累積標高+2506m -2506m
人数1名
行程・標高・時刻(赤字はGPSから算出)
06:001360mコガラ登山口 出発
06:30 (00:30)1586m林道終点(渡渉点)
08:00 (01:30)2310m七合目避難小屋
09:00 (01:00)2733m麦草岳
10:30 (01:30)2826m木曽前岳 昼食休憩
11:00 (00:30)2826m木曽前岳 出発
11:30 (00:30)2956m木曽駒ヶ岳
12:10 (00:40)2931m宝剣岳
12:40 (00:30)2883.4m伊那前岳
12:55 (00:15)2883.4m宝剣山荘分岐
14:20 (01:25)2726m将棊頭山
15:00 (00:40)2591m
茶臼山
15:45 (00:45)2024m2024mピーク
16:50 (01:05)1360mコガラ登山口 到着

GPS実績図(黄色は予定、赤色が実績、緑色は以前)※2105,1802mピーク前後で誤差あり
20100918_map1.jpg

福島Bコース登山口までの経路(紫色が経路) ※あくまで一例です。20100918_map2.jpg

 ここ数回は意識しているわけではないのですが、長野方面に向かっています。 今回も中央高速道路を「中津川IC」で降りて県道19号線を北上して行きました。
 木曽福島を通り過ぎてしばらくで、木曽駒高原カントリークラブの看板がある信号で右折して登山口へと向かいます。 登山口への道は事前に調べた通り水産試験場の方から行きましたが、帰ってから地図を見直すと遠回りになりますが、広い道沿いにもいけそうです。(上の地図を参照)
 道を奥へと進むとスキー場跡の売店の建物がありますが、道をさらに奥へ登って行き舗装路の終点(宿泊施設の「ヒルトップ」のある所まで)まで行きました。 舗装路の末端にも旧スキー場の駐車場があるので、車をそこへ駐車して出発の準備をします。(ちなみに信号を右折してから10分程で到着しました)

駐車場(奥がヒルトップ)

 出発の準備をしていたら車が一台隣に駐車すると、その方も登山者らしく早々に出発されて行きました。(もう一台、写真左奥の方も登山者みたいです) 準備が整った所で、駐車場から未舗装路を奥へと登山口に向かって歩き始めます。 緩やかな道をスキーのゲレンデ跡を横目に見ながら登って行くと、茶臼山登山道との分岐となっている登山口がありました。(下写真)

登山口標識

登山口から振り向く(ゲレンデ跡と奥に乗鞍岳?)

 登山口からすぐに先行者を抜いて行きました。 奥に進むに従って林道となり、木々の間を進んでいきました。 その木に見慣れない看板が立っていたので写真を撮っておきました。(下写真)

かかり木危険の看板

 「かかり木 危険」と書かれた看板は、林業関係者は知っていて当然なのでしょうが、ネットで調べると「掛かり木」の意味で”伐採などで隣の木などに倒れ掛かった状態の木”を指している様です。
 しばらく何の事か考えながら奥へと進んで行くと、出発から30分ほどで砂防ダムが見えてきて林道終点に到着しました。 林道と並行していた幸ノ川を渡りますが、ガイドブックにあった丸太橋は見当たらないので、飛び石で渡っていきました。(下写真)

林道終点付近

幸ノ川の渡渉点

 対岸からは本格的な登山道の開始です。 尾根上までは急登となっていますが、上を見ると明るくなっているのでそれほど距離はなさそうです。 つづら折れの道を登って行くと案の定、10分ほどで尾根の末端(四合目)に到着しました。(下写真)

尾根までの登山道

尾根の末端(四合目)

 ここからの尾根沿いの道も一定の割合で登っていきますが、前回の易老岳への登りに比べると楽でした。 鬱蒼と茂る林の中を登って行くと朝日が差し込んできました。 朝方は雲が多めで心配でしたが、晴れ間が覗いてきたようです。
 途中に人が中で泊まれそうな巨石がありました。(なにか謂れがありそうです) また、今回のコースで登りでは唯一となる水場(力水)がありました。(下写真)

登山道脇にあった巨石

水場(力水)

 水場でタオルなどを冷やして気合を入れなおし登っていきます。 しばらくは単調な登りが続きます。 苔生した岩や木の根で滑りやすくなった道を登って行くと、次第に傾斜が緩くなると2385mピークへ到着しました。 ピークから一旦下りすこし行くと岩場の展望台がありました。
 岩場の上に立って眺めると、山体のほとんどは雲に隠れていますが「御嶽山」や「乗鞍岳」などが頭を覗かせていました。(下写真)

岩場の展望台からの眺め(左:御嶽山、右:乗鞍岳)

展望台から麦草岳近影

展望台からひと登りすると避難小屋がある七合目へ到着しました。(下写真)

木曽駒ヶ岳七合目避難小屋(左がトイレ)

 避難小屋とは思えない立派な作りで、太陽電池で発電しており機械の動作音がしていました。(トイレの浄化設備を動かしているのか?)

小屋の中1(ストーブがあります)

小屋の中2(中二階になっていました)

 特に疲れていないため小屋を後にして「麦草岳」へ向かうことにします。 当初はここから福島Aコースの六合目へ向かい、そこから尾根沿いに登る予定でしたが、最新の地図では小屋からの直登のコースが書かれており、逆に尾根のコースが記述されていません。 現地で確認することにしていましたが、道標を見ると「麦草岳」への直登コースがあるようなので、そちらへと向かい急登を登っていきます。(下写真)

小屋前の道標(その奥が太陽電池が設置された避難小屋)

小屋前の広場(右奥が「麦草岳」への登り口)

 あまり歩く人がいないのか、薄い踏み跡を登って行きます。 尾根伝いに登っていきますが、途中に岩場などもあり距離の割に時間が掛かります。 しかし、途中では標高が上がったこともあり、周りの山の展望が見られました。 そして、小屋から50分ほどで駒石と呼ばれる岩場へ到着しました。(下写真)

麦草岳への登り

茶臼山(左)と将棊頭山(中央)を望む

茶臼山(左)アップ

木曽駒ヶ岳遠景

木曽駒ヶ岳アップ(右に玉ノ窪山荘とその向こうに「宝剣岳」が見える)

麦草岳の駒石

駒石の裏から上へと登ると、ここからの景色は素晴らしい物でした。(下写真)

駒石からの展望(北アルプス方面)

木曽前岳への縦走路と木曽駒ヶ岳(左)

駒石からハイマツ帯を少し行くと「麦草岳」の三角点へ到着しました。(下写真)

麦草岳三角点(上松Bコース分岐)

麦草岳(三角点)頂上

麦草岳からの展望(御嶽山方面)

麦草岳からの展望(乗鞍岳方面)

麦草岳からの展望(上松方面)

北アルプスアップ

妙高山方面アップ

 三角点を後にして2733mの最高点を経由して牙岩へと向かいます。 さすがに地図上で破線路となっている事だけはあって、踏み跡はさらに薄くなりハイマツなどに覆われた登山道を進んで行きました。(下写真)

麦草岳を振り返る

最高点の岩場を通過すると、向かう尾根と崩壊地の全貌が見えてきました。(下写真)

縦走路近影

 ここからは薄い踏み跡をたどって慎重に進みます。 踏み跡を少し外れると急な斜面へ出てしまい、下手に突き進むと藪の中の岩の間に踏み抜きかねない危険な場所もありました。(テープなどほとんど付いていないので、踏み跡を忠実に辿る能力と慎重さが要求されます)
 麦草岳から崩壊地への下りは、草で覆われた斜面を蛇行して降っていきますが、万が一滑ったらただでは済みそうも無いため、ストックを活用して慎重に下っていきます。(下写真)

崩壊地へと下る草付きの斜面

崩壊地から下を望む

崩壊地から麦草岳の斜面を振り返る(中央の草地を下ってきた)

 なんとか無事に崩壊地へと降りてきましたが、ここからが本当の危険地帯となります。 牙岩の手前までは崩壊地との間と左のトラバース道を行ったり来たりして進んでいきますが、近づくに従って左側も急傾斜となってきて崩壊地方面のくさりの付いた岩場などを通って行く事になりました。

牙岩近影

クサリの付いた岩場(クサリは錆び付いているので無視)

クサリ場から下を望む

岩場を通過後、縦走路を振り返る(これで半分ぐらい?)

 岩場を通過して安心したのもつかの間で、砂場の細いブリッジがあります。 ここも両端はスッパリと切れているので慎重に滑らないように通過していきます。
 そして、ここからが今回の核心部とも呼べる所となりました。 事前に調べて存在は知っていましたが、二箇所(実際はその上にもう一箇所)古い木のハシゴがありました。 ここを登らないと牙岩に登れませんし、当然迂回路などはありません。(下写真)

牙岩への登り

梯子

 遠目や写真では一見簡単に登れそうですが、実際には3~4メートルほどの高さがあり、両端が切れているので迂回や岩場を利用して登るのも難しそうでした。 また梯子は相当古いのか、木は腐ってボロボロになりかけで、縛り付けている針金も錆びて心もとないものとなっていました。
 ここで足場が折れて滑落するのも嫌なので、なるべく針金の近くに足を置き三点確保の要領で力を分散させて登って行きました。 二箇所の梯子を通過すると、上部に水平にもう一箇所梯子が掛けてありますが、斜めに傾いており崖側に木が渡してあるのでそれを足場にして渡って行きましたが、後で写真を確認するとその横の岩はいつ崩れてもふしぎのない状態でした。(下写真)

上部の梯子(左の岩が崩れそう。二つ上の写真で確認出来ます)

 牙岩の上部へと到着しますが、余りの緊張に心臓の鼓動は早くなり、自分が今どこにいるのか頭の中は真っ白の状態で分かっていませんでした。(笑) そこから下って行くと、危険地帯は脱して玉ノ窪山荘へのトラバース道との分岐になっていました。(下写真)

分岐から牙岩を望む

分岐標識

心に余裕が出来たので、それまで無視していた木々や花々を眺めながら木曽前岳へと向かいます。(下写真)

ウスユキソウ

 木曽前岳へ登って行きますが、意外と急登となっており所々でロープが設置されていましたが、ここも登る人が少ないのか外れてしまったロープが結構ありました。(草や木を利用して登って行きます)
 そして上部へ出ると向かう木曽前岳が見えてきました。 しかし、その向こうにある木曽駒ヶ岳は雲で見えなくなっていました。(下写真)

木曽前岳近影

 上松Aコースとの分岐と合流すると、ここからは以前も通ったこともある道となります。 岩場が多くなるとすぐに山頂標識のある場所へ到着しました。 しかし、本当の山頂は少し離れたところにあり、前回来たときはそこへ寄らなかったため、今回は真の山頂へと向かいました。(下写真)

木曽前岳頂上

 ここまで予定より30分ほど早く到着しましたが、ここに居てさえも木曽駒ヶ岳方面(多分、玉ノ窪山荘)から女性の大きな話し声が聞こえてきました。 ここは予定通り、誰も居ないここで昼食休憩をしていきます。(因みにここまで、初めの先行者以外誰とも遭いませんでした)

後編に続く・・・。


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ひろたん

いつも参考になる登山ですね
それにしても
この山は険しい・・・
だれもいない山は
すこし寂しいかな・・と
思ったりしてでもこれが本来ですかね・・
by ひろたん (2010-09-19 22:14) 

シラネアオイ

こんばんは!良い天気に恵まれてイイ登山にになりましたね!
やまやまの雲もいいアクセントになりますね。
by シラネアオイ (2010-09-20 00:53) 

g_g

一歩間違えればと思われる、結構険しい山々で、疲れも倍増しそうですね
それにしても天気に恵まれて幸いでした。
by g_g (2010-09-20 08:01) 

よしころん

うわわ!
尾根の崩壊地、写真を拝見しているだけで、怖いです(><)
途中で雨やガスになったら… と想像しても。。。
同じ山域でも全く別の様相。
無事の下山にてなによりです。
by よしころん (2010-09-20 09:22) 

joyclimb

麦草岳からの展望、素晴らしいです。
牙岩付近のコース、とても恐そうです!
朽ちてそうな梯子を登るには、梯子の状態の判断力と勇気が
必要ですね。
いつも的確な判断をされて難所を乗り越えてますね!
by joyclimb (2010-09-20 09:43) 

nousagi

詳しい記録ですね。
この山域にはなかなか行く機会がありませんが
この山だけは行きたいと思っています。
花のころに・・・。
間違いなく、しらび平からになりますが
それにしても、Bコースから破線のルートに下山。
厳しいところを行かれましたね。
駒岩からの景色はとびきり。
ご褒美ですね。(^^)
by nousagi (2010-09-20 10:01) 

tochimochi

千畳敷から気軽に登る方が多いせいでしょうか。あまり整備がされていないようですね。
by tochimochi (2010-09-20 18:59) 

おど

皆さん、NICE!とコメントありがとうございます。

ひろたんさん、
 麦草岳と牙岩周辺は、人を寄せ付けない険しい山ですね。 誰もいない山は確かに寂しいですが、多すぎるのは明らかに異常なので本来の山に近い形が好きですね。

シラネアオイさん、
 ここ何回かの登山では雲ひとつ無いのが多かったので、今回のように適度に雲があると、空の高さや山々の遠さが際立って見えますね。

g_gさん、
 一歩間違えればというところが本当に多かったですね。 これだけ怖い思いをしたのも久しぶりです。 登山を始めた頃からすればあまり怖い場所というのが少なくなったのですが、それだけに今回の縦走は危険がいっぱいだったと言うことでしょうか。 しかし、これに慣れてしまうと次は・・・。

よしころんさん、
 この日は雨こそ降っていませんでしたが、前日ガスが掛かっていたらしく昼前までは全域で濡れていました。 幸い、稜線沿いは陽が射していたので岩場は乾燥していましたが、ツルツル状態ではとても行けませんね。
by おど (2010-09-20 19:32) 

おど

皆さん、NICE!とコメントありがとうございます。

joyclimbさん、
 麦草岳からの展望は全く期待していなかったので、いい意味で期待を裏切られました。 梯子は、登ると決めていたので無心で登りましたよ。 この手の危険なところは、腰が引けたり怖がると逆に危ないと思っているので、思い切って進むことにしています。(といっても、内心はビビりまくってますよ 笑)

nousagiさん、ご訪問ありがとうございます。
 今回のルート破線で書かれていますが、近い将来に梯子が折れたりしたら廃道になるのは確実でしょうね。 この山域はハイマツ帯が多いので藪漕ぎは大変なので、登山道から安易に外れられませんよ。 今回の山もそうですが、中央アルプスは面白くて展望の良い山が多いので好きです。

tochimochiさん、
 そうですね。 「ロープウェイが出来てから登山道が荒れた」と聞くのですが、実際に歩くとそれが実感できます。 といっても、ロープウェイは相当昔(昭和42年)からあるので、今更なのかも知れませんが・・・。 登山人口は増えている筈なのですがね。(整備予算の不足もあるでしょうか)
by おど (2010-09-20 19:48) 

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