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[登山] 鈴鹿 厳冬期のイブネとクラシ [登山]

 今回は、雪の鈴鹿を楽しみたいと思い、朝明渓谷から「クラシ」と「イブネ」を周回してきました。 前日の雲も日の出とともに消えていき、昼に掛けて快晴となりました。 また、冬型の気圧配置で風が強かったのですが、その代わり澄んだ空気で遠くまで綺麗に見ることが出来ました。

クラシ東斜面からのパノラマ(釈迦ヶ岳・名古屋方面・御在所岳・鎌ヶ岳など)

鈴鹿
厳冬期のイブネとクラシ
日付2016年01月24日(日)
天気晴れ(風強く)
山域鈴鹿
場所三重県三重郡菰野町大字千草
距離14.7Km
累積標高+1320 -1320m
時間08時間40分
人数1名
撮影枚数0468枚 (FUJIFILM FinePix XP200)
0000枚 (OLYMPUS STYLUS TG-4)
0000枚 (Panasonic DMC-GM1)
登山難度
(A:安易~E:高度)
B(雪山装備必須)
展望
(A:良い~E:なし)
B
見どころ愛知川、琵琶湖
行程・標高・距離・時刻(赤字はGPSの実績)
07:05450m0.0Km朝明大駐車場 出発
08:10 (01:05)803m2.6Km根の平峠 (5分滞在)
08:50 (00:40)720m3.6Kmヒロ谷出合
09:15 (00:25)714m4.3Kmクラシ谷出合
11:20 (02:05)1143m5.7Kmクラシ
11:40 (00:20)1155m6.2Kmイブネ北端 昼食休憩
12:00 (00:20)1155m6.2Kmイブネ北端 出発
12:05 (00:05)1160m6.6Kmイブネ
12:45 (00:40)1042m8.1Km杉峠
13:40 (00:55)775m9.8Kmコクイ谷出合
14:25 (00:45)770m11.0Km上水晶谷出合
14:50 (00:25)782m11.8Kmヒロ谷コース合流
15:00 (00:10)803m12.1Km根の平峠
15:45 (00:45)450m14.7Km朝明大駐車場 到着

ルートラボ

実績コース(緑色は予定、赤色が実績)
20160124_map.jpg

 前日の土曜日は当所の天気予報で曇で昼から雪の予報となっており、早々に日曜日の計画となりました。 しかし、土曜日に予定していた山域(岐阜県西部)を自宅付近から見ると、陽が差し込んで真っ白な峰々が望めます・・・。
 すでに10時近くなので土曜日は諦め、天気の回復が望める日曜日に近くの鈴鹿の積雪量の多い山を目指します。 Yahoo地図で積雪量を確認すると、北から「霊仙山」「御池岳」「竜ヶ岳」「御在所岳」「雨乞岳」などの積雪量が多いことが分かりますが、そのほとんどは雪の多い時期に行ったことがあります。
 そこで雪の量も期待できる、鈴鹿最奥地と言われているイブネとクラシへ、朝明渓谷方面から向かうことにしました。

 登山口となる朝明の大駐車場までは、下道でも1時間半で行けるので朝5時半に出発しました。 大寒波が来ると言われていますが、日曜日の朝はそれほど冷え込みは無く、道路の温度計も0度前後を指していました。

 朝明への分岐まで雪を全く見ることはありませんでしたが、県民の森へ向かうと徐々に雪が見られだし、朝明手前まで来ると道路も一部凍結していました。 そのまま奥の大駐車場に到着しますが、予想に反して駐車場には10cmほどの雪で覆われています。 その駐車場に不用意に入ってしまい、暫くスリップして抜け出すのに苦労してしまいました・・・。(下写真)

雪に覆われた駐車場

 無事に脱出し、駐車場の奥に止めると早速準備をして出発します。 出発時点で、思ったよりも雪が多いので、ワカンではなくスノーシューを背負って向かうことにしました。 ここでストック(ダブルストック)を持ってくるのを忘れたことに気が付きます。 仕方なく、ピッケルだけ持って向かって行きました。

 車の轍が奥まで続いていますが、四駆でないと無理でしょう。 久しぶりに朝明から根の平峠へと向かうため、道を思い出しながら進んでいきますが、前日と思われる踏み跡が峠まで続いていたので迷うことはありませんでした。(下写真)

左の橋を渡ると登山口

登山口

踏み跡のある雪道を進む

 黙々と歩いていきますが、予報通り急速に天気が回復してきました。(下写真)

雲は多いが晴れ間が望む

西から回復傾向

 久しぶりの本格的な雪道(10~20cm)となりますが、峠までは踏み跡もあり圧雪した道でそれほど苦労しませんでした。(下写真)

青空に

 ブナ清水の分岐が見えてきた辺りから、峠までは傾斜が急となります。 踏み跡を辿り登り切ると、根の平峠に到着しました。 ここで前日までの踏跡は、県境稜線へ二分するものと、神崎川方面のものに別れますが、神崎川方面のものは1人分しかないようです・・・。

ブナ清水分岐

峠への登り

良い天気に

 ここで背負ってきたスノーシューを履いていきます。 久しぶりのスノーシューで、点検も兼ねていますが特段問題はありません。 ここからは踏み跡を無視して、フカフカの雪の上を神崎川方面へと降りて行きました。(下写真)

タケ谷へ

真っ白な雪面を歩く

 人の足跡が少なくなると、代わりにケモノの足跡が目立ってきます。 川沿いの道は、テープを頼りに通過していきます。(下写真)

杉峠分岐

神崎川へ向かう

 スノーシューでの歩きとなり、普段よりは時間が掛かりますが、新雪の上を楽しみながら40分ほどでヒロ谷出合の渡渉点に到着しました。

 ここで神崎川を渡りますが、最後の一歩が広くスノーシューを履いたままでは飛べるか微妙でした。 ここでびしょ濡れになると、生死に関わるのでスノーシューを脱いでジャンプしていきました。(下写真)

神崎川を渡り(対岸から撮影)

 無事に渡り、再度スノーシューを装着したら、クラシ西尾根の末端まで暫くは平坦な川沿いを進みます。(下写真)

快適なスノーシューハイク

獣の足跡を辿る

 一部急斜面のトラバースとなり、滑落しないよう慎重に通過していきます。 クラシ谷が近づき、谷を越える方法に苦慮します。 仕方なく登山道を降りて無難に通過した所で、これからの登りに供えて行動食を摂りながら休憩していきました。(下写真)

前方に取り付き尾根(左奥)が見えてきた

 ここからはクラシまで、一気に400mほどの上りとなります。 尾根に取り付き、傾斜の弱い斜面を選択しながら、右に左に蛇行して標高を稼ぎます。(下写真)

尾根に取り付く

 取り付きから傾斜が一段落すると、雪の上にケモノの足跡と針葉樹の枝を集めた寝床らしきところを通過します。 足跡からタヌキかと思われますが、それらしき姿は見かけませんでした。(下写真)

寝床?

複数の獣の足跡

登りは一段落

 一旦傾斜は緩みますがそれも少しの間のことで、まだまだ急登は続きました。 ここまで枝が張り出し、夏場は歩きたくない所ですが、鈴鹿だけあってここにも赤テープが見られました。(下写真)

テープが見られる

 初めの100mを登ると、尾根は左(西)へと曲がります。(下写真)

尾根は左に折れる

 尾根に沿って折れると、これまでとは雰囲気が変わり明るいブナ混じりの二次林となりました。(下写真)

ブナも混じった二次林に

 また、枝の間からは向かうクラシの山頂も見えてきました。(下写真)

奥にクラシ山頂が見えて

 中間地点となる900mピークへは、急登を登っていきますが、ここは直登を避けて右方向から向かいます。(下写真)

900mピーク(右)手前

 900mピークを左から巻き気味に通過すると、後方の枝越しに白い山並みが見えていました。(下写真)

900mピーク

 一旦鞍部へ降りてから再度上りとなります。(下写真)

鞍部へ

 一定の傾斜で急登と言うほどではありませんが、この雪の量(20~30cm)では急いでも仕方がありません。 当所の予定では時間があればタイジョウまで向かう予定でしたがこの段階で計画変更し、イブネを経由して下山することにします。(下写真)

気持ちの良い尾根道を進む

 途中で北斜面がスッパリと切れた細尾根を通過しますが、北から東に掛けて展望が望めました。(下写真)

北に御池岳が白く

鈴鹿北部の山々

霊仙山は真っ白

御池岳(ボタンブチも良く見える)

細尾根(北斜面は絶壁)

 短い間ですが細尾根を慎重に通過して、その後も続く長い斜面をジリジリと登っていきます。(下写真)

この先から急登に

長い斜面を我慢して登る

 我慢して登って行くと、尾根が広がり前方が明るく開けてきました。(下写真)

尾根が広がり疎林となる

 傾斜も若干緩み、東方面の展望が広がります。 近くに濃尾平野や釈迦ヶ岳・御在所岳などがハッキリと見えていますが、北アルプスや南アルプス方面は雪が降っているのか雲で覆われています。(下写真)

クラシ東斜面は展望地

 クラシ山頂の展望はないので、ここで休憩がてら暫く写真を撮っていきました。(下写真)

クラシ東斜面からのパノラマ

御在所岳(中央奥)、鎌ヶ岳(左)

桑名市方面(右奥に伊勢湾)

 そして満足した所でクラシへと最後の斜面を登ります。(下写真)

クラシ山頂へ

 斜面を登りピークと思われる針葉樹に覆われたピークに向かうと、テープに「クラシ」とだけ書かれ木に巻かれた山頂に到着しました。(下写真)

クラシ山頂(展望なし)

 ここは以前訪れた時の記憶の通り展望はありません。 写真だけ取ると通過して、シャクナゲの多い尾根を通り抜け、台地状の尾根へと向いました。(下写真)

台地状の尾根に

 今回この山域を決めた理由は、この周辺が平坦地で雪が多そうだったからでした。 期待通り、背の低い笹は雪に覆われ、一面の雪景色です。(下写真)

期待以上のスノーシューハイク

 また、北方向を中心に視界も開け、琵琶湖とその奥に白く湖西や鈴鹿北部の山々などが見えていました。(下写真)

澄み切った青空に雪の山々

右から藤原岳・御池岳・伊吹山・霊仙山・金糞岳など

長浜方面(左に琵琶湖と湖北の山々)

御在所岳が近くに

 この日は、北西からの強い風でこれまでは尾根の下で気が付きませんでしたが、気温以上に寒く感じます。(下写真)

強い風で旋風

 雪が風に舞い上げられ頬を打ち付けます。 念の為に持ってきた、防寒用の帽子を被り展望を見ながらイブネへと歩いていきます。(下写真)

比良山地(手前に琵琶湖)

四日市方面

鎌ヶ岳と右奥に伊勢の山々(白いのは伊勢湾)

イブネへ

近江八幡方面

 昼前になり、上空は雲一つない快晴となりました。(下写真)

快晴に

 イブネ北端へと登る斜面に取り付くと、強い風で押されるように登っていきます。(下写真)

イブネ北端への斜面

風は次第に強く

 イブネ北端の手前まできた所で、イブネへと向かいかけますが、そろそろ食事としたいところですが、この先に風を避けられるところはありません。 途中で思いとどまり、北端へと向い東斜面を少し降りた所で、昼食休憩としていきました。(下写真)

イブネ北端

イブネ北端から名古屋方面(国見岳:右、釈迦ヶ岳:左)

クラシ(中央右手前)を望む(奥に竜ヶ岳)

名古屋のビル街アップ

 斜面下で風は多少弱まりますが、それでも次第に強くなってきていたので、食事は予定より早めに済ませてイブネへと向いました。(下写真)

イブネ山頂へ

 イブネの山頂はこの雪の時期でも、平坦でどこが山頂下分かりません・・・。 この辺だろうと適当に向かうと、標識がありそれと分かります。(下写真)

イブネ

 相変わらず風が強く、時間もそれほど余裕は無いので、杉峠へと下山を始めます。(下写真)

下山の杉峠へ(綿向山が下山尾根の目印)

 綿向山が白く見えてくると、そちら方面へと向かう尾根を降りて行きました。(下写真)

この尾根を下る(鞍部が佐目峠)

 滑るように下りて行き佐目峠に到着すると、ここからは緩やかな登りとなりました。(下写真)

登り返す

綿向山

綿向山アップ

 一旦登り返して、尾根の上部でタイジョウからの道と合流すると、左手の杉峠へと手前のピークを経由して歩いて行きました。 前方に雨乞岳が大きく見えてきた所で、一気に下りて行き程なく杉峠に到着しました。(下写真)

雨乞岳

杉峠

杉峠からは名古屋が見える

 ここまでは歩きやすい道ですが、ここからコクイ谷出合いまでは、何回歩いても分かりにくい道です。(下写真)

杉峠を後に

適当に下っていく

 途中までは緩やかな疎林の斜面を下りて行きますが、植林帯となると沢の上部をトラバースする道で、本来のコースを見失います。 一旦は復帰しますが、矢張り見失いもっと上部にあることは理解していますが、そちらへ登り返す気は起こりません。 幾つか沢の溝を通り抜けて行きますが、その度に登り返すことになり体力と時間を消費していきました。

 そして杉峠から1時間近く掛けて、コクイ谷出合に到着しました。(下写真)

一時間近くかけてコクイ谷分岐に

 ここからも神崎川沿いの道を高巻きしていきます。 斜面上の道に取り付き、沢を見下ろすと、イノシシの親子が突然の訪問者に驚いたのか、雪をラッセルしながら逃げていきます。(下写真と動画)

イノシシ(親と二匹のウリボウ)

逃げるイノシシの親子(動画)

 雪で滑らないように慎重に高巻いていきますが、疲れが出始め速度が鈍り始めました。 標識に従い対岸へ渡り、次第に細くなる渓谷沿いを歩いて行きました。(下写真)

ここで対岸へ

適当に渡る

 沢沿いの道から遠のき、見晴らしの良い道となると、危険箇所もなく一安心です。(下写真)

上水晶谷へ

 道標もあるので指示に従い、上水晶谷出合へと向います。(下写真)

この先の分岐に注意

  上水晶谷を越えると、記憶に残る景色を見ながら、根の平峠へと登って行きました。(下写真)

根の平峠への道(ここまで来れば安心)

 往路につけた足跡と合流しますが、こちら方面に付けられた自分以外の足跡はないようです・・・。 峠手前の広い斜面で、最後のスノーシューの歩きを楽しみます。(下写真)

根の平峠の近く(スノーシューを楽しむ)

よく見るとキノコ岩が

 そして根の平峠に到着すると、ここでスノーシューを脱いで、複数の踏み跡を辿り足早に下山していきました。(下写真)

根の平峠に到着

堰堤上部まで来た

今回の反省点は、
・杉峠からの下山で時間が掛かり過ぎた事でしょか。 久しぶりの本格的な雪歩きで後半疲れが出ましたが、夏場からの長距離歩きでバテる事はありませんでした。

 次回ですが、ネットの雪山登山に参加する予定です。(今回はその準備と訓練を兼ねていました)


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コメントの受付は締め切りました
テリー

気持ちのよさそうな山歩きですね。
天気がよくて、眺望がよければ、最高ですね。
by テリー (2016-01-27 15:53) 

joyclimb

澄み切った青空と雪の景色、とても綺麗ですね^^
イノシシの親子に突然、遭遇すると驚きますね。
by joyclimb (2016-01-27 23:03) 

ちぃ

最強寒波の日に登られたのですねーっ。とっても寒そう(*^-^*)
空も雪の山々も美しいですね!!こうして見せていただくだけでもワクワクしてはやくどこかへ登りにいきたいな、、って思います(笑)
イノシシ親子に遭遇はビックリですね、近づいてきたら怖いかも(^^”
綿向山は1度登ったことがあります♪ 次回の雪山、どこへ行かれるのかな?楽しみです。
by ちぃ (2016-01-28 09:33) 

g_g

青空での気持ちの良さそうなスノーシューの歩き楽しそう・・・
親子連れのイノシシは危険なのでビックリしたでしょうね。

by g_g (2016-01-28 11:10) 

よしころん

こんにちは^^
相変わらず歩かれていますね~
わたしは故障中にて2月いっぱいは養生。
3月頃から少しずつ歩ければいいなと思っています。
by よしころん (2016-01-28 14:30) 

OJJ

空の色がとてもきれいですね~今年はスノーシューに行けるかどうか・・
六甲山のイノシシは人に慣れています。
by OJJ (2016-01-28 17:21) 

nousagi

イブネとクラシ
感じを当てたらどんな字になるんでしょうね。
面白い山名です。
イノシシ、正面切ってバッタリしたら怖いですが
上から見ている状態だと、ちょっと可愛いですね。
大量の雪の山、お疲れ様でした。
by nousagi (2016-01-28 17:44) 

おど

皆さん、NICE!とコメントありがとうございます。

テリーさん、
 ここまで良い天気になるとは思っていませんでした。 山頂からの眺め、最高でした。

joyclimbさん、
 空も紺色で綺麗でした。 真っ白の雪も久し振りですね。
 イノシシは、年に数回遭うのでもう慣れました。(笑)

ちぃさん、
 思ったよりは寒くはありませんでしたが、風が強いと体感温度が下がるので厄介ですね。 綿向山、一回行ったきりで随分と訪れていません。 近いうちに南西尾根から登ってみたいと思ってます。

g_gさん、
 スノーシュー、最近は意識せずに歩けるようになったので、雪が多い時は楽しいですね。 イノシシは、最近だと愛知県の茶臼山で、家族団らんの所に遭遇しました…。

よしころんさん、
 膝の状態はドウなのでしょうか。 しかし、養生と言いつつ色々と歩かれて(訪れて?)いるようで、羨ましいですね。

OJJさん、
 冷気が入っていたので、空も澄んで綺麗でした。 六甲山のイノシシは慣れすぎですよね・・・。 鈴鹿と言うか、普通のイノシシは驚いて逃げますよ。(笑)

nousagiさん、
 イブネとクラシ、それにタイジョウとこの近くにはカタカナ語の山が多いですね。 昔は近くに鉱山や集落(学校など・・・)もあったので、古い地名が残ってっているのでしょうね。

by おど (2016-01-29 12:43) 

ひろたん

まだ雪を歩いていませんです。
このようなお天気で歩きたいですね。
by ひろたん (2016-01-30 17:39) 

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