[登山] 2016年 残雪期の乗鞍岳(野麦から県境尾根へ) [登山]
今回は、去年も訪れた岐阜県の「野麦」から「乗鞍岳」へ登ってきました。 藪も出ていたので、上りは去年と同コースとし、下山は県境尾根を途中まで降りて最後は林道歩きとしました。 当日は、春霞で遠望があまりよくありませんでしたがよい天気で、下山時には木曽御嶽山や北・南・中央アルプスなどを見ながら歩くことができました。
県境尾根2067mピーク手前からのパノラマ(乗鞍岳と北アルプス南部の穂高連峰)
日付 | 2016年04月09日(土) | ||
天気 | 晴れ | ||
山域 | 乗鞍岳 | ||
場所 | 岐阜県高山市高根町野麦 | ||
距離 | 22.0Km(内車道・林道8.5Km) | ||
累積標高 | +1812 -1812m | ||
時間 | 09時間25分 | ||
人数 | 単独 | ||
撮影枚数 | 0606枚 (FUJIFILM FinePix XP200) 0222枚 (Panasonic DMC-GM1) | ||
登山難度 (A:安易~E:高度) | B(雪庇・滑落注意) | ||
展望 (A:良い~E:なし) | A | ||
見どころ | 展望 | ||
行程・標高・距離・時刻(赤字はGPSの実績) | |||
05:45 | 1388m | 0.0Km | 濁河林道分岐 出発 |
06:10 (00:25) | 1556m | 1.6Km | 林道登山口 |
07:30 (01:20) | 2017m | 5.0Km | 2017m地点 |
10:05 (02:35) | 2976m | 8.2Km | 剣ヶ峰の肩 昼食休憩 |
10:40 (00:35) | 2976m | 8.4Km | 剣ヶ峰の肩 出発 |
11:05 (00:25) | 2829m | 9.4Km | 高天ヶ原 (10分滞在) |
11:45 (00:40) | 2527m | 10.6Km | 2527m付近 |
12:40 (00:55) | 2065m | 12.9Km | 2065mピーク |
13:05 (00:25) | 2066.8m | 13.6Km | 2066.8m三角点 |
13:20 (00:15) | 1976m | 14.3Km | 県境分岐(林道へ) |
13:35 (00:15) | 1785m | 15.3Km | 林道出合 |
14:25 (00:50) | 1450m | 18.9Km | 脇谷橋 |
14:50 (00:25) | 1338m | 20.5Km | 林道始点 |
15:10 (00:20) | 1388m | 22.0Km | 濁河林道分岐 到着 |
ルートラボ
去年の4月18日にも同じ「野麦」の集落から「乗鞍岳」へとピストンで登っています。 当初は、ここから南にある「鎌ヶ峰(かまがみね)」へ向かう予定で計画しますが、雪が少ない時のことを考えて「乗鞍岳」へと転進できるよう計画します。
前日夜に高山市に移動していつものように前泊していきました。 先週はこの計画を天気の悪化(午後に)と高温で見合わせていますが、この日の日中も気温が高くなる予報でしたが、朝方は冷え込むようです。
朝の雪の締まった時間にと、高山を4時に出発し5時半過ぎに野麦集落に到着しました。 しかし明るくなった周辺には、雪の姿は全く見えません・・・。 この様子では、鎌ヶ峰の取り付きからしばらくは藪漕ぎとなってしまいます。 ここは気持ちを切り替えて、まだ雪の期待できる「乗鞍岳」に登ることにします。
以前は凍結もあったので下の公園に駐車していきましたが、今回は凍結の心配は全く無いので林道を走って標高を稼ぎます。 程なく尾根の上部の登山口に到着しました。(下写真)
去年は山スキーの車が止まっていましたが、この雪の量では下からスキーで登るのは無理(意味なし)でしょう。 早速、準備を整えて出発しました。(下写真)
尾根沿いの林道を歩いていきますが、去年はここにも点々と雪が残っていましたが、今年は雪どころか隣の尾根の上を見ても白いものがありません・・・。 暫く進むと申し訳程度で路肩に残雪が少しだけありました。 結局スノーシューを担いだ状態で、林道奥の沢の分岐に到着しました。 ここで右の谷に入っていき、沢沿いを歩くことにします。(下写真)
雪の無い沢の横を歩いて行くと良い道と合流し、雪も少しだけ出てきました。 雪の上を見ると、いつのかは分かりませんが、スキーの跡が残っていました。(下写真)
途中の巨石を通過して、暫く進むと古い林道の広場へ到着します。 ここで左上に登りますが、藪に覆われ少ないところを選びながら進むこととなります。(下写真)
傾斜が緩み尾根上に上がると、林道終点のヒ広場の奥に出てきました。(下写真)
ここから尾根伝いに歩くことになります。 植林帯となり残雪が多くなり、ここからはスノーシューを履いて行きました。(下写真)
右に滝の音を聞きながら樹林帯を黙々と歩いて行くと、傾斜がキツくなり樹間が広がり始めます。(下写真)
それまで見えなかった周りの景色が望め始め、後方に「木曽御嶽山」や登る予定だった「鎌ヶ峰」が見えてきました。(下写真)
ここまで来ると久しぶりに高山病の症状が現れます。 息を切らしながら登って行くと、森林限界を越えて白い斜面を登って行きました。(下写真)
しかし、このあたりも今年は雪が少なく、去年見た時は一面真っ白でしたが、この日はすでにハイマツなどが出てきはじめていました。(下写真)
更に標高を上げると前方に剣ヶ峰などが見えてきました。(下写真)
ここから直登しようかと思いましたが、思いのほか息が切れるので緩やかな谷沿いに進んでいきます。(下写真)
谷を詰めると右手に「高天ヶ原(たかまがはら)」との鞍部が見えてきますが、この辺りは全く雪が無く驚かされました。(下写真)
今回は山頂へ向かう予定はありませんが、白山方面は確認して置きたかったので、手前の肩まで登っていきます。(下写真)
ここも黙々と登っていきますが、上部に行くに従い強い風で押し戻されます。 肩の手前では、その風で表面がガチガチの氷となっており注意が必要でした。
そして出発から4時間半弱で剣ヶ峰の岩場の取り付きに到着しました。 山頂方面は、まだ人が少ないのか気配はありません。 ここで白山方面を見ていきますが、残念ながら春霞でボンヤリとした状態でした。(下写真)
落石が危険ですが、展望もいいのでここで昼食休憩としていきます。 少し回りこみ岩場の影で風を避けて行きました。(下写真)
南アルプス(左から甲斐駒ケ岳・仙丈ヶ岳・北岳・間ノ岳・農鳥岳・塩見岳・悪沢岳など)
気温はそこそこ高いのか、風が弱ければ手袋を外しても寒くはありませんでした。 周囲の写真を取りながら短めの休憩としました。 休憩後は、先ほどの氷を避けて登ってきた急斜面を降りて行きました。
ここからは高天ヶ原へと向かい、そこから県境尾根を下山していきます。(下写真)
登るときにも見えていましたが、剣ヶ峰の東斜面は例年に比べ(以前登った5月より)雪が極端に少なく、地肌が完全に露出しています。 雪のあるところを歩きますが、それも無理となってきたのでここでスノーシューを一旦脱いで登ります。(下写真)
高天ヶ原に到着しますが、広い山頂部はどこが頂上なのか分かりません。 北アルプスと御嶽山、それぞれの眺めが見られるところへ移動して写真を撮っていきました。(下写真)
左から富士見岳・赤木岳・黒部五郎岳・笠ヶ岳・抜戸岳・鷲羽岳・真砂岳など
南方面へ向かい、木曽御嶽山がよく見える斜面からは県境尾根へと降りていきます。 しかし、ここも日当たりが良いためか雪は少なく、暫くはツボ足でガレとハイマツを歩いていきます。(下写真)
少し右手に来すぎているので、左の県境へとトラバースして向かいました。 すると県境を堺に東方面はスッパリと切れた崖となっており、その手前に雪庇が出来て雪が繋がっていました。 再度スノーシューを履き、雪の上を降りていきます。(下写真)
雪庇はほとんど溶けていますが、あまり近づかないようハイマツ沿いに降りていきます。 その雪庇の上にはいつのものなのか、スキーの跡も見られました。(下写真)
県境を一気に降りていきますが、2527m地点近くから、傾斜を増して下ることになります。(下写真)
下に県境尾根があるのを確認すると、スノーシューの苦手とする急斜面の下山を開始します。(下写真)
雪解けが進み序盤の急斜面はつづら折れで慎重に降りていきますが、傾斜が緩んだところでシリセードで一気に降りていきます。(下写真)
更に傾斜が緩み森林限界を下回ると、木々が多くなりホッと一息つけました。(下写真)
ここからは明確な尾根を進んでいきます。(下写真)
暫くは枝も少なく歩きやすい道ですが、次第に細尾根となりおネ申を外して進んでいきました。 2154mピークへと登る細尾根は無視して、左の緩斜面をトラバースして通過します。(下写真)
その先で尾根が広がり別天地となりました。(下写真)
右には鎌ヶ峰と中央アルプス、それに御嶽山が獄谷越しに見えています。(下写真)
再度尾根が細くなりますが、ここは枝を我慢して尾根筋を進みました。(下写真)
このあたりはもっと樹木が多いかと思っていましたが、細尾根を抜けると自然林もそれなりに残っており、雰囲気の良いところに出てきました。(下写真)
2066.8mピークとの間に樹林が少ない展望地がありました。 時間の余裕はたっぷりあるので、ここで小休止とし眺めを見ていきます。(下写真)
2066.8mピークへと登り返しますが、標高差は大したことなさそうです。 それよりも雪の下から笹が出てきているのが気になります・・・。(下写真)
程なくピークに到着しました。 ここもなだらかなピークで、三角点(大野川尾)があるはずですが、雪に埋もれて見当たりません。 (下写真)
ピークを越えて南東尾根へと下りて行きました。 しかし、南斜面は笹が露出した部分が多く、行く手を阻み始めました。(下写真)
笹の上を歩いて進もうとしますが、スノーシューを履いた状態では案の定ツルツルと滑り危険でした。(下写真)
ここから県境尾根は東に方向転換していてそれを追いますが、雪の下から笹が出ており、雪で楽できるのもここまでのようです。(下写真)
この状態は予想済みで、予備コースとして西の林道への下山を考えていたので、それを実施に移します。 前方に見える南尾根の先は幸い植林で笹や藪は見えません。 笹を避けつつ、そちらに向かって下りて行きました。(下写真)
途中からは林道へ最短となるよう軌道修正して下りて行きます。 そして左手に林道と思われる笹に覆われた壁?があるので、そこを越えると林道斜面の上部に出てきました。(下写真)
しかし、ここを降りるのはザレた急斜面で危険なため、そのまま林道沿いに下りて行き、林道が折り返したところで出合います。(下写真)
ここまで来れば一安心です。 県境尾根の途中では気が付きませんでしたが、林道の雪の上にはスキー跡が2足分残っていました。 皆、考えることは同じということでしょう。(下写真)
沢を折り返し陽が当たる道となると、とたんに雪がなくなりました・・・。(下写真)
こうなるとスノーシューは邪魔なので、早々とここで脱いで後は単調な林道歩きとなりました。(下写真)
最近車が通った形跡はありませんが、思いの外よいみちが続きました。(下写真)
道はつづら折れについていて、地図上ではショートカット出来そうですが、実際には余り意味がなさそうです。 県道までの中間付近で脇谷を越える橋がありますが、その手前辺りから斜面が脆く落石注意の道が続きます。(下写真)
その橋を渡った先も、急斜面から雪まじりの土砂が崩れて車は通れそうもありません。(下写真)
そこを抜けると轍も見られだし、明るく普通の林道といった雰囲気です。(下写真)
前方に高圧鉄塔と電波塔の建物が見えてくると終点(林道始点)も間近でした。(下写真)
ここからは舗装路となり、足に負担は掛かりますが歩く速度は上がります。(下写真)
そして県道の合流しました。 左手の野麦峠方面を見ると、道路どころか周囲に雪はまったく見られません。(下写真)
結局、当初予定を含めて雪が少ない今年はこのコース取りが最良だったと思います。 後は車の駐車場所まで登り返しとなり、春の日差しが暖かな車道をトボトボと帰って行きました。
今回の反省点は、
・特にありませんが、雪の急斜面ではスノーシューを脱ぐよう心がけたいと思います。(履いていると危険です) また、5月の北アルプスを覗き、残雪の雪山は終了予定です。(雪がないので仕方ありません)
次回ですが、まだ早いかも知れませんが、鈴鹿へアカヤシオを見に行く予定です。(天気次第で変更します)
乗鞍岳はさすがに雪があるのですね♪♪良いお天気で山々が美しいですね(^o^) シリセードは楽しいし時間も短縮できますねっ♪
鎌ヶ岳に10日登りましたが武平峠からの登山道にはアカヤシオは見かけませんでした。コブシがたくさんでした(*^-^*)
by ちぃ (2016-04-14 15:40)
シリセードで一気に下山、とても爽快かつ楽しそうですね!
高天ヶ原の山頂、とても展望がいい場所ですね^^
by joyclimb (2016-04-14 20:21)
ちぃさん、コメントありがとうございます。
流石に3000m峰にはまだまだ雪が沢山ありますね。 それでも連年に比べて、半月以上は早く溶けているような気がします・・・。
鎌ヶ岳でまだアカヤシオ咲いていませんでしたか。 貴重な情報ありがとうございます。
by おど (2016-04-15 12:50)
今年は何処も雪が少なめですね。
by 山子路爺 (2016-04-17 13:26)
joyclimbさん、コメントありがとうございます。
シリセード中までは傾斜がキツく出来ませんでしたが、緩くなってからは久しぶりに滑りたい放題でした。(おしりに穴あきそうですが…)
山子路爺さん、コメントありがとうございます。
北関東方面も雪が少ないのでしょうかね。 北アルプスは少ない様ですが。
by おど (2016-04-17 14:54)