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[登山] 飛越国境 残雪期の水無山 [登山]

 今回は、よい天気に誘われて休みを取り、岐阜と富山の県境(飛越国境)にある「水無山(みずなしやま)」に登ってきました。 朝から期待を裏切らない穏やかな晴天となり、今年一番の展望を見ることが出来ました。

水無山からのパノラマ(北アルプス・乗鞍岳・御嶽山・白山など)

水無山から360度の展望

飛越国境
残雪期の水無山
日付2015年3月27日(金)
天気無風快晴
山域両白山地
場所岐阜県飛騨市河合町上ケ島
距離11.9Km
累積標高+1183m -1183m
時間7時間25分
人数2名
撮影枚数0656枚 (FUJIFILM FinePix XP200)
0000枚 (SONY DSC-TX300V)
0223枚 (Panasonic DMC-GM1)
登山難度
(A:安易~E:高度)

B(危険箇所なし)

概略
行程・標高・距離・時刻(赤字はGPSの実績)
06:15495m0.0Km上ヶ島駐車地 出発
06:20 (00:05)517m0.3Km尾根取付
07:45 (01:25)1073m2.3Km1073mピーク
09:00 (01:15)1263m4.2Km1263mピーク
10:00 (01:00)1448m5.3Km1459mピーク付近
10:30 (00:30)1505.7m6.0Km水無山 昼食休憩
11:35 (01:05)1505.7m6.1Km水無山 出発
12:15 (00:40)1250m7.8Km1263mビーク付近
12:50 (00:35)1040m9.6Km1073mビーク付近
13:20 (00:30)517m11.5Km尾根末端 待機
13:40 (00:20)495m11.9Km上ヶ島駐車地 到着

ルートラボ

実績コース(緑色は予定、赤色が実績)
20150327_map.jpg

 先週からの風邪が花粉症と合わさって中々治りません…。 とは言え、微熱も無くなり症状は軽微となってきたので、以前から計画していた飛越国境の「水無山(みずなしやま)」へ休みを取って向かうことにしました。
 今回も高山に前泊して出発することにしますが、一年ぶりに同行者が山スキーで行けることになったので、翌朝5時に一緒に出発しました。

 まだこの時期は冬季通行止めが多いので、県道90号線(卯の花街道)を走り479号線を経由して国道471・360号線を走り天生方面へと向かいました。 小鳥川沿いに奥へ進むと、10分ほどで登山口となる上ケ島に到着しました。
 路肩は高い雪で覆われていますが、所々に駐車可能地があるので、そこに駐車して出発の準備をして行きます。(下写真)

駐車地から周囲を見る

 準備が出来た所で、千島集落へと向かう坂を登っていきます。(下写真)

左上に向かう(帰路撮影)

 奥に進むと、雪に覆われた右上に向かう坂道があるので、ここから尾根の末端へと向かいます。 しかし、意外な事に前日と思われるスノーシューの跡が付いていました。 自分もここでスノーシューを履きます。(下写真)

ここから雪道に(帰路撮影)

 締まった雪道を登って行くと、予定している尾根の末端が見えてきました。(下写真)

尾根末端から取り付く

 スノーシューの跡もここから登っており、その跡を辿りながら登ります。 ここから792mピークまでは急登が続き、いきなり疲れさせてくれます。(下写真)

暫くは急登

 スノーシュー跡は迷うこと無く尾根沿いに続いています。 下山時の状態からは、前日の午後に付いた後で間違いはなさそうです。 この時期のしかも平日に、水無山方面に向かう方がいてビックリです。(人の事は言えませんが…)

前日と思われるスノーシュー跡が続く

 同行者のスキーは登りは難儀しますし、久しぶりの長距離?となるので、自分が先行して歩いていきます。 朝から雲ひとつ無い快晴となり、稜線から陽が出てからは強い日差しが差し込んできました。(下写真)

朝から陽射しが強い

 幸い?な事に、当分の間は日陰の多い杉林などの植林帯を通って行きました。(下写真)

暫くは植林帯を通る

 標高が上がると、小鳥川の対岸に高登山(たかとうやま)が見えてきました。(下写真)

対岸に高登山

 一旦植林帯を抜けると、雪深い平坦地となります。 しかし、スノーシュー跡のお陰で、適度に踏み固めらた道を登ることが出来ます。(下写真)

植林を抜ける

雪が深く

 陽射しの強い疎林帯は短く、1073mピークからはまた植林となりました。(下写真)

再度植林に

 その先も登りは続きますが、急斜面と言うわけではありません。 しかし、この尾根は登り返しが多く、南方向から向かうと無駄が少なく楽できそうです。(下写真)

登りが続く

 1173m手前まで登ると、後方に遠く乗鞍岳などの景色も見え始めていました。(下写真)

遠くの景色が見られだす

 ここには斜面を巻くように林道らしき道跡も見られます。(下写真)

林道か?

 1173mピークは南から巻いて奥へと向かいます。(下写真)

1173mピーク付近

 ここを過ぎると、それまで見えていなかった県境方面の山並みが見えてきます。(下写真)

水無山方面が見えてくる

 展望の良いこの辺りで、前日のスノーシュー跡が休憩した形跡を残して引き返していました。 正直、ここまでこのスノーシュー跡がなければ、3日前に降った雪が柔らかく沈み込みも大きい(10~20cm)ので、もっと時間と体力が消費されていたでしょう。
 ここからは地図通りの平坦な尾根が続きますが、思ったよりも上下動が多くなりました。(下写真)

台地状の尾根が続く

 極力高低差の少ないコースを目視で確認しながら前進しますが、基本的に南沿いに通り抜けるのが正解のようです。 その南方面には、以前残雪期に登った「御前岳(ごぜんだけ)」や「籾糠山(もみぬかやま)」それに「猿ヶ馬場山(さるがばんばやま)」などが見えてきました。(下写真)

南西方面も展望が広がる

 ここまで来ると植林は少なくなり、この山域の見どころの一つとなる、ブナ林やカラ松などが多くなってきました。(下写真)

立派なブナが多くなる

 右に谷を見ながら、その先の斜面を登っていきます。 しかし、ここも本来は登る必要は無く、南斜面をトラバースするのが正解でした。(下写真)

この斜面を登るが

 その先にまた林道らしき道が走っていますが、どこに向かっているのでしょうか?(下写真)

ここにも林道?

 真っ白な雪面と抜けるような青空で、久しぶりに気持ちのよい歩きとなります。(下写真)

気持ちのよい歩き

 しかし、地図で事前にわかっていますが、現地で見ても次第に複雑な地形となって行きました。 小さな谷が縦横に走っているので、前方の起伏を確認しながら歩くことになります。(下写真)

複雑な地形となる

 1263mピークへの登りは急斜面となりますが、ここも南斜面から巻けば楽できたようです。(下写真)

1263mピークへの長い登り

 急斜面の途中からは、後方に遠くの山々が見えてきて足が鈍ります。(下写真)

遠くの山が

木曽御嶽山(中央)や乗鞍岳(左)が見えてくる

御嶽山アップ

乗鞍岳

 1263mピークに登りつめると、その奥に県境稜線がはっきりと見えてきました。(下写真)

1263mピーク

県境尾根が見えてきた(中央奥が1459mピーク)

 1278.7m三角点を通り過ぎた所で、予定通り南尾根を辿り回り込み気味に南尾根から登ることにします。 その南尾根からは、下小鳥ダムなどがよく見えていました。(下写真)

左尾根の末端へ

南方面の展望地

展望地からの眺め

展望地からの眺め(下小鳥ダム(右)、御嶽山)

 右に登る斜面が緩くなってきた所で取り付きますが、ここで熊と思われる足あとが縦横に歩いていて緊張させられます。 この辺りは飛騨でも有数の熊の生息地なので、今回は鈴を鳴らしながら歩いていますが安心は出来ません…。(下写真)

熊の足跡か?

 動物の徘徊した跡を通り抜け、県境へと斜面を登ります。(下写真)

ここから登りに

 次第に雪が多いためか木々が少なくなり、展望も開けてきます。(下写真)

木々が少なくなる

気持ちのよいブナの疎林

展望が広がる

御嶽山と右に猪臥山

乗鞍岳と手前に高登山

 気が付くと、それまで手前の稜線に遮られ見られなかった白山も、姿を見せ始めています。(下写真)

白山が見えてきた

 雪は更に深くなり、緩い場所では沈み込み量が多くなります。 幸い南斜面の陽当りの良い所は、融けて再凍結したところを選んで歩くことで、ほとんど沈み込むことはありません。(下写真)

雪は更に深く

 前方に1459mピークが見えてきますが、思ったよりも高低差がありそうです・・・。(下写真)

1459mピークへ

1459m手前からのパノラマ

北アルプスの展望

 1459mピークへは直登せずに、谷間状の部分を左から登ります。(下写真)

1459mピークへの登り

ブナ林を抜けて

 程なく県境沿いの1459mピーク横に到着しました。 ここまで登ると、初めて水無山や富山県側の様子が見られます。(下写真)

奥に目指す水無山

 ここから尾根はくの字に曲がっているので、右手の稜線像に遠回りして向かって行きました。(下写真)

右から回り込む

 ここまで稜線より下で風が弱いのか、雪庇などは見かけませんでした。 しかし、ここからは遮る物の無い為、雪庇が見られ出しました。(下写真)

ここに来て雪庇が目立つように

 ここまで来れば水無山まではすぐです。(下写真)

前方に水無山

県境尾根を望む

どこでも歩ける

 しかし、山頂に2つに分岐している南尾根の左側は、5m以上の雪庇で取り付けそうもありません。 また、山頂も10mほどの雪庇が南側に迫り出しており、みきおねの上部がどうなっているか下からは確認出来ません。
 左の雪庇は途中で途切れているようなので、そちらへ向かって右尾根をトラバース気味に登って行きました。(下写真)

谷間の横を進む

左に巨大な雪庇

 思った通り、左の雪庇は途中で途切れていました。 雪に埋もれた沢を渡り、折り返すように左尾根に取付きます。 後は山頂まで最後の急斜面を登るだけとなりました。(下写真)

ここで左の尾根へ

山頂への最後の登り

 山頂への斜面を登っていきますが、すでに展望が広っており目を離せません…。(下写真)

山頂手前から白山方面

雪面には自分の足跡だけ

オサンババ(中央奥)と鷲ヶ岳(右奥)

 そして出発から4時間15分で山頂に到着しました。(下写真)

少し下に水無山標識

 ここまで何とか来ましたが、1263mピーク付近から病後の疲れからか息切れがして本調子ではありませんでした。 この天気でなければ途中で諦めていたかも知れませんが、当初計画の周回は出来そうもありませんし、山スキーの同行者とは相当下で別行動となっています。

 最悪でも山頂までは5時間で到着予定だったので、まだ時間に余裕はあります。 同行者が来るか分かりませんが、ここで写真撮影や昼食を摂り(撮り)ながら待つことにします。 幸い天気は崩れそうもありませんし、風もほとんど無く、この時期としては異常な暑さでした。(日陰で13℃、陽当りで22℃…)

 山頂からの景色は素晴らしく、近くの白山などは兎も角、この日は遠く中央アルプスや南アルプスも一つ一つの山名が分かるほど、はっきりと望むことが出来ました。(下写真)

水無山からのパノラマ(北アルプス・乗鞍岳・御嶽山・白山など)

北アルプス全景

左か朝日岳・毛勝山・白馬岳・鑓ガ岳・剱岳・立山連峰・薬師岳など

右から焼岳・穂高連峰・笠ヶ岳・槍ヶ岳・黒部五郎岳・水晶岳・北ノ俣岳など

左から乗鞍岳・中央アルプス・木曽御嶽山・川上岳など

乗鞍岳と御嶽山の間に南アルプス(中央左奥)と中央アルプス(中央右)

左から小秀山・位山・川上岳・土倉山(中央手前)

左から籾糠山・猿ヶ馬場山・奥三方岳・白山など

左から栗ヶ岳・御前岳・籾糠山など

白山アップ(右に野谷荘司山・三方岩岳など)

北方面を望む(中央右に金剛堂山)

金剛堂山(中央左)と白木峰(右)

 満足するまで存分に撮影と展望を楽しんだ所で、同行者の姿も見えてこないので下山を開始します。 下山途中に、山頂の樹木に邪魔されて見えづらい白山北方稜線と、近くの「三ヶ辻山(みつがつじやま)」や「人形山(にんぎょうやま)」を北斜面に回りこみ見ていきます。(下写真)

穏やかな山並みが続く

左から瓢箪山・仙人窟岳・笈ヶ岳・大笠山・奈良岳・三ヶ辻山・人形山など

左からシリタカ山・笈ヶ岳・大笠山・奈良岳・見越山・赤摩木古山など

 昼になり予想通り雪が緩み始めています。 しかし、思ったより水分は含んでなくずり落ちていかないので、強気で降りていけました。(その変わりシリセードは無理です)(下写真)

雪も緩みだす

 往路に記憶しておいた、余計なピークや斜面の最短地点を降りて、効率よく下山していきます。(下写真)

樹林帯を通ってショートカット

 1263mピークまで来ると、スキー跡が見られだし、その下で休憩した跡がありました。 同行者はここまでとして、下山を開始しているようです。 ここからはそのスキー跡を追って、最短距離を戻ることにします。(下写真)

スキー跡を辿る

 山頂での長い休憩が功を奏したのか、帰路は快適に降りることが出来ました。 また、気持ちのよい天気が続き、精神的には気が楽です。(下写真)

この日は終日雲ひとつ無い快晴

 792m0通過して、最後の斜面を一気におりていきます。 最後の急斜面で、スキーを脱ぎワカンに履き替えている同行者と合流し、無事に車へと戻ることが出来ました。(同行者は、久しぶりの本格的な登山で途中で足が攣り、引き返してきたようです。)

無事下山

今回の反省点は、
・特にありません。 当初予定していた周回コースは、良い所なのでまたの機会に実施したいと思います。(もっと雪が締まった時が良さそうです)

 次回ですが、ようやく風邪も治りましたが、その分花粉症の症状が酷くなっています…。 何れにしても、週末は天気も悪そうなので、花を愛でに低山(場所未定)に登ろうかと思っています。


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joyclimb

素晴らしい景色ですね!
青空と雪山の山並み、絶景です。
by joyclimb (2015-03-29 23:21) 

mimimomo

おはようございます^^
まだまだしっかり雪がありますね。
お天気が良く展望が効くのが最高!
良い登山でしたね。
by mimimomo (2015-03-30 09:36) 

g_g

青空に雪と何処見ても絶景、この気候にあやかりたいです。
by g_g (2015-03-30 10:27) 

おど

joyclimbさん、コメントありがとうございます。
 人家も少ない県境と霞の少ない天気で、抜けるような青空が素晴らしかったです。 山頂で寝ようかとも思っていましたが、雪の上では流石に冷たいです…。

mimimomoさん、コメントありがとうございます。
 数日前に雪が降ったばかりですし、今年の積雪量ではまだまだ融けるまで時間が掛かりそうです。 1200mぐらいまでは、植林帯で展望が無かっただけに、そこを抜けた後の絶景展望地では、周りの景色を見るのに忙しかったです。(笑)

g_gさん、コメントありがとうございます。
 26・27日と二日間良い天気に恵まれました。 冬季以外にも、林道利用で比較的楽に登れる山ですが、この季節ならではの絶景でした。

by おど (2015-03-30 12:21) 

ひろたん

残雪がたくさんありますよね。
この山はヤマレコでよく聞きます。
お天気が良くてなによりです。
最近、撤退が多いから、羨ましいですよぉ。
安全が第一かな。^^;
by ひろたん (2015-03-30 22:56) 

山子路爺

良いですねぇ〜
私は雪の山どころか土の山も登っていません。
なんと情けない。

by 山子路爺 (2015-03-31 03:27) 

おど

ひろたんさん、コメントありがとうございます。
 雪はまだまだ多いですね。 この辺りは5月下旬まで残っていると思います・・・。 ヤマレコで聞かれるとの事ですが、この山は岐阜100山ですが、マイナーなところだと思うので、別の山だと思います。(全国に幾つか同名の山があります)

山子路爺さん、コメントありがとうございます。
 自分の場合は、その土の山がご無沙汰です・・・。(苦笑)  山子路爺さんはお忙しいでしょうから、この不満を抱きつつまた夏場にすごいところに行かれるのでしょうか?

by おど (2015-03-31 12:19) 

OJJ

素晴らしい山景色ですね~360度周囲が全部おどさんのもの。
空が青いと白いモノはより引き立つのですね・・納得!
風邪と花粉症の由、ボチボチいきまほか・・
by OJJ (2015-03-31 15:13) 

よしころん

気温が高いわりにはほとんど霞んでなくて、最高のお天気ですね~
わたしたち雪山はまた来年のお楽しみです。
もうすっかり花見山行にシフトしました(笑)
by よしころん (2015-04-01 10:11) 

おど

OJJさん、コメントありがとうございます。
 周囲360度が見渡せるので気持ち良いですね。 雪が積もって間もない白に、原色に近い青が映えていました。 この日は肉眼で見ても、真っ青でしたねぇ。 風邪は治っていますが、傷んだノドに花粉で咳や痰が出て息苦しいです・・・。

よしころんさん、コメントありがとうございます。
 これだけ霞んでいない日も珍しいですね。 こちらもそろそろ花モードにシフトしたいのですが、今週末は荒れた天気で雨の中の花見になりそうです・・・。

by おど (2015-04-01 12:25) 

テリー

すばらしい景色で、気持ちが良かったでしょうね。
by テリー (2015-04-01 16:27) 

nousagi

まだまだたっぷりの雪、
雪景色いいですね。
たくさんのお花が咲き始めていますから
やはりそちらにシフトしていますが
こういうのを見ると
もう一度くらい雪景色見たいかな・・・。
by nousagi (2015-04-02 10:48) 

おど

テリーさん、コメントありがとうございます。
 神経使うところも少なく、快適で気持ち良い山でした。 1200mを越えた辺りからの展望もよく冬山初心者にはお勧めの山でしょうか?

nousagiさん、コメントありがとうございます。
 今年はこの時期でも雪山ばかり登っていますが、飽きませんね。 流石に今週末は天気が悪いので、いけない可能性が高いですが。(最新の天気予報だとよくなりそうですねぇ 苦笑)

by おど (2015-04-02 12:43) 

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