[登山] 長野県大鹿村 大西山~鬼面山~地蔵峠縦走登山 [登山]
今回も予定通り、長野県大鹿村にある「大西山」から「鬼面山(きめんざん)」までを縦走して、地蔵峠へと下山してきました。 朝方は雲も多くハッキリしない天気でしたが、時間が経つに従って陽も射すようになり、「鬼面山」に到着時は伊那谷方面(西側)の展望が得られました。
今回の山行では、登山中に遭遇したのは初めてとなる熊に、20~30mの近距離で遭遇しましたが、何事も無く無事に縦走出来ました。
日付 | 2012年7月15日(日) | ||
天気 | 曇のち晴れ | ||
場所 | 長野県下伊那郡大鹿村大字大河原 | ||
距離 | 15.1Km | ||
累積標高 | +1839m -1268m | ||
時間 | 6時間30分 | ||
人数 | 1名 | ||
撮影枚数 | 300枚 | ||
登山難度 (A:安易~E:高度) | B(特に危険箇所は無いが、熊に注意) | ||
概略 | 大西山へはつり天国から登るが、標高差の割に 山頂まで長く歩きなれない人だと辛いか。 朝方は雲で展望がまったく無かったが、次第に陽 が指してくるようになるが、終日南アルプス方面は 厚い雲で見ることが出来なかった。 1759mの三角点近くで熊に遭遇したが、熊鈴も 付けていたので向こうが慌てて逃げていってくれた。 途中展望の良い所もあり、山深い山を堪能できる。 また、鬼面山の山頂からは伊那谷方面の展望が見 られ、ここまで展望が無かった分、感動できた。 | ||
行程・標高・距離・時刻(赤字はGPSの実績) | |||
06:55 | 723m | 0.0Km | つり天国手前 出発 |
09:00 (02:05) | 1741.2m | 5.2Km | 大西山 |
10:10 (01:10) | 1759.3m | 6.2Km | 1759m三角点(栂立山) |
10:40 (01:10) | 1785m | 9.7Km | 昼食休憩 |
11:00 (00:20) | 1785m | 9.7Km | 出発 |
12:00 (01:00) | 1889.3m | 12.2Km | 鬼面山 休憩 |
12:20 (00:20) | 1889.3m | 12.2Km | 鬼面山 下山 |
13:25 (01:05) | 1299m | 15.1Km | 地蔵峠 到着 |
※地蔵峠に迎えに来て貰い帰宅。
ルートラボ
今回の山へは秋に行く予定でしたが、天候が安定しないので落雷や豪雨などに対応できて、比較的短距離で縦走出来る山いうことでここに決めました。 また、長野県南部は晴れる可能性も高いと踏んでいたのと、この所の気温上昇で、ある程度標高が高く涼しいのが期待できるのも選んだ要因です。
前日は熱帯夜となったのか、蒸し暑くて中々寝付けませんでした。 結局、熟睡できないまま何時もよりは遅く4時過ぎに起床して出発の準備をしました。 この日は家族と一緒に出発することもあり、結局4時45分に出発し、登山口の長野県大鹿村へ中央高速に乗り向かいます。 今回の登山口は「塩見岳」の登山口(鳥倉)近くとなるので、今までも何度か行ったことがあり、連休中日で交通量は多めでしたが迷うことも無く予定より早く7時前に到着しました。
つり天国手前で一人だけ降り、単独で大西山へ向かって出発しました。 幸い雨は降っておらず、雲の密度もそれほど濃くはありません。(下写真)
大西山へは、分岐となるポイント毎に「大西山 こちらへ」と矢印が書かれた看板があるので迷うことはありませんでした。(下写真)
つり天国の駐車場を過ぎて上部へ来ると、右手の畦道へと誘導され、いちごハウスを左手に見ながら樹林帯へと入って行きました。(下写真)
樹林の間を抜ける典型的な登山道となりますが、昔からの山道なのか尾根上部までは大きく蛇行しながら徐々に登って行く道となっており、距離らは伸びますが楽な登りとなっていました。 また、道はよく踏まれていて落ち葉や腐葉土などで脆くはなっていますが、歩きやすい道が続きます。(下写真)
この辺りから、上部の尾根筋に出るまでは同じような感じの道が続きます。 しかし、当初は標高が低いせいか風も吹かず蒸し暑い中の上りとなりました。 しかし、それも尾根を越えて右側(北側)の谷からの水音が聞こえるようになると、さわやかな風が吹いてきて生き返ります。(下写真)
そのまま、尾根筋に登っていくかと思っていましたが、地図とは違い道は南斜面をトラバースして徐々に稜線へと登って行きました。(稜線にも出られると思いますが、無理せずこの方が楽だと思います) 前方に1頭の若い鹿が飛び跳ねるように下へと逃げ去ると、警戒しているのかこちらが遠くに立ち去るまで鳴き続けていました。(下写真)
出発から1時間半近く登ってところで、ようやく稜線に出ることが出来ました。 稜線は広く倒木が散乱していますが歩きやすい道となっています。 この頃、パラパラと雨音がして”降り始めたか”とも思いましたが、すぐに音は止み結局この日は終日雨には降られること無く歩くことが出来ました。(下写真)
ここから「鬼面山」までは、主稜線沿いに歩くことになります。 広い稜線は徐々に狭くなり、一旦鞍部へと降りていきますが、その先はまた昇りとなり1633.6mピークへと向かっています。 1633.6mピークへ到着すると、「前大西山」とプレートが置いてありました。 そこから更に進むと、木々が伐採されて南アルプス方面が見られそうな場所へ到着しましたが、景色は雲の白一色で何も見えませんでした・・・。(下写真)
ここから「大西山」までは更に標高差100mほどの登りとなりますが、先程に比べれば急登と言うわけではありません。 暗い樹林の間を抜けて、30分ほど行くと展望のない樹林の中に、「大西山」の標識と三角点のある頂上へ到着しました。(下写真)
ここに展望が無いのは事前に分かっていたので、ひと通り見渡したところで「鬼面山」へと向かう踏み跡を歩いていきます。 当初、稜線を歩く人は少ないと思っていましたが、実際には踏み跡はしっかりとしており薮もそれなりに覚悟していましたが、結局下草もほとんどない歩きやすい道が続きました。(下写真)
この先はひたすら稜線沿いに歩くことになりますが、尾根が複雑に分岐しているので注意が必要です。 今回のGPSの記録も見て判ると思いますが、基本的に左端(東側)の尾根を歩いて行くと問題ないと思います。(元々、東斜面は急斜面となっているので、なだらかな尾根があればそれが正解です。) とは言え、コンパスと地図若しくはGPSがないと、とんでもない方に向かうことになるでしょう。(下写真)
「鬼面山」へは基本的に登りとなります。 しかし、間に幾つかの小ピークがあり、上り下りを繰り返しながら徐々に登るため、体力的には全く問題とはなりませんでした。 また、先程も説明したように道はシッカリついていて尾根心を外れなければ歩きやすく気持ちの良い道となっています。(下写真)
中間地点となる1759mの三等三角点へは、稜線から外れていますが、尾根分岐で直接そちらへと向かいます。 そちらへは踏み跡も薄く倒木などをよけながら進むのに集中して歩いていました。 前方でガサガサと言う音が聴こえてますが、風の音かとも思いそちらに進んできます。 再度、近くで音がしたので鹿かなと思ってそちらをみると、前方20~30mの距離に黒い物体があり、すぐに熊だと分かりました。
熊はと言うと、こちらが向かっていくのに驚いたのか、後ろを振り返りながらも一目散に逃げて行きます。 こちらも向かってこないかと、目を離さないように暫く状況を見ていきました。 その為、カメラを向けるのが遅くなってしまい、残念ながら撮影は出来ませんでしたが、ひとつ間違えると襲われていたかもしれません・・・。
十分に遠くに行ったかと思い、そこから1分ほど離れたところにある三角点へ寄ってから、元の稜線へと戻って行きました。(下写真)
稜線を暫く進み1740m地点を通過すると、左側(東側)が開けた所へ到着しました。 三角点の近くで昼食休憩と思っていたので、ここで休憩していくことにしました。(下写真)
この辺りは、陽が射して気温も上がったこともありハエなど沢山の虫が飛び交っています。 しかし、時折風が吹いてくるので食事も何とか食べることが出来ました。食事後は、気合を入れなおして「鬼面山」へと向かいますが、地蔵峠での待ち合わせを14時~15時ぐらいとしたので、このままでは早く着きすぎてしまいそうです・・・。(昼食時に11時)
食後ということもあり、若干ペースを落として前方に見えていた無名のピークを登っていきますが、このピークはシダに覆われ良い雰囲気となっていました。(下写真)
この辺りからそれまでは無かった赤テープが見られだし不思議に思っていましたが、調べてみると無名ピークの次のピークが「上烏帽子岳」と呼ばれており、西側の「新九郎の滝」からの周回コースとなっているようです。 その為、踏み跡やテープもあちこちに現れるため、惑わされないように歩く必要がありました。(下写真)
1792mピークを通過すると、枯れた笹と倒木が多く、足を引っ掛け何度か躓きそうになる道が続きました。(下写真)
平坦な道を明確な踏み跡に従って進むと、その先は「鬼面山」へと一気に登って行く事になりました。 しかも奥深い山らしく、暗く湿った苔むした倒木で覆われており、踏跡を失うと復帰するのに難儀しました。(下写真)
踏み跡へ復帰すると、歩きやすくなりそのまま上部へ一気に上がると、境界標識の赤い札がぶら下がったところに出てきました。 ここが本来の登山道との合流点らしく、この先はよく踏まれた登山道となり、一安心です。(下写真)
更にひと登りすると、前方が明るくなり「鬼面山」の山頂に到着しました。(下写真)
誰か登っているかとも思いましたが、山頂に人の姿はなく、木造の展望やぐらが目につきます。 早速やぐらに登って展望を見ていきますが、南アルプス方面は雲に覆われまったく見られませんでしたが、幸い伊那谷(西方面)に雲は無く、山頂付近が雲に覆われて見ることはできませんが、中央アルプスなど遠くまで見渡せました。(下写真)
景色を飽きること無く見ていきますが、太陽の日差しが強いのでやぐらの下の日影で座り込み、時間の余裕もあるので暫く休憩していきます。 しかし、時折東側からの雲が風にあおられてか流れてくるので、天気が悪くなる前にと20分ほどで下山を開始することにしました。
下山とはいえ、この時点で12時半だったのでいつもの調子で降ってしまっては、推定45分で峠へ着いてしまいます・・・。 ここは何時もよりペースを落として、ゆっくりと降りることにしました。
先程の分岐まで戻ると、右手の尾根に向かって降りて行きました。 この辺りは樹林帯で暗いためか、前日までの雨で地面が湿っており木の根なども多いので、スリップしないよう慎重に歩いて行きました。(下写真)
暫く降りると、”標高1800m(鬼面山 0.5Km)”と書かれた標識が立っていました。 この先も、標高差100m置きにこの標識があり、登りの際の目安となっていました。(下写真)
結構急な斜面を降りていきますが、時折登りとなり素直に峠まで続いているわけでは無さそうです。 途中で、北方向が開け3月に登った「二児山」や塩見岳の登山口となる「鳥倉山」、それに「前・奥茶臼山」なども見えていました。(下写真)
そのすぐ下では南側の展望が広がり、以前登った「青崩峠」や地蔵峠の先に聳える登ったこともある「高尾山」など「しらびそ峠」方面の山々も見えてきます。(下写真)
その先で、道が細くなりロープなども現れました。 また、左側が切れた岩場や右斜面が切れ落ちた岩場などもあり、侮れません。(下写真)
その途中で、木が幹から倒れており、その下を何気なく通過した時に、頭をぶつけて2cmほど切れてしまいました。 出血はありますが、幸い深い怪我では無いので、濡れティッシュで消毒してから絆創膏で止血しておきました。(下写真)
再度、樹林の中をあるく道となり標高を落としていきます。 初めのうちは前方からバイクの音が聴こえてきましたが、次第に音が大きくなり峠が近づいてきたのが分かりました。
途中左手にトタンの倉庫?がある所を通過すると、その先にお地蔵様が祀られたところへと出ました。(下写真)
その下に車道が見えていて、そこまで降りていくと地蔵峠へと到着しました。(下写真)
到着が13時半と予定よりも早かった事もあり、まだ迎えの車は来ていませんでした。 駐車出来る所は、直接陽が射しているので、まさかと思い上部の様子を見に行きますがやはりまだ来てはいないようです・・・。 しかし、その間にはバイク1台と乗用車3台が行き来しており、山深くはありますが連休中と言うことで結構人は入っているようです。 諦めて「地蔵峠」へと戻ると、タイミングよく迎えの車が到着しました。(下写真)
こうして当初の予定より早くなりましたが、今回も無事に戻ることが出来ました。
今回の反省点は、
・特にありませんでした。 クマとの遭遇は予想されたことなので、無事に回避できてよかったと思います。 クマ鈴は効果がないと聴きますが、今回の場合風下からクマに向かって進んでいたので、もし鈴がなければ鉢合わせした可能性は高いと思います。
次回ですが、そろそろ梅雨明けだと思うので、休みを取って去年も行った南アルプスの「仙丈ヶ岳」か、北アルプスの「乗鞍岳」に花を見に行こうかと考えています。
今晩は!
山はクマや動物たちの領域です!
侵入する人間達が注意をしましょう!!
by シラネアオイ (2012-07-17 00:09)
おはようございます^^
山ではわたくしなど標識が頼りです。何にもないところだとかなり不安。
ましてや熊に遭遇などと言う事になったら腰を抜かしてしまいそう(__;
友人は熊に遭遇した時、登っていた鉄製の階段をストックで叩いて音を出したと言っていました。
やはり人間が居ることを音を出して伝えるのは正解ではないでしょうか。
ご無事で何よりでしたね^^
by mimimomo (2012-07-17 08:23)
尾根が分岐しているところでは迷いやすいもにさすがおどさん・・
丘陵地帯で1つ違う尾根を歩いたらとんでもないところに出たことがあります。
by g_g (2012-07-17 09:26)
熊、逃げて行ってくれてよかったですね。
熊はタバコの臭いが嫌いだと聞いて
タバコを持って歩いたことがありますが
ほんとのところはどうなんでしょう?
by nousagi (2012-07-17 10:08)
シラネアオイさん、コメントありがとうございます。
当然ですね。 山に入る時は都会の喧騒を忘れて、自然にすべてを委ねるので、動植物などはそっとしたいです。 クマに襲われたのなら、敵だと認識されたということですしね。(襲われたくはありませんが・・・)
mimimomoさん、コメントありがとうございます。
今回のコースは、基本的に目印となるものは踏み跡(獣道ともいう)と境界標識ぐらいでした。 現在位置と、周りの地形それに地図を見ながら総合的に判断しないとすぐに迷うと思います。
クマに遭遇はしましたが、思ったよりも冷静に対応出来たと思います。(向こうが逃げ腰なのがすぐに分かったからですが・・・)
g_gさん、コメントありがとうございます。
北アルプスの稜線でも、ガスっていると変な方向に誘われる場合がありますからねぇ。 油断は禁物です。
nousagiさん、コメントありがとうございます。
タバコですか。 吸わないので持っていませんが、今回の様に風上にいる場合は効果が無いと思いますよ。 何れにしても、その時のクマの機嫌?や状況に左右されるので、必ずということは無いでしょうね。(興奮状態だと建物や車にも突っ込んで来るでしょうし・・・)
by おど (2012-07-17 12:28)
おどさんがクマの遭遇初めてとういうのも意外な気もしますが~~(笑)
私達が遭ったときは風下にいたクマが気づいて逃げてくれました。
立ち止まっていて鈴は鳴っていなかったので、山では常に人間の存在を示していないといけませんね。
by よしころん (2012-07-17 14:30)
熊との遭遇、びっくりしたでしょうねー。でも、おどさんが登るコースは、人があまりいないコースが多いので、遭遇する恐れがおおきいですね。
やはり、熊には、鈴などで、人間がいるのがわかるようにしたほうがいいのでしょうね。北海道、大雪山系のハイキングに行ったときに購入した熊鈴は、大きな音が出ます。
by テリー (2012-07-17 17:27)
よしころんさん、コメントありがとうございます。
鹿は毎度の事で、イノシシはたまに見かける程度ですが、クマは初めてでした。 まあ、クマも沢山生息しているわけではないでしょうから、遭う確率は低いのでしょうね。
テリーさん、コメントありがとうございます。
大西山の山頂付近までは、人の手が入っていたこともあって鈴は鳴らしませんでした。 その後は、いそうな雰囲気だったので鈴を鳴らして周囲に気を配りながら歩いていたので、クマと遭遇した時もそれほど驚きはしませんでした。 鈴の音は、高い大きな音が出るものを使っているので、よく響いてますよ。(苦笑)
by おど (2012-07-18 12:23)
怪我、大丈夫ですか?
天候の影響でしょうか、とにかくご無事でなによりです。
by スナフキンの子 (2012-07-19 16:52)
熊、逃げて行ってくれてよかったですね
鈴も大切ですよね
また体験はしていませんが・・やはり鈴をつけた方がいいのでしょうかね
お天気の下限もありますか・・
今度は南アルプスの「仙丈ヶ岳」か、北アルプスの「乗鞍岳」に花を見に行こうかと考えています。楽しみにしています
by ひろたん (2012-07-20 23:10)
クマとの遭遇、びっくりしますね^^; 無事で何よりです。
熊に初めて遭遇したとき、
熊が視界から消えても心臓がドキドキしていました^^;
by joyclimb (2012-07-21 01:32)
スナフキンの子さん、コメントありがとうございました。 返信おそくなりました。
怪我はもう痛みも引いて、カサブタも取れ始めています。 普段から体を動かしていれば、怪我の回復も早いみたいですね。
ひろたんさん、コメントありがとうございます。
クマが襲ってくるのは相当焦っている時か、子供連れの特でしょうね。 鈴は無いよりはあった方が良いと思いますが、人によっては五月蝿く思う方もいるかも知れませんね。(自分は山の中でのラジオが五月蝿く思うので) 予定通り仙丈ヶ岳へ行って来ました。
joyclimbさん、コメントありがとうございます。
クマを初めて見たわけでも無いので、それほどびっくりはしませんでした。 逆に200回以上山に行って初めてだったので、如何に遭遇する確率が低いかということですが・・・。
by おど (2012-07-21 20:05)